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December 22, 2009

犬の記憶

ここ何日かのエントリを見返してみると、何故か犬ばかり出て来て自分でも笑ってしまったが、以前、家では実際に犬を飼っていた。とはいえ、それは自分の産まれる何年も前のことで、新婚間もない両親が人づてに譲り受けた雌のコリーだった。著名な女優の名前を借りてケリーと名付けられたが、何年も生きないうちに道端の毒を食べて死んだ。散歩の折に首輪を外すと、両親の前を先に進んでは、まだ来ないの、とでも言うかのように振り返って首を傾げる仕種が可愛かったと母親に良く聞かされた。ある日、庭の犬小屋で鳴きやまず、脚を良く拭いて台所に上げてやると喜んで、食事中も大人しくテーブルの下でお利口にしていたらしい。

何を食べたか分からないが、それがもとで死んだケリーは人間なら夭折の年齢だったろう。父親は泣きながら彼女をリヤカーに乗せ、近所の多摩川の河川敷に埋めに行った。まだ戦後十年程が経ったばかりのことだ。

その後、直ぐに姉が産まれた。小学生の頃にそのケリーの話を両親に聞いて、何故か直感的に姉はケリーの生まれ変わりと感じた。彼女はこのサイトを知らないので勝手に書いている訳だけれど、実は偶然にも戌年生まれでもあって、いまでは笑ってしまうが小学生の小生にはどういうわけか確信めいたものがあったのだ。ケリーの犬小屋があった庭の片隅にはいま金木犀が植えられていて、花の季節になる度にこのケリーの話を思い出す。

父親が撮ったと思しい若い時分の母親に寄り添うケリーの写真のネガがあるのだけれど、母親の顔を出すのは少々憚られる。それにケリーの肖像権ならぬ肖ワン権もあるし(無いか)。気が向いたらあとで母親をトリミングしここにアップするかも知れない。

近所にいとこがやっていた商売屋があって、そこにはポインターのエスがいた。ポインターはもともと猟犬で、仕留めた獲物の場所に主人を案内する、つまり指し示すのが仕事の俊敏そうな犬だ。だがエスの記憶は余り無い。何故エスという名が付いたのかも知らない。だが小生の夢によく登場するのがこのエスなのは何故なのだろう。

この間、同僚の女性に、azuさん(小生のこと)って犬みたいですねというか犬めいてますよどちらかというと大型犬ですねやっぱり前世は犬だったんですよねどうですか図星でしょう?と言われて面食らった。もしかして前世が犬なのは姉ではなく自分なのかも知れない。

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Comments

荷風が亡くなった頃、1950年代末から60年代半ばにかけてはコリーの時代じゃなかったでしょうかね。
TVの「名犬ラッシー」のおかげで、ぼくらはコリーがとても好きでした。スピッツとコリーの時代だったのではないかと。

而して「夢」と「エス」とくればフロイトでしょう。
うちの親戚にはテスという名の犬がいたように記憶しますが、映画の登場人物からとったのかもしれませんね。

フロイトのエス、昔学生の頃に聞いたような。
当時コリーは流行りだったようですね。ケリーも名犬ラッシー役のコリーの血筋だったようで、母親からケリーはラッシーの「いとこ」だと良く聞かされました。血統書もあるらしいのですが私は見たことないんです。
コリーのようなサイズの犬はいまや日本の住宅事情には合わないですね。やはりというかこの間滞在したドイツでは大型犬をよく見かけました。
そんな話を親から聞かされれば飼いたくなるのが子供の道理で、親にねだったのですが、もうあんなに悲しい思いをしたくないと許してくれませんでした。

濃い文章が書かれているblogは飽きないですね。何だか失礼な物言いで恐縮ですが、語彙不足でどう表現して良いのかも分かりません。本を一切読まない無知な自分が珍しくも文章を楽しみにしている数少ないblogです。今年の書き込み最後になりそうですが、来年の更新も楽しみにさせて頂きます。

僕は犬とは縁遠く飼った事もないですが、我が家は一匹の犬に守られています。後隣の犬で、猫が来ても、配達がきても、ワンワンと吠えて教えてくれます。ただ、僕が自宅の裏庭へ行っても噛み付かんばかりに激しく吠えるのにはどうも不満。犬は頭が良いとか聞きますが、何年経っても覚えてくれない馬鹿犬のようです…。ラッシーだったら良かったのに(笑)

hiroさん有り難うございます。勝手気ままに書いているのでどうもいつも支離滅裂なんです。こちらこそ来年も宜しくお願いいたします。

吠える犬には閉口しますね。私の家の近所にはそれは悲しそうに鳴く老犬がいて、たぶん飼い主があまり構ってやっていないんだと思いますが、それを聞く度になんか可哀想になってしまって・・・。コンビニで買い物をした帰りに前を通ると、袋の中身が気になるのか、ちょっと白内障の入った哀願するような眼で見られるとちょっと辛かったりしますが、飼い主を差し置いて散歩に連れて行くのもできませんしね。

デュッセルは既にマイナス17度にもなっているらしいですよ。

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  • Gangs of Kabukicho.
    渡辺克巳

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    新潮社フォトミュゼの「新宿」が絶版となっているなかで最近刊行された渡辺克巳の最新写真集。洋書。



    先般亡くなった路上の写真家、渡辺克巳の写真集。インサイダーとして夜の新宿を流した彼の生の証はその写された人々と共に永く記憶されるべき。


    ジャパン
    倉田 精二
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    渡辺克巳とくれば倉田精二を挙げずにはいられない。日本のウィージーと言われたストリートフォトの神髄。都市の殺伐と虚像をこれほど表現した写真はない。

    にっぽん劇場写真帖
    寺山 修司・森山大道
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    寺山と森山のコラボレーションは「あゝ、荒野」以前にもこの作品で既に成就していた。68年刊のこの作品は強烈なコントラストとイメージで時代を色濃く表現している。腰巻きの惹句「奇才ふたりが火花を散らすイメージ地獄巡り」も凄いが、天井桟敷率いる寺山へぶつける森山の渾身の「返歌」が熱い。中平卓馬がカメラを構える有名なショットもあり。これを見ずに森山は語れない。


    奈良原の写真は既に絶版になった朝日新聞社の「昭和写真全仕事」を所有しているが、トラピスト修道院に取材した「沈黙の国」「人間の土地」「消滅した時間」などパースを駆使した知的で静謐な写真は独特の美。「無国籍地」は廃墟をモチーフにした写真集。その圧倒的な画面の構成美を。

    Cui Cui
    川内 倫子
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    川内の作品は柔らかい光と深度の浅いクローズアップなどを多用して日常の「合い間」を独特の色調で表現している。小生の勝手な感覚ではあるが彼女の作品にはどこか「彼岸の匂い」のようなものが感じられてならない。明るく静かな日常。ふと視線を外して見上げる窓の外の空。こよないものたちの空間。この作品は家族の何気ない日常をテーマとした写真集。なぜだろう、頁をめくってゆくたびに胸が詰まってくるのは。


    この間東京都写真美術館で行われた回顧展で再び植田の仕事が再評価されている。砂丘シリーズに代表されるこのモダニズムはいつまでも古びない。

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