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December 25, 2009

昔の本

年末ということで殊勝にも仕事場の机周りを整理してみたのだけれど、引き出しの奥に宝くじのハズレ券や期限切れのイソジン、劣化してべとついた輪ゴムの束にクリップがめり込んでくっついた物体など得体の知れないものが次から次に出てきて、何これ、現代美術?などと自分自身にツッコミながらごみ箱へ捨てて少々すっきりした。何年も仕事中の足置きに使っていてそもそも何が入っているかをすっかり忘れていた足元の段ボール箱に気付いて開けてみると、出てきたのは昔、仕事の行き掛けに電車で読んだ本だった。

中身は、大沢在昌の単行本三冊、篠田節子の単行本と文庫各一冊、柳美里の文庫一冊、林静一の「赤色エレジー」、徳南晴一郎の気が触れたような漫画本一冊、原寮「愚か者死すべし」、田中長徳「名機礼讚」、新潮の池波「剣客商売」三冊、倉田精二の新潮社フォトミュゼ「ジャパン」、それに何故か岩波の「定家八代抄」上下巻がここ何年か毎日小生の足で踏みにじられていたのだった。

なかでも、林静一と倉田精二を足蹴にしていた罪は重い。それ以外の作家は踏み付けて良いという訳ではないが。

「ジャパン」は以前、家の本棚を探したことすらあったのだが、こんなところにあったとは。

早速出して整理したが、さて来年、足置きはどうしようかと(笑)。

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  • Gangs of Kabukicho.
    渡辺克巳

    097154803X
    新潮社フォトミュゼの「新宿」が絶版となっているなかで最近刊行された渡辺克巳の最新写真集。洋書。



    先般亡くなった路上の写真家、渡辺克巳の写真集。インサイダーとして夜の新宿を流した彼の生の証はその写された人々と共に永く記憶されるべき。


    ジャパン
    倉田 精二
    4106024330
    渡辺克巳とくれば倉田精二を挙げずにはいられない。日本のウィージーと言われたストリートフォトの神髄。都市の殺伐と虚像をこれほど表現した写真はない。

    にっぽん劇場写真帖
    寺山 修司・森山大道
    4106024187
    寺山と森山のコラボレーションは「あゝ、荒野」以前にもこの作品で既に成就していた。68年刊のこの作品は強烈なコントラストとイメージで時代を色濃く表現している。腰巻きの惹句「奇才ふたりが火花を散らすイメージ地獄巡り」も凄いが、天井桟敷率いる寺山へぶつける森山の渾身の「返歌」が熱い。中平卓馬がカメラを構える有名なショットもあり。これを見ずに森山は語れない。


    奈良原の写真は既に絶版になった朝日新聞社の「昭和写真全仕事」を所有しているが、トラピスト修道院に取材した「沈黙の国」「人間の土地」「消滅した時間」などパースを駆使した知的で静謐な写真は独特の美。「無国籍地」は廃墟をモチーフにした写真集。その圧倒的な画面の構成美を。

    Cui Cui
    川内 倫子
    4902943026
    川内の作品は柔らかい光と深度の浅いクローズアップなどを多用して日常の「合い間」を独特の色調で表現している。小生の勝手な感覚ではあるが彼女の作品にはどこか「彼岸の匂い」のようなものが感じられてならない。明るく静かな日常。ふと視線を外して見上げる窓の外の空。こよないものたちの空間。この作品は家族の何気ない日常をテーマとした写真集。なぜだろう、頁をめくってゆくたびに胸が詰まってくるのは。


    この間東京都写真美術館で行われた回顧展で再び植田の仕事が再評価されている。砂丘シリーズに代表されるこのモダニズムはいつまでも古びない。

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