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264 posts categorized "写真"

July 16, 2012

マミヤに餌を。

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なんとも暑い。こういう日はカメラ掃除に限るということで随分昔に親戚にお下がりで貰ったMamiya Universal Pressを引っ張り出してブロアで埃を吹き飛ばしつつ、スローシャッターを切ってみたが、低速で明らかにネバリが出ていて四分の一が二分の一ぐらいにはなっている。何度か切っているうちに段々と正常に戻って来たようだ。

しかし、このカメラは如何にもマミヤらしい佇まいで、セットにはレンズ二本、グリップ、6x9と6x7のホルダー、手札判ホルダー、光学ファインダーにスポーツファインダーまで揃っていて、スポーツファインダーなどはレンズの焦点距離に応じてパララックスを補正する機構まで付いている。勿論手動だ。この機械感というか機械工作感溢れる機構は、以前持っていたRB67ProS の、例えば画面の縦横をフィルムバックの回転で切り替える際にフレームに現れる視野を示す棒しかり、如何にもマミヤだ。

120フィルムはまだ入手可能だし、ことによると135より長生きするのではないかとも思えるので、久しぶりに入れてやるかと思った。まるで猫に餌を与えるみたいだけれど。

そろそろデジイチを買っても良い頃ではないかと思うのだけれど、電気がないと動かないというのはカメラではないというような思い込みがまだ根深く心の底にあって、そんなものに何万円もつぎ込むことがどうしてもできない。カメラは金属とガラスが物理的な仕掛けで動くものであって、その中でフィルムが化学変化を起こしてナンボのものなのだ。

いやそんなことを言う奴は今どきいないわけで、もう観念していま何を買おうか研究中だ。ナイコンのE800かオリパのOM-Dか、お財布事情から結局OMになりそうだが、買ったら買ったで夢中になりそうな気配。

しかし暑い。
(写真はスイス鉄道、チューリッヒ駅だったか。)

June 17, 2012

藤原新也と痕跡本

なみだふるはな
水俣に取材した「苦界浄土」の石牟礼道子と藤原新也の対談本。だがその内容というよりも巻頭の藤原の写真を見て嬉しくなった。83年に刊行された「全東洋街道」の藤原が、このカラー写真に滲み出る諦念のような独特の「彼岸の風味」が健在だったからだ。

藤原の写真は画面のそこかしこが滲んでいる。それは東洋を歩き尽くしてきたカメラのレンズにこびりついた西アジアの砂漠の砂であり、屠られた羊の脂であり、雑然とした東アジアのいわく言い難い場末の飲み屋にもうもうと漂う煙の粒子であったかも知れない。そのレンズに堆積した旅の厚みとしての微妙な汚れが、何気ない植物の葉に照る光を美しく滲ませている。

森山大道の写真は滲む光が反転している。暗室で掛ける紗によって闇が光の領域の方へと浸食しているのだ。これは夢の世界と現実のリアリティとの関係と見ても良いかも知れない。この丁度対極にあるのが藤原の作品なのだと、そんなことをよく考える。

痕跡本のすすめ
古書店の均一台に並ぶ本にはよく線引きや書込みなどがある。そんな本をみるといろいろと前の持ち主を想像して楽しい。そんなことを前から思っていたが、それを「痕跡本」と呼んで楽しもうというのが本書。

それは頁に挟まれたハガキであったり、昔のデパートのレシートだったり、巻末に書き込まれた感想だったりする。そんな実例が豊富な図版で楽しめる。それを見越してわざと書き込んだりする二重にひねくれた人が居たら面白いが(小生ではありません笑)

May 05, 2012

森山大道 / 『にっぽん劇場 1965‐1970』

にっぽん劇場 1965‐1970

2009年の刊行でいまさらという感も拭えないが、森山大道の65年-70年の代表作及び当時の写真雑誌の連載等を織り交ぜた写真集。というより資料集と言ったら良いかも知れない。当時カメラ毎日だったかの歌手の北島三郎に取材した作品などもしっかりと森山テイストとなっていて興味深い。60、70年代の資料としても是非入手したい。月曜社刊。

森山氏といえば先日ICPのINFINITY AWARD Lifetime Achievement 2012を受賞されたが、INFINITY AWARDについては下記ICPのサイト参照。
Daido Moriyama | International Center of Photography
http://www.icp.org/support-icp/infinity-awards/daido-moriyama

