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March 01, 2008

忘れていた朝

しばらく前から台所の流しの蛇口から水が漏れるようになって、というかきつく締めても完全には止まらず、ポタポタと水滴が落ちるのに気づいていたが放っておいた。
しかし、次第にそのポタポタの間隔が縮まって、さながらアンダンテからアレグロへと進むにつれて放っておけなくなり、それまでどのみち洗いものに使うのだからと洗い桶で漏れる水を貧乏くさくも溜めていたが、昨日の朝、出がけの忙しい時ではあるが我慢できずにパッキンの交換をしようとようやく重い腰をあげた。

しかし蛇口の特殊な形状からその方法が分からず、ネットを検索しようやく外し方を探し当てて10分、無事交換したのだけれど、この朝の10分は致命傷で、仕事場には急な家事で少々遅れます、とケータイからメールを入れておいた。出社するとみな「大丈夫か?!」と血相を変えていて一体何事かと思ったが、よく見るとメールの家事を火事と誤変換していた。殆どがそんなことだろうと分かっていたみたいだけれど。ボヤではなくボケだったという嘘のようなお話。お騒がせ致しました。

***

九段下から神保町へ向かい、三省堂で写真集をみてから店を出ると、入り口でCD販売のワゴンがあって、ユーミンの「海をみていた午後」が流れていた。歌はユーミンではなく山本潤子のカバーだ。

71年に「翼をください」が大ヒットした赤い鳥時代の山本と、これも赤い鳥のナンバー「忘れていた朝」を坂崎幸之助と歌う最近の山本をYOU TUBEで交互にみながら、この人は歳を取るにつれて歌声が磨かれて行くタイプの歌手だと思った。失礼ながらもうすぐ還暦のお歳とは到底思えない透明感。あの声質は聴いていて本当に気持ちいい。

■YOU TUBEの検索結果「山本潤子」
- http://jp.youtube.com/results?search_query=%E5%B1%B1%E6%9C%AC%E6%BD%A4%E5%AD%90

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  • Gangs of Kabukicho.
    渡辺克巳

    097154803X
    新潮社フォトミュゼの「新宿」が絶版となっているなかで最近刊行された渡辺克巳の最新写真集。洋書。



    先般亡くなった路上の写真家、渡辺克巳の写真集。インサイダーとして夜の新宿を流した彼の生の証はその写された人々と共に永く記憶されるべき。


    ジャパン
    倉田 精二
    4106024330
    渡辺克巳とくれば倉田精二を挙げずにはいられない。日本のウィージーと言われたストリートフォトの神髄。都市の殺伐と虚像をこれほど表現した写真はない。

    にっぽん劇場写真帖
    寺山 修司・森山大道
    4106024187
    寺山と森山のコラボレーションは「あゝ、荒野」以前にもこの作品で既に成就していた。68年刊のこの作品は強烈なコントラストとイメージで時代を色濃く表現している。腰巻きの惹句「奇才ふたりが火花を散らすイメージ地獄巡り」も凄いが、天井桟敷率いる寺山へぶつける森山の渾身の「返歌」が熱い。中平卓馬がカメラを構える有名なショットもあり。これを見ずに森山は語れない。


    奈良原の写真は既に絶版になった朝日新聞社の「昭和写真全仕事」を所有しているが、トラピスト修道院に取材した「沈黙の国」「人間の土地」「消滅した時間」などパースを駆使した知的で静謐な写真は独特の美。「無国籍地」は廃墟をモチーフにした写真集。その圧倒的な画面の構成美を。

    Cui Cui
    川内 倫子
    4902943026
    川内の作品は柔らかい光と深度の浅いクローズアップなどを多用して日常の「合い間」を独特の色調で表現している。小生の勝手な感覚ではあるが彼女の作品にはどこか「彼岸の匂い」のようなものが感じられてならない。明るく静かな日常。ふと視線を外して見上げる窓の外の空。こよないものたちの空間。この作品は家族の何気ない日常をテーマとした写真集。なぜだろう、頁をめくってゆくたびに胸が詰まってくるのは。


    この間東京都写真美術館で行われた回顧展で再び植田の仕事が再評価されている。砂丘シリーズに代表されるこのモダニズムはいつまでも古びない。

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