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40 posts categorized "マンガ・劇画"

July 22, 2012

ててごとははごと

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先日、時間が空いたので江戸東京博物館へ行った。なかなか面白くて仔細に眺めていたら一周するのに三時間も掛かってしまった。当時の技術で作られた原寸大の、但し半分だけの日本橋から始まって、細部まで作成されたジオラマの数々に圧倒されながら、当時世界的にも先進的な上水道などを見て、何故こういうことを学校で教えないのかと思った。いや教えているのかも知れないが、むしろ子供達が誇りに思える日本の優れたところをわざと避けているような気がしてならない。

よく日本の明治以降の近代化について驚異をもって語られるが、それはその以前から成熟した社会を既に独力で築き上げていた基盤があるからで、例えば市場経済は石高制を基礎として欧米より百年も前から行われていたし(と学生時代の講義で聴いた)、数学なども非常に進んでおりむしろ当たり前のことだった。こういうことを積極的に教えないと後が続かない。

いや江戸東京博物館だった。写真は日本橋の近く、一石橋にあった、というか今もある「満よひ子能志るへ」のレプリカ。この辺りは当時も繁華街で、迷子が出るとこの石に貼り紙をして探したといういわば迷子用の掲示板、つまり迷子のしるべだ。

これを見て、あぁそうか、子連れ狼の主題歌、「ててご橋」はこのことを言ってるのかと合点がいった。ててごとははごと、ごとごとと、一石橋で待てば良い、迷子になったらどこで待つ、一石橋で待てば良い、というのはそういう背景があったんだな、と感慨深いものがあった。いや漫画なんですけどね。

ところが、このゴトゴトと、という大五郎が乗っている乳母車の進む音は、実は、「ごとと、ごと」と読むべき由来があるらしい。
当時の一石橋が金座を仕切っていた後藤氏と、また別の後藤氏との領地のちょうど境界で、つまり後藤と後藤、ごとと、ごと、これを五斗と五斗にかけ、足して一石橋と名付けられたと。大五郎の乗る乳母車は機関銃仕込みのハイテク兵器である割には何故か車輪は木製だ(笑)。だから拝一刀が押すとゴトゴト鳴る。そんな軽い擬音語に実はこんな背景があったとは。原作の小池一夫は弐十手物語にしても何にしても深いなと。いや漫画なんですけどね。

ちょんまげ天国~TV時代劇音楽集~
※Amazonでさわりだけ試聴できます。ちなみにこの「ちょんまげ天国」、早速買いました(笑。

ほか、新宿二丁目の太宗寺の脱衣婆への信仰とか、江戸のお稲荷さんの番付表とか、ニコライ堂のジオラマなど見るだにいちいち小生のツボを刺激してつい時間を忘れてしまった。ちなみによく前を通る駿河台の太田姫稲荷もちゃんと載っていて、こういうのを矯めつ眇めつ見つけるのは殊の外楽しい。暫くしてからまた行きたい気分。入場料大人六百円(常設展のみ)。

April 26, 2010

林静一 / 『Red Colored Elegy』

Red Colored Elegy

林静一『赤色エレジー』の英語版。タコシェのサイトでこのフランス語版『Elégie en rouge』が紹介されていてたちまち欲しくなったが、その版元であるÉditions Cornéliusのサイトに行ってみると他にも水木しげる、辰巳ヨシヒロ、安倍慎一などの仏語版もあって嬉しくなる。

この出版社は仏内外のコミックの翻訳をしている専門出版社のようで、サイトのフラッシュが楽しくていい。最近はいかにもフランスポップらしいストリーミングを流しっぱなしにして家事などしたりして。

http://www.cornelius.fr/

December 26, 2009

『prints 21 特集・楳図かずお』

prints (プリンツ) 21 2010年春号 特集・楳図かずお [雑誌]

楳図かずおの漫画家デビュー55周年記念特集。楳図先生といえばNHKでいま4コマ漫画の講師をされておられるが、4コマ漫画はともかく、そこににじみ出る人柄がほのぼのしていて毎回ついチャンネルを合わせてしまう。
小生が京都に住んでいた頃、偶に厭世的な気分になったときに(笑)何度か宿坊に泊まりに行った高野山の、和歌山高野町のお生まれだそう。恐怖漫画の源泉はこんなところにあるのかも。グワシ!

