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August 08, 2008

演じる家族 / 浅田政志『浅田家』

浅田家

家族の記念写真を撮らなくなって久しい。随分昔には家族旅行の先々でゼンマイ式セルフタイマーの落ちるまでの、あの覚束ない時間を家族で確かに共有していた。自分に子供でもあればそんなシーンは最近もあったかも知れないが、しかし世間一般としてハレの日に家族で写真館へ行って記念写真を撮るという行為も今では余りされていないのかも知れない。

浅田政志の写真集「浅田家」は家族四人が様々なシチュエーションを演じて撮影された作品だ。ある時は消防士であったりロックバンドであったり、ラーメン屋、やくざ、白衣の研究者、電力会社の作業員、果てには家族揃ってピッキングを行う泥棒に扮していたり、家族全員でのその執拗なまでの状況への演技を見るにつれ笑いがこみ上げてくる。いい家族だなと思う。いわゆる演出写真として小生のなかでは最近のヒットだ。

これを見ながら、深瀬昌久の作品「家族」を思い浮かべた。この作品は家族の肖像写真に裸体の女性を異物として紛れ込ませるという実験的な作品だった。家族のメンバーの一部が裸体となるなどこの一連の家族写真への試みは家族というものへの不安と虚構を感じさせる。


カメラ毎日別冊「New Nude2」(1985年)より引用。
©深瀬昌久

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    097154803X
    新潮社フォトミュゼの「新宿」が絶版となっているなかで最近刊行された渡辺克巳の最新写真集。洋書。



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    渡辺克巳とくれば倉田精二を挙げずにはいられない。日本のウィージーと言われたストリートフォトの神髄。都市の殺伐と虚像をこれほど表現した写真はない。

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    奈良原の写真は既に絶版になった朝日新聞社の「昭和写真全仕事」を所有しているが、トラピスト修道院に取材した「沈黙の国」「人間の土地」「消滅した時間」などパースを駆使した知的で静謐な写真は独特の美。「無国籍地」は廃墟をモチーフにした写真集。その圧倒的な画面の構成美を。

    Cui Cui
    川内 倫子
    4902943026
    川内の作品は柔らかい光と深度の浅いクローズアップなどを多用して日常の「合い間」を独特の色調で表現している。小生の勝手な感覚ではあるが彼女の作品にはどこか「彼岸の匂い」のようなものが感じられてならない。明るく静かな日常。ふと視線を外して見上げる窓の外の空。こよないものたちの空間。この作品は家族の何気ない日常をテーマとした写真集。なぜだろう、頁をめくってゆくたびに胸が詰まってくるのは。


    この間東京都写真美術館で行われた回顧展で再び植田の仕事が再評価されている。砂丘シリーズに代表されるこのモダニズムはいつまでも古びない。

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