Flickr


  • www.flickr.com

exhibition

« August 2008 | Main | October 2008 »

9 posts from September 2008

September 24, 2008

聖性へのまなざし / 山中学の写真

山中学の写真集が最近タコシェで販売されているのを知ったが、随分前に日本カメラだったかのグラビアで紹介されていた(記憶が定かではありませんが)のを思い出した。タコシェで発売されているのは92年に限定150部で自費出版された「不浄観」だ。

作品は仏教的世界観を根底に置き老人の肉体や死体などを即物的に撮影することでその聖性を見つめようとしている。未生の胎児や朽ち果てた動物の死体に垣間見える無常観、16人の浮浪者を釈迦の16弟子に見立てた作品など観る者に強烈な印象を残すものばかりだ。止むに止まれぬ創作の衝動とでもいうべきものが感じられる数少ない作家の一人だと思う。

山中学の作品は主に海外で注目され、日本では余り知られていないのは残念だ。作品は下記のサイトで観られるが、2000年以降の創作活動はネットでもあまり見ないのものの、2005年にニューヨークの雑誌(だろうと思うが)での特集インタビューが下記サイトで読める。

■関連サイト
- Manabu Yamanaka Photograph 
http://www.ask.ne.jp/~yamanaka/index-e.html

- The Art of Manabu Yamanaka インタビュー有(英語)
http://www.nyc-plus.com/nycp2/theartofmanabuyamanaka.html

- Manabu Yamanaka 作家紹介、ポートレート有(スペイン語)
http://www.cuerpospintados.com/Artistas/Fotografos%20del%20Cuerpo/manabuyamanaka.html

September 19, 2008

生存確認


Lausanne, Switzerland

変な話で恐縮ですが。随分前に知り合いのまた知り合いという人が亡くなった。その亡くなり方というのは酔って風呂に入り、そのまま寝入って溺死というものだった。非常に気の毒だが、酔っていると体の反射が鈍るためか、どうもこのような事故は世間でかなり起こっているらしい。さらに気の毒なのはこの亡くなった方が単身赴任だったことだ。奥さんが一週間ほど連絡がないことを不審に思い会社に問い合わせた。同僚が家を訪ねて初めてこの事故に気付いたというのが事の次第と。一週間も連絡がなければ会社も気付きそうなものではあるが、とにかくそうなってしまったらしい。

最近、孤独死が増えているらしい。大方は配偶者が亡くなって一人住まいの高齢者が増えているためということだが、さしずめ、シングルの小生もいつかはこういう死に方をするのだろうと思う。先の事件のような話を聞くと、いつなにがあっても良いように普段から身辺整理をしておく必要があると漠然と思うことはある。しかし大体そのときふと思うだけで実行は出来ていない。可能性の問題として何かあるということは充分に考えられるのだが、多分心の底で縁起でもないと考えている自分がいるからだろう。死を思い浮かべながら具体的な行動を起こすというのはそれなりに勇気がいるものだ。それにまだそんなことを考えなければならないほどの歳でもない。しかしいつ何時そのときが来るかは分からないし、それはことによると明日なのかも知れない。自分にとっては随分先の話ではあるがそんな不安から老後は施設への入所を希望する人も多いのだろうと思うものの、正直小生の場合そんなところに入るくらいなら自分で始末をつけた方が幸せだとも思わないでもない。

で、話は長くなるが、こんなことを考えるうちに生存確認のためのブログがあっても良いと思った。生存確認とは大げさだが元気でやっていることを誰かに伝えることを目的としたものなのだが、ことによるとそういう使い方をしている人が既にいるかも知れない。家族があって遠隔地に住んでいるなどであれば電話でもすれば良い訳だが、例えば小生の場合、用事もないのに姉の家庭に頻繁に電話をするのは少々気が退ける。しかしブログを伝えて置くことで近況が分かるし、もし一朝事あった時にはそれが死後でも人に気付かれる可能性があるだけで気分がまるで違うというものだ。そういうブログ上の互助組織があっても良いかも知れない。

