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July 13, 2009

ヰタ・マキニカリス(その2)

わがカメラ遍歴の続き。お察しのとおりヰタ・マキニカリスは稲垣足穂から拝借。つまらない内容が続きますがしばらくご辛抱のほどを。

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アルバイトで買ったオリンパスOM10には早速マニュアルアダプターを買い、レンズはズイコー28mmF2.8、100-200mmF4、135mmF2.8を揃えたが、殆ど望遠系は使わず専ら28mmと50mmばかりを使っていて、結局鏡胴が異常に細長くて暗い100-200mmは母校のラグビー部の試合をTri-Xをパンドールで増感撮影した一回のみで売ってしまった。ボディとレンズは新宿西口にあったカメラのサクラヤで買ったが、サクラヤは担当者と懇意になると結構値引き交渉に応じてくれて指名買いをするようになったりした。

その後トキナーのズーム、28-85mmF3.5-5.6をOMマウントで買ったが、これがクセ者で絞っても四隅が流れとても使用に堪えないものだった。結局広角側でしか使用せず、ボディに比したアンバランスさとその重さに辟易してこれも売ってしまった。この辺りからズームに不信感を抱き、以降は単焦点しか買わなくなってしまった。

大学では何故かやはり写真部には入らずに美術系サークルへと入り、それまでの油に加え銅版画を始めた。神保町の文房堂で小さなプレス機を買い、銅板、寒冷紗、インク、スクレーパーやビュランなどを揃えて、エッチング、エングレーヴィング、アクアチント、メゾチントなどの技法を一通り試したが、このプロセスは写真技法と本質は同じと感じていた。といっても美術系の大学でもないし、他に誰も銅版をやる人がおらず、菅野陽「銅版画の技法」(美術出版社)を教科書にして我流でやっていたに過ぎない。

この頃、大学の学祭で今は亡き池田満寿夫の講演を聞いたのが印象に残っているが、その少し前にこれも美術出版社刊になる池田満寿夫「私の調書・私の技法」を読んでいたこともあって大教室の最前列に陣取って聞いた。少し遅れてやって来た池田は当時タレントとしてもメディアに露出していて華があったが、講演の最後にやおら懐からカメラを取り出すと、聴衆に向かって満遍なく写真を撮り出した。「僕は僕の講演を聞いた人達のなかから将来世に出る人が現れると信じているのでこうして証拠写真を撮っているんです。」

その後はとにかく中古カメラ屋に入り浸り、ロシアカメラから古いコンパクトまで、買っては売りの繰り返し。銀座の某店で買ったローライコードVbクセノター付きは友人のポートレイトを撮っただけで一週間後には別の店で買った値段よりかなり高く売れたこともあったが、これとプラウベルマキナ670以外は殆ど買い叩かれた。

マミヤRB67ProSを買ったときは、鎌倉にあったゼミの指導教授宅ヘ伺い、ポートレイトを撮ったことがある。これもゼミ生を二人連れて片方にはハロゲンランプを(ランプのスタンドがなかったので)、もう一人にはレフ板を持たせて1灯で撮影した。偉そうに教授にポーズをつけているうちにゼミ生の一人に「腕が痛いから早く撮影しろ。」などとぼやかれたりした。

このマミヤRBはフイルムバックが縦横90度回転できるという機構でRBはレボルヴィングの意。縦横を変えるとファインダスクリーンに撮影方向を示す棒が現れるというギミックで、なかなかよく写るカメラだった。中古になかなか出ないのは今も職業写真家に大事に使われているのだろうと思う。

(つづく)

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    渡辺克巳

    097154803X
    新潮社フォトミュゼの「新宿」が絶版となっているなかで最近刊行された渡辺克巳の最新写真集。洋書。



    先般亡くなった路上の写真家、渡辺克巳の写真集。インサイダーとして夜の新宿を流した彼の生の証はその写された人々と共に永く記憶されるべき。


    ジャパン
    倉田 精二
    4106024330
    渡辺克巳とくれば倉田精二を挙げずにはいられない。日本のウィージーと言われたストリートフォトの神髄。都市の殺伐と虚像をこれほど表現した写真はない。

    にっぽん劇場写真帖
    寺山 修司・森山大道
    4106024187
    寺山と森山のコラボレーションは「あゝ、荒野」以前にもこの作品で既に成就していた。68年刊のこの作品は強烈なコントラストとイメージで時代を色濃く表現している。腰巻きの惹句「奇才ふたりが火花を散らすイメージ地獄巡り」も凄いが、天井桟敷率いる寺山へぶつける森山の渾身の「返歌」が熱い。中平卓馬がカメラを構える有名なショットもあり。これを見ずに森山は語れない。


    奈良原の写真は既に絶版になった朝日新聞社の「昭和写真全仕事」を所有しているが、トラピスト修道院に取材した「沈黙の国」「人間の土地」「消滅した時間」などパースを駆使した知的で静謐な写真は独特の美。「無国籍地」は廃墟をモチーフにした写真集。その圧倒的な画面の構成美を。

    Cui Cui
    川内 倫子
    4902943026
    川内の作品は柔らかい光と深度の浅いクローズアップなどを多用して日常の「合い間」を独特の色調で表現している。小生の勝手な感覚ではあるが彼女の作品にはどこか「彼岸の匂い」のようなものが感じられてならない。明るく静かな日常。ふと視線を外して見上げる窓の外の空。こよないものたちの空間。この作品は家族の何気ない日常をテーマとした写真集。なぜだろう、頁をめくってゆくたびに胸が詰まってくるのは。


    この間東京都写真美術館で行われた回顧展で再び植田の仕事が再評価されている。砂丘シリーズに代表されるこのモダニズムはいつまでも古びない。

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