ちなみにtwitter上では受賞やサイン風景がかなり上がっていて雰囲気が良く分かる。

May 03, 2012

MOLE UNIT

瀬戸正人 Silent Modo モールユニットNo5

雨がひどく外出できずになんとなく始めた本棚の整理だったが、奥から出てきた古い写真雑誌に山内道雄の作品を見つけそれをきっかけにネットを逍遥するうちに、以前四谷にあったMOLEの発行する写真小冊子、モールユニットに行き着いた。これをみると当時90年代の自分を思い出す。MOLEは既にないが、販売は蒼穹舍が引き継いでいるようだ。上は瀬戸正人の「Silent Mode」(1996年)。以下羅列。

柳沢信 写真・イタリア モールユニットNo3

大西みつぐ Wonder land1990-1999 モールユニットNo10

平カズオ 香港 モールユニットNo6 (Mole unit (No6))

吉野英里香 猿人全快―It’s a new day モールユニットNo7 (Mole unit-Photographic magazine- (No7))

山内道雄 野良猫 モールユニットNo8

桑原敏郎 モールユニットNo1

吉村朗 SPIN モールユニットNo9

May 02, 2012

時岡総一郎 / 『flicker―時岡総一郎写真集』

flicker―時岡総一郎写真集

ビジュアルアーツの主宰するビジュアルアーツフォトアワード2011年度大賞受賞作品。
先の東京堂書店での森山大道、瀬戸正人によるトークイベントにて、最近写真を見てドキドキする人はいるかとの瀬戸氏の質問に、久しぶりに写真でゾッとしたと言われたのは多分この作品のことだろうと思う。モノクロの森の中に重層的に立ち現われるおぼつかないイメージの連鎖。2011年、Visual Arts刊。

May 01, 2012

鬼海弘雄 / 『東京ポートレイト』

東京ポートレイト

「王たちの肖像」(1987)、「や・ちまた-王たちの回廊」(1996)、「PERSONA」(2003)などからポートレート作品を中心に編んだ写真集。写美の展覧会に合わせ刊行。2011年、クレヴィス刊。

April 29, 2012

森山大道x瀬戸正人 / トークイベント@東京堂書店

先般エントリした神保町すずらん通り、東京堂書店本店にて行われた森山大道氏のトークイベントを聞きに行って来た。会場は同書店6Fのイベントホール。聞き手は写真家の瀬戸正人氏。(月球技通信エントリ「瀬戸正人 / 『picnic』」「瀬戸正人 / 『bin ran』」参照、)。

午前中に仕事を済ませそのまま神保町をうろつき時間を潰す。森達也「オカルト」(角川書店)を購入。キッチン南海の開店を待ってカツカレーを。やはりいつも通り全ては食べきれず残す(どうでも良いが)。その後東京堂へ向かうが、その途次、Tシャツに黒のジャケット、ジーンズ姿の森山先生をお見かけしてしまう。軽く会釈し会場へ。満員だったが、殆どは20-30代の若い人々でこれは場所柄もあるかも知れない。小生は最前列に陣取る。当日、この直前に銀座で森山氏の師匠である細江英公氏との対談を終えて来られたとのこと。なお、聞き手の瀬戸正人氏は森山氏に師事しておられた訳で、当日は師弟関係の対談を2つ行ったことになる。

お話のなかで、写真に限らず欲望と過剰さを持っていることが表現者の資質であるという話は感慨深かった。都市は圧倒的に、すさまじく面白く刺激的で飽きないとも。瀬戸氏のCAMP時代の話も含め、興味深い話が聞け得るものの多いイベントだったと思う。帰宅22時。

April 13, 2012

森山大道 / トークイベント「モノクロからカラーへ」

先日リニューアルしたばかりの神保町すずらん通り、東京堂書店にて森山大道氏によるトークイベントの告知を発見。早速応募してみたが果たして間に合っただろうか。

写真集『カラー』刊行記念、森山大道さんトークイベント「モノクロからカラーへ」
4月28日(土)18時より、聞き手は瀬戸正人氏だ。詳細は下記。

お知らせ | 東京堂書店 最新情報
http://www.tokyodoshoten.co.jp/blog/?cat=3


4月18日刊行予定の最新写真集「カラー」は月曜社から出版される模様。

森山大道 カラー|月曜社
http://getsuyosha.jp/color/index.html

何とか当たって欲しいがどうだろう。もしかして既に遅いかも。

April 07, 2012

写真集 / 『OKUGAKE 吉野から熊野へ、駈ける』

OKUGAKE 吉野から熊野へ、駈ける

金峯山寺が監修した六田知弘による修験道の奥駆けをモチーフとした写真集。
吉野から熊野へ。過去世、現世そして未来世、三世のどこかで確かにここに居た。そんな気がしてならない日本人の原風景。モノクロが美しい。

