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January 19, 2008

『Photo Square Magazine Final号』


1977年「ロッコール」No,36 表紙:牛腸茂雄「self and others」

コニカミノルタフォトクラブが会員向けに発行する季刊誌、「Photo Square Magazine」が昨年の写真事業撤退を受けて2008年1月号で終刊となった。この雑誌の前身であるミノルタの「ロッコール」誌が1955年、コニカの「SAKURA family」誌が1960年に創刊と50余年にわたってアマチュアユーザ向けに刊行され続けた、書店の店頭には並ばないが息の長い写真誌だった。

このfinal号では真継不二夫、細江英公、大竹省二、中村正也などから始まり2007年秋号の繰上和美まで、荒木経惟、須田一政、大西みつぐ、柳沢信、武田花、奈良原一高、東松照明、清家冨夫など著名写真家による表紙をその創刊号からコレクションし回顧したもので、森山大道や牛腸茂雄などの作品も見える。

メーカは単に製品を作るだけでなく、こういう会員向けの雑誌やフォトコンテスト、撮影会などを開催することでその底辺から写真文化を支えてきたということなのだろうし、その間には商業誌の創廃刊があった訳だが、しかし最近ではむしろ商業誌は以前に比べ増えてきている感さえする。しかもデジカメ全盛の昨今にあって若い女性向けの銀塩を中心にした雑誌が増えているのをみても、実は今はメディアの進歩の時代ではなく、「多様化の時代」なのだと考えても良いのかもしれないし、そう思いたい。こんな期間がどれだけ続くかは分からないが、その意味ではユーザとしてはむしろ逆説的に嬉しい環境とは言えるかもしれない。

これは個人的な感覚でしかないが、銀塩カメラの中古市場は以前に較べてかなり値を下げてきているし、先般エントリした8mmフィルムも無理すれば(これにはかなりの、という形容詞がつくが)この今から出来ないこともない。
銀塩は騒がれる程にはすぐには無くならないし、例え万一無くなったとしてもそれはそれでよいと最近思うようになった。無くなるということは別のメディアが実用になっているということだからだ。そもそもよく考えればフィルムに敢えてこだわる意味も実は既に無くそれは単にノスタルジーでしかないのかも知れないし、メディアは常に新たな表現を牽引するものだ。今の状況はそもそも自分が写真を撮り、鑑賞するという行為の目的が何なのかをあらためて問われ突きつけられる時なのかも知れない、などとこの雑誌をみながら思った次第。

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    渡辺克巳

    097154803X
    新潮社フォトミュゼの「新宿」が絶版となっているなかで最近刊行された渡辺克巳の最新写真集。洋書。



    先般亡くなった路上の写真家、渡辺克巳の写真集。インサイダーとして夜の新宿を流した彼の生の証はその写された人々と共に永く記憶されるべき。


    ジャパン
    倉田 精二
    4106024330
    渡辺克巳とくれば倉田精二を挙げずにはいられない。日本のウィージーと言われたストリートフォトの神髄。都市の殺伐と虚像をこれほど表現した写真はない。

    にっぽん劇場写真帖
    寺山 修司・森山大道
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    寺山と森山のコラボレーションは「あゝ、荒野」以前にもこの作品で既に成就していた。68年刊のこの作品は強烈なコントラストとイメージで時代を色濃く表現している。腰巻きの惹句「奇才ふたりが火花を散らすイメージ地獄巡り」も凄いが、天井桟敷率いる寺山へぶつける森山の渾身の「返歌」が熱い。中平卓馬がカメラを構える有名なショットもあり。これを見ずに森山は語れない。


    奈良原の写真は既に絶版になった朝日新聞社の「昭和写真全仕事」を所有しているが、トラピスト修道院に取材した「沈黙の国」「人間の土地」「消滅した時間」などパースを駆使した知的で静謐な写真は独特の美。「無国籍地」は廃墟をモチーフにした写真集。その圧倒的な画面の構成美を。

    Cui Cui
    川内 倫子
    4902943026
    川内の作品は柔らかい光と深度の浅いクローズアップなどを多用して日常の「合い間」を独特の色調で表現している。小生の勝手な感覚ではあるが彼女の作品にはどこか「彼岸の匂い」のようなものが感じられてならない。明るく静かな日常。ふと視線を外して見上げる窓の外の空。こよないものたちの空間。この作品は家族の何気ない日常をテーマとした写真集。なぜだろう、頁をめくってゆくたびに胸が詰まってくるのは。


    この間東京都写真美術館で行われた回顧展で再び植田の仕事が再評価されている。砂丘シリーズに代表されるこのモダニズムはいつまでも古びない。

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