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July 16, 2010

無いもの買い

最近、何事につけ店で在庫の確認をすると「済みません、生憎切らしておりまして。」と言われることが多い。まるでわざと無いものを聞いているかのようではあるが、そういう訳ではなくて、偶々ないというだけのことだ。この間、長年使っていた仕事用のA5ルーズリーフバインダーが余りにも惨憺たる様相を呈してきたので買い替えようと文具店に行った。黒い布張りがほつれるは汚れるは、まるで廃校の職員室跡の床から拾ってきたかのよう。会議室でも一際目を引く、というより目を背けたくなる逸品になっていたので、新調しようとしたのだった。

A5といっても6穴ではなく20穴だ。6穴はスマートで革製が多く高級感があるが重たいのが欠点だ。その点、20穴は垢抜けないが書いているときに紙が遊ばず、バインダーも軽いものならいくらでもある。しかし学生の持つようなプラスチック製ではちょっと恥ずかしい。そういうお年頃のおじさんにも合う軽いもの、という基準で選んだのがマルマンのジウリスだった。合成皮革製で軽いが結構上品な感じがいい。ここまでは良かった。

同時に壊れていたダイモも新調しようと尋ねたが無かった。ダイモ?あぁ、名前とか打つやつですね、済みません、お客さん、最近はダイモ使うひとはあまりいないんで置いてないんですよ、テプラとか漢字も打てるのならあるんですがねぇ。いまは皆さんテプラですから。

これを店員の分かりやすすぎる表情から翻訳するとこうなる。(いまどきダイモ使ってるなんて勘弁してくれよ、そんなもんウチに置いてるわけないだろ、こっちは店長に叱られて疲れてるんだよ馬鹿。ははん、さてはこいつ文具オタクの無いもの買い?)

そうですか、いかにも置いて無さそうな店ですものね。伊東屋さんにでも行ってみますよ、失礼しました。これも他で買ったほうが良さそうですね、と店員のダイモ?あぁ、の下りの馬鹿にしきった物言いに素直にしたがって手にしたバインダーをレジに置いたまま店を出た。

その後、バインダーはアマゾンで買ったが、定価の二割五分引きで最初からこっちで買えば良かったわけだが、ダイモは某店の女の子向けファンシー地獄の棚で見つけてめでたく買えたとさ。

しかし・・・店置きがないからといって客を小馬鹿にするなど言語同断、昔からダイモを笑うものはダイモに泣くというが(いわない)、ダイモのあの感じがよくて昔から愛用しているのだけれど、そんなにマイナーなのだろうかと。買ったのは本体が黄色、文字板がピンクで大文字、小文字、筆記体に交換できる機種。ストラップまで付いていて・・・、これっていまやファンシーグッズなのかしら。それでも、VIVA! ダイモ。

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Comments

ダイモは今や私どもが商っておりますスクラップブッキングなどでは必須のアイテムでありまして、カメラ女子、カメラママなどのフォト雑貨系には大変人気があります。のでそういうファンシーな棚にピンキーなカラーリングで置かれているのだと。ですからそういう失礼な店員には、え、いまどき文具やっててダイモ置いてないなんて世の中のトレンドっとか来てる感とかまったく理解してないのキミとか言う態度をにじませると良かったかと:)

そうですか、来てますかダイモ。カメラ女子、フォト雑貨、なるほど思い出してみるとそういう棚に置いてありました。そもそもトイカメラの棚に行ってダイモを見つけたので、仰るようにまさしく狙った棚置きだったのですね。エンボスの文字と偶に文字送りが等間隔にならなかったりするこのアナログ感を女子が放っておくわけないかも。

PCの時代(と改めて言うのも何ですが)、文具はまさに実用プラス何か、ということになっているのでしょうね。
しかし大人げなくて恐縮です(笑)

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    渡辺克巳

    097154803X
    新潮社フォトミュゼの「新宿」が絶版となっているなかで最近刊行された渡辺克巳の最新写真集。洋書。



    先般亡くなった路上の写真家、渡辺克巳の写真集。インサイダーとして夜の新宿を流した彼の生の証はその写された人々と共に永く記憶されるべき。


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    奈良原の写真は既に絶版になった朝日新聞社の「昭和写真全仕事」を所有しているが、トラピスト修道院に取材した「沈黙の国」「人間の土地」「消滅した時間」などパースを駆使した知的で静謐な写真は独特の美。「無国籍地」は廃墟をモチーフにした写真集。その圧倒的な画面の構成美を。

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    川内の作品は柔らかい光と深度の浅いクローズアップなどを多用して日常の「合い間」を独特の色調で表現している。小生の勝手な感覚ではあるが彼女の作品にはどこか「彼岸の匂い」のようなものが感じられてならない。明るく静かな日常。ふと視線を外して見上げる窓の外の空。こよないものたちの空間。この作品は家族の何気ない日常をテーマとした写真集。なぜだろう、頁をめくってゆくたびに胸が詰まってくるのは。


    この間東京都写真美術館で行われた回顧展で再び植田の仕事が再評価されている。砂丘シリーズに代表されるこのモダニズムはいつまでも古びない。

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