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July 16, 2009

ヰタ・マキニカリス(その4)

わがカメラ遍歴の続き。しかしこう書いていると次第に自分がどういう基準でカメラを選んできたのかということがよく分かって来る。カメラという限定された分野のなかで、入手したもの、し得なかったものを問わず、それが欲しいと思うときの基準は多分こうだ。つまり、まずメカニカル。電池駆動はなにか偽物という感じを拭えなかった。

例えばペンタックスLXはその大きさ、スペックの高さそしてデザインのどれを取ってもまさしく欲しいカメラの筆頭に上がるはずだったが、一点、電気式シャッターである点で候補から外れてしまうのだ。正確にはこのLXは高速部はメカニカル、低速部は電気式なのだが、それがまるで白いワイシャツにスパゲティが跳ねて付いた赤い染みのように感じてしまう。

あるいはミノルタCLE、これもかなり所有欲度数の高いカメラだが、電磁シャッターでアウトとなる。その点、ライツミノルタCLは合格で今でも機会があれば欲しいカメラの上位に入る機種だ。

次に金属製というのがある。強化プラスチックや樹脂類を部品に使って欲しくない。しかしそれは土台無理があるしそんなカメラはそうそうないのだが、例えばニコンNew FM2もマウントとミラーの隙間から垣間見えるシャッターユニットの白い樹脂製の歯車が気に入らなかった。なんで歯車がプラスチックなのかと。これは強度的不安などではなく、単に金属への偏愛、もしかすると不安神経症の一種かも知れない(わけない。)。

同じ金属製でもチタンより真鍮がいい。そもそもチタンボディは高くて買えないのだが、塗装が剥げて真鍮の地肌が少し見える風情には惹かれてしまう。知り合いに新品の軍艦部をヤスリで削った人がいたが、これはプラモデルでいうところのウェザリング、新品なのにヴィンテージ風に加工したジーンズのようなものか。ちょっと違うような気もするが。

話を元に戻すが、その後時を同じくして新宿西口にあったカメラのドイの中古コーナーでコダックシグネット35を買った。これは衝動買いだったが、この持ち重りのするユニークなデザインのカメラは、距離計の二重像部分が三角なのがお洒落でポップだった。レンズが極く薄く曇っていたためかほんわりした写りだったが、しかしそもそもこのカメラはフィルムを入れて写す機械というより、首から下げて歩くアクセサリーとして作られ、それが本来の存在意義なのではないかと勘違いさせるような小粋さだった。

その随分後に一時的に人気が出て中古価格が異常に高まったことがあったが、その時にはもう手元にはなかった。その名残はコニカビッグミニで写した一枚のポートレート写真のみ。勿論その被写体はシグネットという名の小娘なのだった。

(さらにつづく)

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    渡辺克巳

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    新潮社フォトミュゼの「新宿」が絶版となっているなかで最近刊行された渡辺克巳の最新写真集。洋書。



    先般亡くなった路上の写真家、渡辺克巳の写真集。インサイダーとして夜の新宿を流した彼の生の証はその写された人々と共に永く記憶されるべき。


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    渡辺克巳とくれば倉田精二を挙げずにはいられない。日本のウィージーと言われたストリートフォトの神髄。都市の殺伐と虚像をこれほど表現した写真はない。

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    寺山と森山のコラボレーションは「あゝ、荒野」以前にもこの作品で既に成就していた。68年刊のこの作品は強烈なコントラストとイメージで時代を色濃く表現している。腰巻きの惹句「奇才ふたりが火花を散らすイメージ地獄巡り」も凄いが、天井桟敷率いる寺山へぶつける森山の渾身の「返歌」が熱い。中平卓馬がカメラを構える有名なショットもあり。これを見ずに森山は語れない。


    奈良原の写真は既に絶版になった朝日新聞社の「昭和写真全仕事」を所有しているが、トラピスト修道院に取材した「沈黙の国」「人間の土地」「消滅した時間」などパースを駆使した知的で静謐な写真は独特の美。「無国籍地」は廃墟をモチーフにした写真集。その圧倒的な画面の構成美を。

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    川内の作品は柔らかい光と深度の浅いクローズアップなどを多用して日常の「合い間」を独特の色調で表現している。小生の勝手な感覚ではあるが彼女の作品にはどこか「彼岸の匂い」のようなものが感じられてならない。明るく静かな日常。ふと視線を外して見上げる窓の外の空。こよないものたちの空間。この作品は家族の何気ない日常をテーマとした写真集。なぜだろう、頁をめくってゆくたびに胸が詰まってくるのは。


    この間東京都写真美術館で行われた回顧展で再び植田の仕事が再評価されている。砂丘シリーズに代表されるこのモダニズムはいつまでも古びない。

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