しかし、考えてみれば小生のようにエントリをサボっているようでは機能しませんね。それにそもそもこんなブログを知られるのも恥ずかしいと気付いた次第。

September 14, 2008

高橋洋子と横山リエ / 『旅の重さ』と『遠雷』

旅の重さ一カ月ほど前に観た作品ではあるが、まずは高橋洋子のデビュー作である「旅の重さ」から。原作は当時話題となった素九鬼子。これは以前エントリした「大地の子守歌」(1976年、増村保造)の作者でもある。この素のデビューについての逸話もなかなか興味深いのだが、映画的にはテーマソングの吉田拓郎「今日までそして明日から」が高校生らしい純粋さとあどけなさの高橋の演技と妙に合う。母親役の岸田今日子も若い。
しかし、話はかなり驚く展開で、青春の多感さから家出し行き倒れた少女を助け介抱した行商の魚屋と疑似結婚してしまうというもの。魚屋役に高橋悦史。しかし同じエツシでも例えば豊川悦司ならまだ分かるがなんで高橋悦史と結婚したくなんねんという感じがしないでもないが(笑)、そんな疑問も吉田拓郎の歌声に掻き消されてしまうかのようだった。まだデビュー前の秋吉久美子が自殺する文学少女役で出ているのも見どころか。旅の一座の三國連太郎 や砂塚秀夫 ら演技巧者が程良く脇を支えている。しかしその後文壇デビューしてひと頃メディアによく出ていた高橋も最近はどうしているのか。斎藤耕一らしい青春のロードムービー。1972年、90分、松竹。

遠雷一方、立松和平原作、根岸吉太郎監督の「遠雷」は、「旅の重さ」でも旅の一座の女優役で出演している横山リエがここでも登場する。横山リエは「女囚701号 さそり」(1972年、東映)とか以前阿佐ヶ谷ラピュタのダイニチ映配特集で観た「秘録長崎おんな牢」(1971年、ダイニチ映配)とか何故か女囚人とか女郎とかの役ばかりなのだが、大島渚の「新宿泥棒日記」(1969年、ATG)では偽紀伊國屋書店員の「鈴木ウメ子と呼ばれる女」というヒロインとして横尾忠則と共演している。これがデビュー作だが、その後若松孝二「天使の恍惚」(1972年)でもその存在感を際立たせている。幸せ薄そうで捨て鉢なまさに60年代な感じが結構好きな女優だ。この作品でも農村の若者を誘惑するスナックのママが役どころにぴったりだが、実際にも新宿三丁目でバーを経営されているらしい。ここはいつも通る道だが全然知らなかった。一度お邪魔してみたい。

都市化の波に晒される宇都宮のトマト農家。この映画は何もない農村のやり場のない青春の鬱屈を風景として描いた作品とも言える。永島と結婚するあや子役の石田えりがあっけらかんとした明るさでなかなか良いが、通奏低音のように一貫して画面に潜む触れれば崩れ去ってしまうような危うさは永島敏行の持ち味に支えられているようだ。しかし永島やジョニー大倉の演じる農村の若者像のこのリアリティは一体どうしたことだろう。ラストの結婚式のシーンで不器用に歌われる桜田淳子の「私の青い鳥」が痛々しくも懐かしい。1981年、135分、ATG。

September 13, 2008

Accessanalyzerのエラーが直らない


de Dam, Amsterdam

このブログにも貼り付けているアクセス解析の無料サービス、Accessanalyzerがここ2週間ほどエラー発生とのことで表示されなくなっている。この件についてはネットでかなり話題となっていて、サポート掲示板にもかなりの書き込みがあるが運営側の満足な回答がないようだ。
小生も個人的な仕事で使用するドメインを同じ会社の運営するValue-Domainで取得してサーバも借りているがこのままで大丈夫なのだろうかと不安になる。やはり無料サービスはこういうことがあるから怖いが、サーバは有料で借りているのでさらに心配。と思って早速データのバックアップを取って置いた。ドメインは他社サーバでも継続して使える筈なので、なにかことある時に備えて準備をしておくことにしくはない。

さて今日はまた古い映画でも観ることにしようかと。

【2008.9.13 15:00 追記】
奇しくもこのエントリをアップした直後に復旧していました。
サポート掲示板をみると、全てのアカウントで復旧しているわけではなさそうですが。

