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March 15, 2009

漂流するブランド

ヤシカのブランド名がまだ生きていることを最近知った。ヤシカの前身は長野の八洲精機株式会社でその後京セラに買収され、京セラが2007年にカメラ事業から撤退するや、そのブランドは香港資本に売られた。日本ではその香港の会社からライセンスを受けたエグゼモードがYASHICAブランドで現在もカメラを販売している。既に記憶にあるヤシカのカメラとはかなりイメージが違っているが、撤退後もブランドがまるで自分の意志で生き続けてゆくかのような姿は考えてみればなかなか感慨深い。AGFAについても然りで、AGFAのフィルム、カメラもブランドという意味で現存している。

ヤシカと言えば当時カメラ仲間(というか中古店の常連)と、カメラシステムにおける究極の渋さ(笑)とはなにか、という議論になったときに、ライカM6にエルマリートとかノクティルックスなどを付けて歩くのは成金的で加齢臭ただよう最もダサい姿であって、M2にジュピター8などを付けるのが渋いとか、ローライを肩に掛けながらもニコンピカイチをメインカメラにするのが通だとか、勝手極まる意見が飛び交って面白かったが、そのなかで、究極の組み合わせはコンタックスのツァイスとヤシカボディとの組み合わせが実は最強なのだという意見があったのを思い出す。
この意見は、写真は即ちレンズなのであり、ツァイスを使う目的でわざわざ高いコンタックスボディを使う必要はなく、安価なヤシカボディを使うことで写真というものの本質が分かっていることを示す真に通な姿だという。
しかし、この意見は、単にレンズ購入で資金が尽きてボディは結局ヤシカしか買えなかったという悲しい姿にしか見えず、先の金満主義に次ぐダサさであるという周りの意見で即座に撃沈されていた。

ヤシカで思いつくのはヤシカ44だ。二眼レフのミニチュア版というかその可愛い姿は、ベビーローライを模して裁判にまで発展したカメラだが、中古を買って、入手不能な127フィルムは120フィルムを加工してまで使いたかったカメラだった。このフィルムの加工は写真工業誌で改造手順が載っていたのをみてなるほどと思ったのだが、結局そこまでやらずじまいだった。そのかわりヤシカマット124Gは持っていた。前板のカバーがチープなプラスチックだったが、二眼レフというジャンルで最後まで生き残った姿(ローライ除く)がこの124Gだった。いまでは売ってしまったが、その残骸、フードとフィルタはまだ小生のミノルタオートコードに付いている。

さて、今ならどんな姿が渋いのだろうか。キヤノンの最新デジイチにアダプターを噛ましてエギザクタレンズを付けているとか。やはりペンタックスSPに古いM42を付けているとか・・・どうもデジタルの今、渋さの基準(そんなものがあればだけれど)がどこにあるのかがよく分からなくなっている。

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Comments

ヤシカブランドの、1万円しないくらい安いフィルムスキャナがこのご時世に出るらしいですね。古いニコンのクールスキャンを捨ててしまったので興味津津です。ヤシカといえば、8ミリ界におけるチノンですか・・・ちょっと違いますか(笑)

先日、mbさんのところで話題になったお話しを勝手ながら記事にさせて頂きました。

こういう時期にもフィルム文化をかろうじてでも支えるような製品が出てくるのは嬉しいですね。デジカメ全盛とは言っても世のフィルム資産は厖大にあるのでしょうし、そこに商機を見いだしたのかも知れませんね。小生はスキャニングにはキヤノンのフラットベッドに透過ユニットを使ってますが、正直、面倒くさいです(笑)一台あっても良いかも知れませんね。
>ヤシカといえば、8ミリ界におけるチノン
ピッタリですね(笑)。茅野だからチノン。直球なネーミングです:)

hiroさん、こんばんは。早速拝見しました。面白いです。これを突き詰めることは写真というものの根元を問うことではないかとも思います。写された現実は実は非現実であり、では自分の網膜に映っているこの風景はどこまでが現実なのか。これは8mmフィルムを切り刻み焦がし、穴を開けて映写機に掛けたブラッケージの問いそのものですよね。(つづきはお邪魔します)

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    奈良原の写真は既に絶版になった朝日新聞社の「昭和写真全仕事」を所有しているが、トラピスト修道院に取材した「沈黙の国」「人間の土地」「消滅した時間」などパースを駆使した知的で静謐な写真は独特の美。「無国籍地」は廃墟をモチーフにした写真集。その圧倒的な画面の構成美を。

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