聖性へのまなざし / 山中学の写真
山中学の写真集が最近タコシェで販売されているのを知ったが、随分前に日本カメラだったかのグラビアで紹介されていた(記憶が定かではありませんが)のを思い出した。タコシェで発売されているのは92年に限定150部で自費出版された「不浄観」だ。
作品は仏教的世界観を根底に置き老人の肉体や死体などを即物的に撮影することでその聖性を見つめようとしている。未生の胎児や朽ち果てた動物の死体に垣間見える無常観、16人の浮浪者を釈迦の16弟子に見立てた作品など観る者に強烈な印象を残すものばかりだ。止むに止まれぬ創作の衝動とでもいうべきものが感じられる数少ない作家の一人だと思う。
山中学の作品は主に海外で注目され、日本では余り知られていないのは残念だ。作品は下記のサイトで観られるが、2000年以降の創作活動はネットでもあまり見ないのものの、2005年にニューヨークの雑誌(だろうと思うが)での特集インタビューが下記サイトで読める。
■関連サイト
- Manabu Yamanaka Photograph
http://www.ask.ne.jp/~yamanaka/index-e.html
- The Art of Manabu Yamanaka インタビュー有(英語)
http://www.nyc-plus.com/nycp2/theartofmanabuyamanaka.html
- Manabu Yamanaka 作家紹介、ポートレート有(スペイン語)
http://www.cuerpospintados.com/Artistas/Fotografos%20del%20Cuerpo/manabuyamanaka.html
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