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January 18, 2009

カシマシい

いま神保町で神田雪だるまフェアというイベントをやっていて、靖国通り沿いにいろいろな雪だるまが展示されているが、三省堂の向かいにあるのは鉄腕アトムだったりと、さまざまな趣向が凝らされていて面白い。東京ではまだ寒いといっても7、8度には上がるので、日中に溶けてしまわないかと心配だ。

最近気になっているのは東京というか日本は余りにもアナウンスがあふれていて、街のなにかのチェーン店ではそのテーマソングを一日中流しているし、JRでは改札で切符を忘れるなだの、エスカレータでは手摺りに捕まれだの、うるさいことこの上ない。この類のアナウンスは親切のようでいて実は事故の際の責任回避が目的だろうとは思うが、うるさいだけでそれを聞いている人などいないのにといつも思う。

なんでも欧米に見習えという積もりはさらさらないが、こういうアナウンスは日本だけなのではないかと思う。ただ小生の乏しい経験にも多少の例はあり、例えばロンドンのTUBEにホームと電車との隙間が多少広い部分のある駅があって、そこでは「Mind the gap, Mind the gap.」と延々とアナウンスが繰り返されていた。同行のドイツ人が眉をひそめて、「うるさいなぁ。そう思わない?」といっていたのだけれど、「日本じゃこの500倍はうるさいよ。」などと話したことがある。

勿論、目の不自由な方の為には有効な手段だと思うし、そのために必要なものは進めるべきだと思うが、それにしても過剰だと思う。こういう傾向は、野放図に貼り出された街の看板とか、公共の場所での温度設定、過剰に暑いとか寒いとか、など至る所に見られる。この感じは日本がソフィスティケートされているようでいながら実は少し引いて見るとそこにはアジア的カオス風味が色濃く存在しているのであって、あの映画「ブレードランナー」のカオスは実は近未来などではなく東京の現実そのものなのだ。よく欧米メディアが撮った東京のドキュメント映像などでもことさら強調されているように、彼らはこういうところに適度にエキゾチシズムを感じていることがよくわかるのだが、そうであれば中途半端にせずに、もっとカオスを強調したら返って面白いかもしれない。いや皮肉ではなくて。

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  • Gangs of Kabukicho.
    渡辺克巳

    097154803X
    新潮社フォトミュゼの「新宿」が絶版となっているなかで最近刊行された渡辺克巳の最新写真集。洋書。



    先般亡くなった路上の写真家、渡辺克巳の写真集。インサイダーとして夜の新宿を流した彼の生の証はその写された人々と共に永く記憶されるべき。


    ジャパン
    倉田 精二
    4106024330
    渡辺克巳とくれば倉田精二を挙げずにはいられない。日本のウィージーと言われたストリートフォトの神髄。都市の殺伐と虚像をこれほど表現した写真はない。

    にっぽん劇場写真帖
    寺山 修司・森山大道
    4106024187
    寺山と森山のコラボレーションは「あゝ、荒野」以前にもこの作品で既に成就していた。68年刊のこの作品は強烈なコントラストとイメージで時代を色濃く表現している。腰巻きの惹句「奇才ふたりが火花を散らすイメージ地獄巡り」も凄いが、天井桟敷率いる寺山へぶつける森山の渾身の「返歌」が熱い。中平卓馬がカメラを構える有名なショットもあり。これを見ずに森山は語れない。


    奈良原の写真は既に絶版になった朝日新聞社の「昭和写真全仕事」を所有しているが、トラピスト修道院に取材した「沈黙の国」「人間の土地」「消滅した時間」などパースを駆使した知的で静謐な写真は独特の美。「無国籍地」は廃墟をモチーフにした写真集。その圧倒的な画面の構成美を。

    Cui Cui
    川内 倫子
    4902943026
    川内の作品は柔らかい光と深度の浅いクローズアップなどを多用して日常の「合い間」を独特の色調で表現している。小生の勝手な感覚ではあるが彼女の作品にはどこか「彼岸の匂い」のようなものが感じられてならない。明るく静かな日常。ふと視線を外して見上げる窓の外の空。こよないものたちの空間。この作品は家族の何気ない日常をテーマとした写真集。なぜだろう、頁をめくってゆくたびに胸が詰まってくるのは。


    この間東京都写真美術館で行われた回顧展で再び植田の仕事が再評価されている。砂丘シリーズに代表されるこのモダニズムはいつまでも古びない。

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