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January 13, 2008

御法川修 / 『世界はときどき美しい』

世界はときどき美しい [DVD] 日常へのさりげない慈しみを映像スケッチ風に纏めた5つの小話からなるオムニバス。何事も起こるわけではない日常、しかしそのなかでふと迎える小さな転回点。この誰にでもあるささやかな営為に優しい眼差しを向けることの意味を詩的映像で表現した佳作だ。

キャストは松田美由紀、市川実日子、松田龍平、柄本明、浅見れいな、あがた森魚など。日頃どちらかというとアクの強い作品ばかり観ているだけに、偶にこういう作品に出会うと心が癒される思い。映像詩と謳われる作品はその殆どが独りよがりなものが多く、大抵は意味不明な気分だけの作品と相場が決まっているが、この作品は脚本がしっかりしており映像の美しさを損なっていない。

この作品は全編8mmフィルムで撮影されブローアップされている。この8mmのもつノスタルジーは独特のガンマの低い色調や拡大された銀塩粒子、コマ数の低さから来る画面の動きで作品の内容に上手く沿ったものとなった。折しも以前から8mmフィルムの動向に注目していたが、やはり衰退の一途を辿っておりもはや風前の灯だ。しかしこの8mmの持つ感覚は他では代え難いものでもある。富士フイルムは今年シングルエイトの撤退を予定していたが、ユーザの強い要望で販売と現像の終了を延長することになったらしい。

個人メディアとしての8mmは既にビデオに置き換わって久しく、記録手段という意味では当然の趨勢としても、表現手段のバリエーションの一つとしては是非残して貰いたいメディアだと思う。2007年、70分。

■関連サイト
- 世界はときどき美しい 公式サイト
http://www.sekaihatokidoki.com/

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    渡辺克巳

    097154803X
    新潮社フォトミュゼの「新宿」が絶版となっているなかで最近刊行された渡辺克巳の最新写真集。洋書。



    先般亡くなった路上の写真家、渡辺克巳の写真集。インサイダーとして夜の新宿を流した彼の生の証はその写された人々と共に永く記憶されるべき。


    ジャパン
    倉田 精二
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    渡辺克巳とくれば倉田精二を挙げずにはいられない。日本のウィージーと言われたストリートフォトの神髄。都市の殺伐と虚像をこれほど表現した写真はない。

    にっぽん劇場写真帖
    寺山 修司・森山大道
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    寺山と森山のコラボレーションは「あゝ、荒野」以前にもこの作品で既に成就していた。68年刊のこの作品は強烈なコントラストとイメージで時代を色濃く表現している。腰巻きの惹句「奇才ふたりが火花を散らすイメージ地獄巡り」も凄いが、天井桟敷率いる寺山へぶつける森山の渾身の「返歌」が熱い。中平卓馬がカメラを構える有名なショットもあり。これを見ずに森山は語れない。


    奈良原の写真は既に絶版になった朝日新聞社の「昭和写真全仕事」を所有しているが、トラピスト修道院に取材した「沈黙の国」「人間の土地」「消滅した時間」などパースを駆使した知的で静謐な写真は独特の美。「無国籍地」は廃墟をモチーフにした写真集。その圧倒的な画面の構成美を。

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    川内 倫子
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    川内の作品は柔らかい光と深度の浅いクローズアップなどを多用して日常の「合い間」を独特の色調で表現している。小生の勝手な感覚ではあるが彼女の作品にはどこか「彼岸の匂い」のようなものが感じられてならない。明るく静かな日常。ふと視線を外して見上げる窓の外の空。こよないものたちの空間。この作品は家族の何気ない日常をテーマとした写真集。なぜだろう、頁をめくってゆくたびに胸が詰まってくるのは。


    この間東京都写真美術館で行われた回顧展で再び植田の仕事が再評価されている。砂丘シリーズに代表されるこのモダニズムはいつまでも古びない。

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