September 12, 2008

米が食べられない


The top of Europe, Jungfraujoch

しちふりして少々デザインを変更中です。ご不便をお掛けいたします。

*  *  *

ただでさえデトックス中だというのに事故米の事件でご飯が食べられなくなった。他の食品なら良いわけでは決してないが米は食べないと言うわけには行かない。いったいどうしてくれるのか。
しかし米の自給率は100%近いのに何でわざわざメタミドホス入りの米を買わなければならないのか。ウルグアイ・ラウンドでのミニマムアクセスは分かるが、食べられないものを買ったのならば売り主にクレームを入れるのが筋だろうに。のしをつけて返してやればよい。それを敢えて買うというのは、例え工業用と考えたとしてもそれが人の口に入る可能性を考えればリスクがありすぎる。それともそれほどの危険に国民を晒しても特定国に迎合しなければならないことでもあるのだろうか。
ましてや農水省の対応は呑気に性善説に立っているとでもいうのか、リスクヘッジということがまるで感じられない。つまり何も考えていないということだろう。少しでも世の中のことが分かっていれば食用に転売する犯罪者が出てくるのは自明の理だろうに。

米を安心して食べられないという事態は容認しがたい。利益を上げるために転売した業者の罪は大きすぎる。

September 07, 2008

森山大道 / 『もうひとつの国へ』

もうひとつの国へ

今週出版されたばかりの最新エッセイ集。未発表作品含む写真多数あり。朝日新聞出版刊。エッセイもこれまでに発表されたものに書き下ろしを加えたものらしい。しかし森山の最近の出版をトレースするだけでも大変なほどの新刊ラッシュだ。

September 06, 2008

Brothers Quay / 『Piano Tuner of Earthquakes』がようやく上映

Phantom Museums: Short Films of the Quay Brothers

四谷のイメージフォーラムシアターでBrothers Quayの実写映画作品「Piano Tuner of Earthquakes」(2006年)がようやく日本で上映されるようだ。10月18日より。
人形によるパペットアニメーションとは別に実写作品としては「ベンヤメンタ学院(INSTITUTE BENJAMENTA)」(1995年)に次いで2作目に当たる。制作はテリー・ギリアム。公開時には是非四谷まで足を運びたい。
(写真は「Phantom Museums: Short Films of the Quay Brothers」)

■関連サイト
- 『ピアノチューナー・オブ・アースクエイク』公式サイト
http://www.quay-piano.jp/

■関連エントリ
- 月球儀通信 : ヤン・シュヴァンクマイエルとブラザーズ・クェイ
http://azusayumi.tea-nifty.com/fragment/2005/10/post_7293.html

煙のごとくたゆたいて


運河より, Amsterdam

この間読んだ四方田犬彦「月島物語ふたたび」(2007年、工作舎)には月島に縁の深い作家として、きだみのると大泉黒石に触れているのだが、この大泉黒石とは俳優の故、大泉滉の父親だ。大泉黒石はロシア文学者であり「人間開業」等の作品で知られる作家だが、ロシア人とのハーフで写真の風貌も日本人離れしている。つまり息子の大泉滉はクォーターということになる。あのダリに似た髭の風貌と甲高い声で以前は良くテレビ、映画に出演していた。

以前、友人と「水曜どうでしょう」の話をしていたときに友人が「大泉洋って、あのダリに似てる、野菜作ってるおじさんでしょ!?」とのたまったのには流石に驚いたが、今頃殆ど口の端にのぼらない大泉滉とわざわざ間違えるというのも一つの才能かと思って逆に感心した。そういえば大泉洋がまだメジャーでない頃に、有楽町の北海道物産店だったかで大泉洋プロデュースと銘打ったスープカレーのレトルトが売られているのをみて、小生もそのときはてっきり、あぁ、あの「肥料はボク!」の大泉滉かと勘違いしていたことをここに告白し懺悔したい。