■関連エントリ
- 楳図かずおと兵隊やくざ / 『恐怖への招待』: 月球儀通信
http://azusayumi.tea-nifty.com/fragment/2007/08/post_a4ce.html
- 楳図かずおと鳥肌実: 月球儀通信
http://azusayumi.tea-nifty.com/fragment/2005/04/post_5608.html
- 神保町に「触れ太鼓」 / 楳図先生をお見かけする: 月球儀通信
http://azusayumi.tea-nifty.com/fragment/2007/09/post_2555.html

July 21, 2009

百太郎、鬼形礼、そして三上博史

最近邦画の恐怖映画を良く観るが、その殆どは外れだ。しかしなかでも「ほの暗い水の底から」や黒沢清の作品などはよく出来ていると思う。この間観た映画「予言」(2004年94分)は当たりではないが、つのだじろうの「恐怖新聞」を原作にしていて懐かしくなった。ただ、原作からは未来を告げる新聞という着想を使っただけで話は全然別物だ。

つのだじろうといえば小生が小学校のときに連載されていた「うしろの百太郎」がいまでもトラウマになっているが、とても「泣くな、十円!」と同じ作者とは思えない恐さだった。同時につのだ☆ひろと兄弟というのも信じられないわけで、いつか揃ってテレビ出演した際の「兄弟ともオンリョウで飯を食ってます。」などという冗談まで覚えているわけだけれど、ユリ・ゲラーに端を発する超能力ブーム、その後続く心霊物の先駆けをなす漫画だったことには変わりない。

「恐怖新聞」は鬼形礼という少年へ毎日深夜に何物かによって配達される新聞に未来の惨事が載るというもので、大人になってひねくれてしまった今ならそんな新聞があれば何で株価欄を見ないのかとか余計なことを思ってしまうのだが、当時も子供ながらにつのだの描く女性は岸ユキにそっくりだなどと思いつつ読んでいた。

映画「予言」は原作とはかなり異なり、三上博史と酒井法子が夫婦の設定。一人娘をつれて遊びに行った帰りにトラックに当てられ娘を車に残したまま車は炎上してしまい、それをきっかけとして未来の事件が載った新聞が届くようになる。現実と虚構が入り組み、時間軸が交錯しつつ狂気へと突き進んで行く・・・。

劇中、鬼形礼は恐怖新聞を届けられ、未来を変えることで自身を破滅させてしまう老人の設定で山本圭が扮しており原作とは異なる。山本はこの手のホラーで必ずと言って良いほど出てくる邦画ホラーの常連。殆どが狂気を孕んだ心霊研究家の役回りで、またかと思わず顔がほころんでしまった。

草迷宮 [DVD]三上博史は最近映画での出演作を聞かないが、寺山修司「草迷宮」(1979年)が実質デビュー作だったと思う。小生は高校生の頃、公開初日に池袋の文芸坐(だったと思う)で舞台挨拶を見た。当時三上もまだ高校生だった筈だ。寺山映画を観たのはこれが最初だったが、家に帰ってから熱が出て翌日学校を休んだ記憶がある。寺山の洗礼を受けて出た知恵熱だったかも知れない(笑)。

May 23, 2009

『美代子阿佐ヶ谷気分』映画化

アベシンこと安部愼一の漫画、「美代子阿佐ヶ谷気分」が実写映画化されたらしい。
http://www.cinemacafe.net/news/cgi/present/2009/05/5996/

公式サイトは下記。
http://www.miyoko-asagaya.com/
シアター・イメージフォーラムにて2009年6月に公開と。美代子役に劇団毛皮族の町田マリー。ほか三上寛、林静一、しまおまほなど。制作は原作を出版するワイズ出版。

あの有名な岡林信康のシャウトシーン「あんたにゃわかるめー」はどうなっているのだろうか。

January 10, 2009

いましろたかし / 『デメキング』映画化

デメキング 完結版

自称「いましろ原理主義者」の小生でも少々驚いたのだが、「デメキング」が映画化されるらしい。
しかも原作だけでなく脚本もいましろが手掛けているようだ。
主演の蜂屋役に芸人のなだぎ武、姉役に本上まなみ、ほかガッツ石松など。監督は寺内康太郎、2009年3月の封切りと。しかし、いましろ作品が映画化されるなんて自分のなかではかなりのニュースだが、あの独特の間が映画でどう生かされているのだろうか。DVD化されたら借りてみようかと。

■関連サイト
- デメキング DEMEKING OFFICIAL SITE
http://www.demeking-movie.com/


■関連エントリ
- 月球儀通信 : いましろたかし / 『デメキング 完結版』
http://azusayumi.tea-nifty.com/fragment/2007/07/post_cbfe.html
- 月球儀通信 : 『いましろたかし』 / いつまでも不発な日常
http://azusayumi.tea-nifty.com/fragment/2006/01/___a86a.html
- 月球儀通信 : いましろたかし / 『盆堀さん』
http://azusayumi.tea-nifty.com/fragment/2007/10/post_a019.html


