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April 28, 2008

百合の香りと夢の街

玄関に生けた百合が夜になるとことのほか香って、夜中に水を飲みに台所に行くときなどに寝室を出ると馥郁として眩暈がするほどだ。夜は戸締まりをするので昼に較べてその香りが閉じこめられて濃くなるようなのだが、夢うつつに香りを纏って再びベッドへ戻ると久しく見なかった空中を浮遊する夢をみた。
夢の中では目線ほどの高さで体を地面と並行に浮かんだり、ちょっとした跳躍で何十mも飛べたりするのだが、それが夢の中では当然のことと何故か了解している。さあこれから飛ぼうと思うと、もの凄い勢いで背中から上に引っぱられて次の瞬間には街を俯瞰している。視覚的にもかなりのリアリティがあって、その開放感は夢から覚めた後にも心地よい余韻があるほどだ。
詳しくは覚えていないが、最近やっているCMで女の子が街の上10mほどを浮かぶシーンがあるが、丁度あんな感じだ。このCMを観たときに、あ、まさしくこの感覚だ、と思ったがなにせ夢の話、他人に同意を求められないもどかしさにこんなエントリを書いているのだけれど、この夢は子供の頃によく見たが大人になってからは殆ど見なくなった。そう思いながら、以前「飛ぶ夢をしばらく見ない」という映画のタイトルを借りたエントリを書いているのを思い出した。山田太一原作のこの作品は、中年サラリーマンの細川俊之が次第に若返って行く老婆と恋に落ちる話だった。ついには5歳の少女にまで若返って行く老婆には石田えりが扮しているが、そもそもこの映画の題名は内容にあまり関係がない。強いて考えれば疲弊し事故に遭うサラリーマンの、その疲れ具合を形容したものとも言えそうだが、そうであれば、こんな夢をみるのは小生ばかりではなく、割と誰でも見ているものなのかも知れないと思った。そもそもこの映画を観たのも内容はともあれこの題名に惹かれたからだった。

夢と言えば、子供の頃によく見た夢のなかの街並みは現実の街並みとは全く違っていたが、やはり夢の中では何故かその道や建物などを知悉しており、毎回みる夢もこの街並みが舞台だった。そこには行ってはいけない禁忌の場所があり、遠目に眺めるとそこは薄暗くて恐ろしいところだったが、一方、それとは別に背景に崖を背負うようにして巨大な伽藍があってその堂宇のなかには見上げるほどの大きな仏像があった。まるでこの二つの場所が街の正と負の均衡を保っているかのようだった。また街にはこれ以上ないと思われる清冽なせせらぎがあるなど、いまでもその断片を思い出せる。当時小学校の図工の時間に、この夢の街並みを地図のような絵に描いたことがあったが、地図に描けるほどリアリティのある架空の街並みが何だったのかをいまだに不思議に思うことがある。

その夢のなかでは現実にはいない人々が現れるのだが、そのなかでいまでも記憶に残っているのは、これまでに会ったことのない同年代(当時小学生)の姉弟だ。その二人は小生になにかを助けて欲しくて懇願するのだが、その内容はよく分からなかった。しかし戦争に関係のある事柄と夢の中では何故か了解していて、どうしても助けて欲しい、二人の名前は○○だ、と具体的な名前を小生に噛んで含めるように名乗ったのが印象的で、夢から覚めてもはっきり覚えていた。あとでこの名前を母親に聞いたが、そんな名前は聞いたことがないと一蹴された。しかし何故か母親に関係する人たちという確信に近いものが当時小生にはあって、この名前も教科書の隅だったかにメモして置いたことがある。

なにかとりとめのない夢の話を続けてしまってどうかとは思うが、エントリに大分時間が空いてしまったこともあっていわばリハビリのようなもの(笑)と思っていただければ。

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    渡辺克巳

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    新潮社フォトミュゼの「新宿」が絶版となっているなかで最近刊行された渡辺克巳の最新写真集。洋書。



    先般亡くなった路上の写真家、渡辺克巳の写真集。インサイダーとして夜の新宿を流した彼の生の証はその写された人々と共に永く記憶されるべき。


    ジャパン
    倉田 精二
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    渡辺克巳とくれば倉田精二を挙げずにはいられない。日本のウィージーと言われたストリートフォトの神髄。都市の殺伐と虚像をこれほど表現した写真はない。

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    寺山と森山のコラボレーションは「あゝ、荒野」以前にもこの作品で既に成就していた。68年刊のこの作品は強烈なコントラストとイメージで時代を色濃く表現している。腰巻きの惹句「奇才ふたりが火花を散らすイメージ地獄巡り」も凄いが、天井桟敷率いる寺山へぶつける森山の渾身の「返歌」が熱い。中平卓馬がカメラを構える有名なショットもあり。これを見ずに森山は語れない。


    奈良原の写真は既に絶版になった朝日新聞社の「昭和写真全仕事」を所有しているが、トラピスト修道院に取材した「沈黙の国」「人間の土地」「消滅した時間」などパースを駆使した知的で静謐な写真は独特の美。「無国籍地」は廃墟をモチーフにした写真集。その圧倒的な画面の構成美を。

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    川内 倫子
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    川内の作品は柔らかい光と深度の浅いクローズアップなどを多用して日常の「合い間」を独特の色調で表現している。小生の勝手な感覚ではあるが彼女の作品にはどこか「彼岸の匂い」のようなものが感じられてならない。明るく静かな日常。ふと視線を外して見上げる窓の外の空。こよないものたちの空間。この作品は家族の何気ない日常をテーマとした写真集。なぜだろう、頁をめくってゆくたびに胸が詰まってくるのは。


    この間東京都写真美術館で行われた回顧展で再び植田の仕事が再評価されている。砂丘シリーズに代表されるこのモダニズムはいつまでも古びない。

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