* * *

先週旅してきたアムステルダムは初めての街だったが、東京駅が模したと言われる中央駅からの大通り周辺は混沌としていた。この季節ということもあってか、バカンスの観光客で混雑しており、まさにごった煮の様相だった。運河の美しい街並みが印象的だったが、中心部の大雑把な空気というか印象は上野か浅草に近いと個人的には思う。ダム広場から中央駅に向かって左側の地域には有名な「飾り窓」地帯があり、陽も高いというのに殆ど裸体のおねえさんがガラス窓越しに客引きをしていたが、そんな後ろめたさもない程に観光ルートとなっていて、平気で子供の手を引いた家族連れが前を通って行くのには少々驚いた。この飾り窓というのはアムステルダム以外にもあるようだが、ここはいわゆる公娼制度となっていて日本でいえば昔の赤線にあたる。公娼であるから政府の管理下に置かれており、禁止して地下に潜るのならば逆に認めて管理した方がよいという発想なのだろう。病気の管理なども目的なのだろうが、一番の狙いは税収なのだろうと思う。この厄介なものを認めて逆に管理するという発想は街中至る所にあるコーヒーショップにも表れている。(コーヒーショップについてはググってください。)しかしこれほどの自由と引き替えに自己責任が厳しく問われる街がアムステルダムなのだろう。

September 01, 2008

余りに暑いので


Anne Frankhuis, Amsterdam アンネ フランク の家

余りに暑いのでここ一週間ばかり避暑を兼ねて欧州を旅してきました。昨日成田に着いた時は温度は思いの外それほどでもなかったものの、やはり湿度が攻めてくるという感じでどっと汗が。写真はAmsterdamのアンネフランクの家です。開館前に既に100人以上が列をなしていました。セルフポートレートを兼ねて。
またぼちぼちエントリを再開致します。

今回の旅本は四方田犬彦「月島物語ふたたび」(2007年工作舎)でした。

« August 2008 | Main | October 2008 »

NAVIGATION

GALLERY


  • Gangs of Kabukicho.
    渡辺克巳

    097154803X
    新潮社フォトミュゼの「新宿」が絶版となっているなかで最近刊行された渡辺克巳の最新写真集。洋書。



    先般亡くなった路上の写真家、渡辺克巳の写真集。インサイダーとして夜の新宿を流した彼の生の証はその写された人々と共に永く記憶されるべき。


    ジャパン
    倉田 精二
    4106024330
    渡辺克巳とくれば倉田精二を挙げずにはいられない。日本のウィージーと言われたストリートフォトの神髄。都市の殺伐と虚像をこれほど表現した写真はない。

    にっぽん劇場写真帖
    寺山 修司・森山大道
    4106024187
    寺山と森山のコラボレーションは「あゝ、荒野」以前にもこの作品で既に成就していた。68年刊のこの作品は強烈なコントラストとイメージで時代を色濃く表現している。腰巻きの惹句「奇才ふたりが火花を散らすイメージ地獄巡り」も凄いが、天井桟敷率いる寺山へぶつける森山の渾身の「返歌」が熱い。中平卓馬がカメラを構える有名なショットもあり。これを見ずに森山は語れない。


    奈良原の写真は既に絶版になった朝日新聞社の「昭和写真全仕事」を所有しているが、トラピスト修道院に取材した「沈黙の国」「人間の土地」「消滅した時間」などパースを駆使した知的で静謐な写真は独特の美。「無国籍地」は廃墟をモチーフにした写真集。その圧倒的な画面の構成美を。

    Cui Cui
    川内 倫子
    4902943026
    川内の作品は柔らかい光と深度の浅いクローズアップなどを多用して日常の「合い間」を独特の色調で表現している。小生の勝手な感覚ではあるが彼女の作品にはどこか「彼岸の匂い」のようなものが感じられてならない。明るく静かな日常。ふと視線を外して見上げる窓の外の空。こよないものたちの空間。この作品は家族の何気ない日常をテーマとした写真集。なぜだろう、頁をめくってゆくたびに胸が詰まってくるのは。


    この間東京都写真美術館で行われた回顧展で再び植田の仕事が再評価されている。砂丘シリーズに代表されるこのモダニズムはいつまでも古びない。

Blog People

無料ブログはココログ

search


  • Google

thank you!