January 09, 2012

にっぽん劇場写真帖、日輪の遺産そして寺山

新年あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。
と、松が取れてからいうのもどうかとも思うけれど、年末年始はこれまで入手したかった本をネットで探し、全国の古書店に在庫確認のメールを出すなどして少々すっきりした。ちらほらと返信を頂いているのであとはそれらを入手するのみ。最近は映画もほとんど見なくなってしまった。近所のレンタルDVD店の近くが不潔なので近寄りたくないというのもあるが、観たい映画はあらかた見尽くしてしまったというのもある。新作もそれほど気を引く作品がないし、古い映画はまだ見たいものもあるが、そもそもそういうものはなかなか棚に置いていない。以前、京都にいた頃には、何と言ったか忘れてしまったが、古い映画がそろっている公共施設があって(京都文化博物館だったかな)、邦画がかなり揃っており、地下のブースで映画を視聴できたのでよく行った。そこで寺山の「書を捨てよ、街へでよう」(71年)、「田園に死す」(74年)などを受付で出して貰っては観た。もう何年前の話だろう。
京都と言えば京大西部講堂での映画上映や今はないが四条大宮のスペースベンゲット、東寺のみなみ会館などに通い詰めた。懐かしいがもうあの頃は戻ってこない。

新宿のTSUTAYAも古い邦画が充実しているが、最近は途中下車するのも億劫だ。ここは監督別の排列なのが好感が持てる。借りる人もこだわって探しに来る人が多いのだろうと思う。

最近劇場に行ったのは昨年の夏の終わりに浅田次郎原作の「日輪の遺産」(2011年)を見に行ったきりだ。
日輪の遺産 特別版 [DVD]

そういえば、森山のにっぽん劇場写真帖が復刊されていたのを思い出した。
小生が持っているのは新潮のフォトミュゼシリーズだが、今回は講談社のペーパーバックのシリーズだ。
にっぽん劇場写真帖

このペーパーバックというのは写真集という意味では少々理解を超えていて、少なくとも判型の縦横比率が写真集には決定的に向いていないのにどういう訳だろうと思うのだが、「遠野物語」が朝日ソノラマの現代カメラ新書だったこともあって森山作品には縁のある判型なのかもと無理矢理思っても何か一抹納得いかないものがある。

そんなこんなで今年もよろしくお願いいたします。

より以前の記事一覧

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  • Gangs of Kabukicho.
    渡辺克巳

    097154803X
    新潮社フォトミュゼの「新宿」が絶版となっているなかで最近刊行された渡辺克巳の最新写真集。洋書。



    先般亡くなった路上の写真家、渡辺克巳の写真集。インサイダーとして夜の新宿を流した彼の生の証はその写された人々と共に永く記憶されるべき。


    ジャパン
    倉田 精二
    4106024330
    渡辺克巳とくれば倉田精二を挙げずにはいられない。日本のウィージーと言われたストリートフォトの神髄。都市の殺伐と虚像をこれほど表現した写真はない。

    にっぽん劇場写真帖
    寺山 修司・森山大道
    4106024187
    寺山と森山のコラボレーションは「あゝ、荒野」以前にもこの作品で既に成就していた。68年刊のこの作品は強烈なコントラストとイメージで時代を色濃く表現している。腰巻きの惹句「奇才ふたりが火花を散らすイメージ地獄巡り」も凄いが、天井桟敷率いる寺山へぶつける森山の渾身の「返歌」が熱い。中平卓馬がカメラを構える有名なショットもあり。これを見ずに森山は語れない。


    奈良原の写真は既に絶版になった朝日新聞社の「昭和写真全仕事」を所有しているが、トラピスト修道院に取材した「沈黙の国」「人間の土地」「消滅した時間」などパースを駆使した知的で静謐な写真は独特の美。「無国籍地」は廃墟をモチーフにした写真集。その圧倒的な画面の構成美を。

    Cui Cui
    川内 倫子
    4902943026
    川内の作品は柔らかい光と深度の浅いクローズアップなどを多用して日常の「合い間」を独特の色調で表現している。小生の勝手な感覚ではあるが彼女の作品にはどこか「彼岸の匂い」のようなものが感じられてならない。明るく静かな日常。ふと視線を外して見上げる窓の外の空。こよないものたちの空間。この作品は家族の何気ない日常をテーマとした写真集。なぜだろう、頁をめくってゆくたびに胸が詰まってくるのは。


    この間東京都写真美術館で行われた回顧展で再び植田の仕事が再評価されている。砂丘シリーズに代表されるこのモダニズムはいつまでも古びない。

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