January 03, 2009

銭ゲバとゲバゲバ90分

ココログのサイドバーにある人気記事ランキングでここ数日、以前書いた銭ゲバの記事の順位が上がってきたのに気付き、一体何故なのだろうと思ったが、どうもこの一月からテレビドラマとして放映されるらしいことを知った。銭ゲバ 上 (1) (幻冬舎文庫 し 20-4)日本テレビ系でオンエアされるらしいが、主演の蒲郡風太郎のキャスティングに松山ケンイチだそうだ。70年の映画版では唐十郎が主演だったが、松山は原作の風貌とかなり違うイメージだ。
この70年の映画はまだDVD化されておらず、ビデオもなかなか見つからない(少なくとも新宿TSUTAYAには無かった。)テレビ放映は正直どうでも良いが、これをきっかけとして唐主演のDVD化がされれば有り難い。

これに関連してYahoo知恵袋に「銭ゲバってどういう意味ですか」という質問を発見した。この知恵袋にはある意図を以てなされた自作自演的な質問があったりしてなかなか面白いのだけれど、その回答に、「(ゲバという語は)ジョージ秋山の同名の漫画以来,用いられるようになった」という書き込みがあった。しかしこれは全くの間違いで、既にゲバ、つまりゲバルト(Gewalt)の用語は学生運動で普通に使われていて、一般用語としても人口に膾炙されていた。それが社会背景的に作品の題名に使用されただけの話なのだ。そもそも銭ゲバは70年の作品だから、ここからゲバルトの語が使われ始めた訳がない。学生運動の初期からその思想的意味付けとして使用されていたし、60年代中頃には総括と称した内ゲバ、つまり内部闘争が頻発し、。処女ゲバゲバ [DVD]72年のあさま山荘事件でその内ゲバ、内部分裂は極に達してその後極左運動は次第に衰退して行ったわけだが、この題名にはそういう時代背景があったということに過ぎない。ちなみに若松孝二の「処女ゲバゲバ」は69年の制作だ。

話は変わるが、69年から放映された「巨泉、前武のゲバゲバ90分」は当時斬新すぎる番組だったが、巨泉は当時を時めく大橋巨泉、前武は前田武彦で、オヒョイこと藤村俊二や常田富士男、小松方正、松岡きっこ、吉田日出子らがナンセンス極まりないショートコントを脈絡なく続けるというもので、そのコントの間にアカンベをしながら「ゲバゲバ・ピー」という音が入るアニメーションが区切りとして挟まれるという構成だった。このゲバゲバはまさしくテレビ界を挑発するかのごときコントのゲバルトという意味なのか、おそらくそういう意図で名付けられたものと個人的には思うが、最後のピーと言う音は警官の吹く警笛を揶揄していたのではなかったかと今になって思う。これも単に思いつきだけれど。しかしこの番組は大人向けで当時小生のような子供にはあまり良く分からなかった。

しかし、60年、70年辺りの作品が最近よくリメイクされたり、漫画が原作のドラマばかり放映されるというのはどうも優れたシナリオ作家の枯渇を意味しているのではないかと思わないでもないが、ジョージ秋山作品がテレビドラマになるのは渡哲也主演の「浮浪雲」以来ではないだろうか。

March 20, 2008

ジョージ秋山『銭ゲバ』再読

いま仕事の関係も多少あって日本の戦後写真史をまとめているのだけれど、これは自分のための整理という意味合いもあり、その過程で小さな発見も少なからずあってなかなかに楽しい作業だ。そんななか、気晴らしに古瀬戸で一向に進む気配のない城戸真亜子の壁画を眺めながらお茶をして、その後三省堂へふらりと寄ったが、そこでジョージ秋山の「銭ゲバ」が文庫で出ているのを発見して懐かしくなり、思わず上下巻を買った。

銭ゲバ 上 (1) (幻冬舎文庫 し 20-4)ジョージ秋山といえばビッグコミックオリジナルの「浮浪雲」だけれど、小生にとっては「デロリンマン」であり「銭ゲバ」であって、特に銭ゲバは小学生にとってはなおさらのことトラウマになるような強烈なインパクトがあった。もちろん筋書きは覚えていなかったが、冒頭、病身の母親と醜い一人息子の蒲郡風太郎、通称銭ゲバを気遣う近所の青年を恩を仇で返すようにシャベルで撲殺して埋めるシーンの衝撃は、いま再読して忘れていた記憶が引きずり出されるような、当時の自分の心の動きをそのまま体験したような気がした。

それも子供には良くないと思ったのだろうと思うが読んでいる途中で親から当時掲載されていた少年サンデーを取り上げられた記憶まであって、いや、その記憶も73年頃に入院中だった時のような気もするがしかしそれでは年代が合わないのでかなり怪しいものではあるのだけれど。・・・そんな話ばかりで申し訳ありません、なにせこのサイトの副題が「記憶の現像行為」なもので・・・。

