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May 24, 2008

村上仁一とJim O'Connell

昨年、新宿ゴールデン街のギャラリーNaguneで写真展を開いたJim O'Connellのブログを久しぶりに訪れてみたらまた今年もNaguneで写真展をやるという告知があって、随分長い間更新されていなかったし、Flickrも同様に更新されていなかったこともあって嬉しくなったが、よく見ると日付が2007年となっていることに気付いた。

歌舞伎町の猥雑をスナップしたJim O'Connellのモノクロ作品は、その対象へのシンパシーからスタンスとしては物故した渡辺克巳に通じるところがあって、事実ブログでも時々渡辺に触れているように、夜の街に向かって焚かれたフラッシュが街の奥行きの闇に負けて溶け込む感じは渡辺をなぞっているようにも見える。
そもそもこのアメリカの写真家を知ったのは彼のブログでの、渡辺克巳の記事に張られたこの月球儀通信へのリンクを辿ったというのがきっかけだったが、その後、NHKで彼をドキュメントした番組を見る機会もあり、歌舞伎町への偏愛とその内側から、いわばインサイダーとして撮影するというスタンスが渡辺を連想させるし本人もかなり意識していたものと思う。しかし殆ど更新されていないというのはどうしたことだろう。帰国したのか、あるいは写真をやめてしまったのだろうか。

村上仁一は以前このブログでも処女写真集「雲隠れ温泉行き」でエントリした最近小生が最も注目している作家だが、この間の旅から帰ってブログ「写真の星」をチェックしていると、「WEB写真界隈」というデジカメWatchサイト内のコンテンツにインタビューが掲載されているという告知があって早速行ってみた。「雲隠れ温泉行き」ではいつの時代かを判然とさせず時間的な要素を意識的に排除し、ドス黒い写真を選んだとのことだが、アート系の写真はこのドス黒さに溢れていていわば黒焼きが芸術系写真の前提条件というような感もあるなかで、実はその黒さについてもセンスの善し悪しが問われると思っていたのだが村上の写真はその感覚が秀逸だと思っていただけにこの発言は興味深く読ませて頂いた。
ちなみにブログ「写真の星」は写真に向かうひたむきさとストイシズム、表現についての苦悩や迷いが率直に語られていて引き込まれるものがある。

■関連エントリ
- 月球儀通信 : 村上仁一 / 『雲隠れ温泉行き』
http://azusayumi.tea-nifty.com/fragment/2008/01/post_587e.html

■関連サイト
- Jim O'Connell - Vox
http://jim.vox.com/
- Flickr: Jim O'Connell's Photostream
http://www.flickr.com/photos/jimoconnell/
- ブログ:写真の星
http://murakamicamera2.seesaa.net/
- WEB写真界隈:村上仁一
http://dc.watch.impress.co.jp/cda/webphoto/2008/05/15/8480.html

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Comments

azusayumiさん、ご無沙汰しています。度重なる渡航、ご苦労さまでした。

さて、やはりazusayumiさんも、村上さんをご存知でしたか!! 私には言葉でうまく説明することができないのですが、森山さんとはひと味もふた味も異なるトーンと迫力に惹かれています。
そして、おっしゃるとおり、そのブログ.....。思索と創作の往還関係を、そのままの形で見ることのできる現在は、私たち受け手にとっては、とてつもなく幸福なことかも知れません。またそれだけに、作家を追い込んでしまわないだろうか、と不安にもなります。
その懸念を承知のうえでなお、村上さんは、もっともっと「読まれるべき作家」だと思うので.....いま以上に成功して欲しいですね。

mbさん、こんにちは。こちらこそご無沙汰しております:)
村上さんの作品を知ったとき、これこそ邂逅を待ち望んでいた作家だと思ったんです。彼の作品を見て即座につげ義春と鈴木清を連想したんですが、こういう内面をそれこそ凝視しつづけるような作家はコンセプチュアルな作風が目立つなかであまり出てこなかったのではないかと思います。
しかし確かに作家を追い込むというのは全くおっしゃる通りです。それでエントリの最後はちょっとなんといいますか、どうも目線感覚のようなものが違うのではないかと自分でも気になっていたもので、実はこっそり修正しておきました。
ともあれ、今後の作品が本当に楽しみな作家の一人と思います。

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  • Gangs of Kabukicho.
    渡辺克巳

    097154803X
    新潮社フォトミュゼの「新宿」が絶版となっているなかで最近刊行された渡辺克巳の最新写真集。洋書。



    先般亡くなった路上の写真家、渡辺克巳の写真集。インサイダーとして夜の新宿を流した彼の生の証はその写された人々と共に永く記憶されるべき。


    ジャパン
    倉田 精二
    4106024330
    渡辺克巳とくれば倉田精二を挙げずにはいられない。日本のウィージーと言われたストリートフォトの神髄。都市の殺伐と虚像をこれほど表現した写真はない。

    にっぽん劇場写真帖
    寺山 修司・森山大道
    4106024187
    寺山と森山のコラボレーションは「あゝ、荒野」以前にもこの作品で既に成就していた。68年刊のこの作品は強烈なコントラストとイメージで時代を色濃く表現している。腰巻きの惹句「奇才ふたりが火花を散らすイメージ地獄巡り」も凄いが、天井桟敷率いる寺山へぶつける森山の渾身の「返歌」が熱い。中平卓馬がカメラを構える有名なショットもあり。これを見ずに森山は語れない。


    奈良原の写真は既に絶版になった朝日新聞社の「昭和写真全仕事」を所有しているが、トラピスト修道院に取材した「沈黙の国」「人間の土地」「消滅した時間」などパースを駆使した知的で静謐な写真は独特の美。「無国籍地」は廃墟をモチーフにした写真集。その圧倒的な画面の構成美を。

    Cui Cui
    川内 倫子
    4902943026
    川内の作品は柔らかい光と深度の浅いクローズアップなどを多用して日常の「合い間」を独特の色調で表現している。小生の勝手な感覚ではあるが彼女の作品にはどこか「彼岸の匂い」のようなものが感じられてならない。明るく静かな日常。ふと視線を外して見上げる窓の外の空。こよないものたちの空間。この作品は家族の何気ない日常をテーマとした写真集。なぜだろう、頁をめくってゆくたびに胸が詰まってくるのは。


    この間東京都写真美術館で行われた回顧展で再び植田の仕事が再評価されている。砂丘シリーズに代表されるこのモダニズムはいつまでも古びない。

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