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March 31, 2012

読書メモ

一か月ほど前になるがNHKのETV特集で放送の「見狼記」は興味深かった。既に絶滅したといわれるニホンオオカミを追う人々のドキュメンタリだ。生物学的な側面と並行して民俗学的興味も掻き立てられる番組だった。オオカミ信仰は秩父の三峯神社や奥多摩の御嶽神社などに色濃く残っている。自分の家にはなかったが、友人の家に御嶽山のお札が貼ってあるのを良く見かけたものだった。山でオオカミに出会った人々のインタビューでは、なにか神々しく運命的な出会いの感動が伝わってきて興味深い。何故か共通するのは、そのケモノは人に出会っても目もくれずに無視して擦過するという。それはのら犬が野犬化しただけだという意見もある。所謂生物学会ではその生存が否定されているが、そんなことに関係なく彼らは絶滅したオオカミを確かに見ていた。単なるケモノに出会ったというより、言わば山のスピリットそのものとの邂逅なのだった。そしてそれは出会った人の人生までをも変えてしまうのだ。

秩父の民家に伝わるオオカミの頭骨は、いわゆる憑物に効果があるとしてそれが起こった家に貸し出されたらしい。その家では頭骨を削り患者に飲ませるという風習があって、桐箱に大事にしまわれた頭骨はところどころが削られているのだった。最近刊行された、これに関連する内容の「オオカミの護符」(小倉美惠子著、新潮社)を是非読みたいと思い早速図書館に予約を入れたが、予約待ち15人と、どうも読めるのは半年先になりそうなので購入しようかと思っている。

この関係の書籍を数冊読了。

西田智「ニホンオオカミは生きている」(二見書房、2007年)
世古孜「ニホンオオカミを追う」(東京書籍、1988年)
藤原仁「まぼろしのニホンオオカミ」(歴史春秋社、1994年)

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