その後、それこそ銭のために何人もの人を殺しつつ自身の破滅に向かって突き進んでゆく筋書きはなかなか読ませるものがある。最後のシーンはドラマチックで衝撃的だ。これは実写でドラマ化したら面白いのではないかとも思ったが、果たして作品の発表年と同じ1970年に映画化されていた。

蒲郡風太郎に唐十郎、その少年時代を雷門ケン坊が演じているのは懐かしい。父親を殺され復讐のために敢えて銭ゲバの子を宿す兄丸三枝子に緑魔子、正体に気付き早々に殺され埋められる新星を名優岸田森が演じているのもなかなか。DVDは残念ながら出ていないが、今度ビデオを捜してみよう。

同じ幻冬舎文庫で「アシュラ」も出ていてこれも買ってしまいそうだ。

■関連エントリ
-月球儀通信 : 銭ゲバとゲバゲバ90分 
http://azusayumi.tea-nifty.com/fragment/2009/01/90-c496.html
松山ケンイチが銭ゲバを演じるそうです。
さよなら(初回限定盤)(DVD付)

December 15, 2007

花輪和一 / 『刑務所の前 第3集』

刑務所の前 3 (3) (ビッグコミックススペシャル)

先週発売されたシリーズ最終刊。「刑務所の中」の続編だがこれは逮捕に至るまでの経緯を中世の因果物語と絡めたまさに花輪ワールド満開の作品。細密な画面が相変わらず凄い。勿論話も面白すぎる。

70年代、花輪のデザインした状況劇場のポスターが欲しくて捜しているがなかなか見つからない。出ても高いとは思うが、一度目の前にしてみたいと思う。

October 03, 2007

いましろたかし / 『盆堀さん』

盆堀さん (BEAM COMIX)

いましろたかしの新刊がエンターブレインから出ているのを発見。
「ラララ劇場」に登場した盆堀課長に「釣れんボーイ」の続編もあり。
既にいましろ中毒、という言い方はいましろっぽくないが何事も起こるわけでもない、しょーもない世界なのに殆どが書棚に収まっているこの不思議。


■関連エントリ
- 月球儀通信 : 『いましろたかし』 / いつまでも不発な日常
http://azusayumi.tea-nifty.com/fragment/2006/01/___a86a.html

- 月球儀通信 : いましろたかし / 『デメキング 完結版』
http://azusayumi.tea-nifty.com/fragment/2007/07/post_cbfe.html

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  • Gangs of Kabukicho.
    渡辺克巳

    097154803X
    新潮社フォトミュゼの「新宿」が絶版となっているなかで最近刊行された渡辺克巳の最新写真集。洋書。



    先般亡くなった路上の写真家、渡辺克巳の写真集。インサイダーとして夜の新宿を流した彼の生の証はその写された人々と共に永く記憶されるべき。


    ジャパン
    倉田 精二
    4106024330
    渡辺克巳とくれば倉田精二を挙げずにはいられない。日本のウィージーと言われたストリートフォトの神髄。都市の殺伐と虚像をこれほど表現した写真はない。

    にっぽん劇場写真帖
    寺山 修司・森山大道
    4106024187
    寺山と森山のコラボレーションは「あゝ、荒野」以前にもこの作品で既に成就していた。68年刊のこの作品は強烈なコントラストとイメージで時代を色濃く表現している。腰巻きの惹句「奇才ふたりが火花を散らすイメージ地獄巡り」も凄いが、天井桟敷率いる寺山へぶつける森山の渾身の「返歌」が熱い。中平卓馬がカメラを構える有名なショットもあり。これを見ずに森山は語れない。


    奈良原の写真は既に絶版になった朝日新聞社の「昭和写真全仕事」を所有しているが、トラピスト修道院に取材した「沈黙の国」「人間の土地」「消滅した時間」などパースを駆使した知的で静謐な写真は独特の美。「無国籍地」は廃墟をモチーフにした写真集。その圧倒的な画面の構成美を。

    Cui Cui
    川内 倫子
    4902943026
    川内の作品は柔らかい光と深度の浅いクローズアップなどを多用して日常の「合い間」を独特の色調で表現している。小生の勝手な感覚ではあるが彼女の作品にはどこか「彼岸の匂い」のようなものが感じられてならない。明るく静かな日常。ふと視線を外して見上げる窓の外の空。こよないものたちの空間。この作品は家族の何気ない日常をテーマとした写真集。なぜだろう、頁をめくってゆくたびに胸が詰まってくるのは。


    この間東京都写真美術館で行われた回顧展で再び植田の仕事が再評価されている。砂丘シリーズに代表されるこのモダニズムはいつまでも古びない。

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