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September 14, 2008

高橋洋子と横山リエ / 『旅の重さ』と『遠雷』

旅の重さ一カ月ほど前に観た作品ではあるが、まずは高橋洋子のデビュー作である「旅の重さ」から。原作は当時話題となった素九鬼子。これは以前エントリした「大地の子守歌」(1976年、増村保造)の作者でもある。この素のデビューについての逸話もなかなか興味深いのだが、映画的にはテーマソングの吉田拓郎「今日までそして明日から」が高校生らしい純粋さとあどけなさの高橋の演技と妙に合う。母親役の岸田今日子も若い。
しかし、話はかなり驚く展開で、青春の多感さから家出し行き倒れた少女を助け介抱した行商の魚屋と疑似結婚してしまうというもの。魚屋役に高橋悦史。しかし同じエツシでも例えば豊川悦司ならまだ分かるがなんで高橋悦史と結婚したくなんねんという感じがしないでもないが(笑)、そんな疑問も吉田拓郎の歌声に掻き消されてしまうかのようだった。まだデビュー前の秋吉久美子が自殺する文学少女役で出ているのも見どころか。旅の一座の三國連太郎 や砂塚秀夫 ら演技巧者が程良く脇を支えている。しかしその後文壇デビューしてひと頃メディアによく出ていた高橋も最近はどうしているのか。斎藤耕一らしい青春のロードムービー。1972年、90分、松竹。

遠雷一方、立松和平原作、根岸吉太郎監督の「遠雷」は、「旅の重さ」でも旅の一座の女優役で出演している横山リエがここでも登場する。横山リエは「女囚701号 さそり」(1972年、東映)とか以前阿佐ヶ谷ラピュタのダイニチ映配特集で観た「秘録長崎おんな牢」(1971年、ダイニチ映配)とか何故か女囚人とか女郎とかの役ばかりなのだが、大島渚の「新宿泥棒日記」(1969年、ATG)では偽紀伊國屋書店員の「鈴木ウメ子と呼ばれる女」というヒロインとして横尾忠則と共演している。これがデビュー作だが、その後若松孝二「天使の恍惚」(1972年)でもその存在感を際立たせている。幸せ薄そうで捨て鉢なまさに60年代な感じが結構好きな女優だ。この作品でも農村の若者を誘惑するスナックのママが役どころにぴったりだが、実際にも新宿三丁目でバーを経営されているらしい。ここはいつも通る道だが全然知らなかった。一度お邪魔してみたい。

都市化の波に晒される宇都宮のトマト農家。この映画は何もない農村のやり場のない青春の鬱屈を風景として描いた作品とも言える。永島と結婚するあや子役の石田えりがあっけらかんとした明るさでなかなか良いが、通奏低音のように一貫して画面に潜む触れれば崩れ去ってしまうような危うさは永島敏行の持ち味に支えられているようだ。しかし永島やジョニー大倉の演じる農村の若者像のこのリアリティは一体どうしたことだろう。ラストの結婚式のシーンで不器用に歌われる桜田淳子の「私の青い鳥」が痛々しくも懐かしい。1981年、135分、ATG。

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