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January 06, 2008

日本プリンター協会 / 『PRINTERS'S EXHIBITION 2008 昭和の写真家新山清のold&new』

横浜赤レンガ倉庫1号館にて「PRINTERS'S EXHIBITION 2008 昭和の写真家新山清のold&new」が2008年1月9日より開催されるようだ。主宰は日本プリンター協会。この協会は写真の暗室作業を生業とする、いわゆるプリンターの親睦、情報交換や技術向上を目指す団体(サイトによる)で、PRINTERS'S EXHIBITIONはその職業認知とプリント表現の重要性に対する啓蒙活動の一環として1997年より開催されており、今回はその第5回目の展覧会となる由。

確かにプリンターという職業はあまり知られていない。写真家の作品のオリジナルプリントも作家本人が焼くものとその指示を元にプリンターが焼く場合とがあるようだ。写真家の展覧会用のプリントなどはプリンターが請け負う場合も多いのではないかと思う。そもそも写真表現とはその入力=撮影から出力=プリントまでのトータルなものであり、モノクロ、カラーも含めて結果としての出力が重要なのは言うまでもないが、それには職人的技術の裏打ちがなければならない。

展示会では同一のネガから個々のプリンターの解釈するプリント表現を行う「テーマネガ競作」というコーナーもあるとのことで、これはいわばクラシック音楽の演奏に似ていると思う。同一の楽譜からどう表現するか、それこそがコンダクターのオリジナリティだ。同じネガから作家の意図するものとは別にプリンターの個性を表現したいわば「演奏」は非常に興味のあるところではある。

しかし最近のデジタル化の波で銀塩からデジタル出力へと時代の趨勢が変化してきていることでケミカルプリントと共に、いわゆるドライプリント、例えばインクジェット出力などの機会も増えていることだろう。作家は撮影したデータを、従来なら暗室でコンタクトを取りストレートに焼いてからプリント表現を検討したものを、最終イメージまでをディスプレイ上で構成することになる。この流れでのプリンターの役割、立場はやはり変わって来るのではないだろうか。

しかし実際にやってみれば分かる通り、ディスプレイ上のイメージと出力物を合わせるのは至難の業だ。大体の場合、まずは意図と外れたプリントになってしまう。このためにディスプレイ上でのキャリブレーションやインク、出力メディアを含めたプロファイルでマッチングさせた上で何枚も用紙を使って試行錯誤を繰り返さなければならない。この作業にはやはり高度な専門的知識が必要になるだろう。これからは銀塩プリント技術と並んでデジタル出力から印刷までの専門的知識をさらに要求されることになるに違いない。

プリンターの視点から企画された写真展は普段なかなか目にすることがなく興味を惹かれる。会場の横浜赤レンガ倉庫も趣きがあって良さそうだ。是非時間を見つけて訪れてみたい。

■関連サイト
- ■日本プリンター協会■
http://www.printer-jp.org/index.html
- 横浜赤レンガ倉庫
http://www.yokohama-akarenga.jp/

■関連エントリ
- 月球儀通信 : フィルム保存の重要性 / 日本写真保存センター
http://azusayumi.tea-nifty.com/fragment/2006/03/___976a.html
- 月球儀通信 : モノクロ印画紙の現在 / デジタル時代のモノクローム
http://azusayumi.tea-nifty.com/fragment/2005/12/___8a6b.html

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    渡辺克巳

    097154803X
    新潮社フォトミュゼの「新宿」が絶版となっているなかで最近刊行された渡辺克巳の最新写真集。洋書。



    先般亡くなった路上の写真家、渡辺克巳の写真集。インサイダーとして夜の新宿を流した彼の生の証はその写された人々と共に永く記憶されるべき。


    ジャパン
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    奈良原の写真は既に絶版になった朝日新聞社の「昭和写真全仕事」を所有しているが、トラピスト修道院に取材した「沈黙の国」「人間の土地」「消滅した時間」などパースを駆使した知的で静謐な写真は独特の美。「無国籍地」は廃墟をモチーフにした写真集。その圧倒的な画面の構成美を。

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    川内の作品は柔らかい光と深度の浅いクローズアップなどを多用して日常の「合い間」を独特の色調で表現している。小生の勝手な感覚ではあるが彼女の作品にはどこか「彼岸の匂い」のようなものが感じられてならない。明るく静かな日常。ふと視線を外して見上げる窓の外の空。こよないものたちの空間。この作品は家族の何気ない日常をテーマとした写真集。なぜだろう、頁をめくってゆくたびに胸が詰まってくるのは。


    この間東京都写真美術館で行われた回顧展で再び植田の仕事が再評価されている。砂丘シリーズに代表されるこのモダニズムはいつまでも古びない。

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