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July 21, 2009

百太郎、鬼形礼、そして三上博史

最近邦画の恐怖映画を良く観るが、その殆どは外れだ。しかしなかでも「ほの暗い水の底から」や黒沢清の作品などはよく出来ていると思う。この間観た映画「予言」(2004年94分)は当たりではないが、つのだじろうの「恐怖新聞」を原作にしていて懐かしくなった。ただ、原作からは未来を告げる新聞という着想を使っただけで話は全然別物だ。

つのだじろうといえば小生が小学校のときに連載されていた「うしろの百太郎」がいまでもトラウマになっているが、とても「泣くな、十円!」と同じ作者とは思えない恐さだった。同時につのだ☆ひろと兄弟というのも信じられないわけで、いつか揃ってテレビ出演した際の「兄弟ともオンリョウで飯を食ってます。」などという冗談まで覚えているわけだけれど、ユリ・ゲラーに端を発する超能力ブーム、その後続く心霊物の先駆けをなす漫画だったことには変わりない。

「恐怖新聞」は鬼形礼という少年へ毎日深夜に何物かによって配達される新聞に未来の惨事が載るというもので、大人になってひねくれてしまった今ならそんな新聞があれば何で株価欄を見ないのかとか余計なことを思ってしまうのだが、当時も子供ながらにつのだの描く女性は岸ユキにそっくりだなどと思いつつ読んでいた。

映画「予言」は原作とはかなり異なり、三上博史と酒井法子が夫婦の設定。一人娘をつれて遊びに行った帰りにトラックに当てられ娘を車に残したまま車は炎上してしまい、それをきっかけとして未来の事件が載った新聞が届くようになる。現実と虚構が入り組み、時間軸が交錯しつつ狂気へと突き進んで行く・・・。

劇中、鬼形礼は恐怖新聞を届けられ、未来を変えることで自身を破滅させてしまう老人の設定で山本圭が扮しており原作とは異なる。山本はこの手のホラーで必ずと言って良いほど出てくる邦画ホラーの常連。殆どが狂気を孕んだ心霊研究家の役回りで、またかと思わず顔がほころんでしまった。

草迷宮 [DVD]三上博史は最近映画での出演作を聞かないが、寺山修司「草迷宮」(1979年)が実質デビュー作だったと思う。小生は高校生の頃、公開初日に池袋の文芸坐(だったと思う)で舞台挨拶を見た。当時三上もまだ高校生だった筈だ。寺山映画を観たのはこれが最初だったが、家に帰ってから熱が出て翌日学校を休んだ記憶がある。寺山の洗礼を受けて出た知恵熱だったかも知れない(笑)。

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    この間東京都写真美術館で行われた回顧展で再び植田の仕事が再評価されている。砂丘シリーズに代表されるこのモダニズムはいつまでも古びない。

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