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January 23, 2008

須田一政 / 『KINETIC SCAPE』

8mmフィルムづいている昨今、というかその割りにはまだ一コマも撮影できていない状態だけれど、それで思い出したのは、先般写真集「民謡山河」を上梓した須田一政に「KINETIC SCAPE」という8mmフィルムで撮影した動画のなかからのヒトコマをスチールで複写した作品がある。下記リンクのサイト「須田一政塾」に作品と解説があるが、

「一枚の作品は、私が二度シャッターを切った写真であり、衝動的でありながら十分に確認されたものでもある。(サイト「須田一政塾」より引用)」

という言葉を小生なりに咀嚼すれば、何かに感じて撮影した光景をさらに確認することで、そのとき自分が一体何に惹かれ、何を見ていたのかを問う行為ということだろうと思う。これは写真という行為そのものでもある。このコンセプチュアルな作品は、提示された作品は一枚のスチールでしかないが、その制作の経緯を知ることで深い意味が立ち現れるという興味深いシリーズだ。

寺山修司の主宰した劇団「天井桟敷」の専属カメラマンだった須田一政の作品には、朝日ソノラマ写真叢書の「風姿花伝」(1976年)で出会ったのだが、薄暗い旅館の一室にぽつんと布の掛けられた姿見が寂しく撮されたモノクロが印象的だった。この作品から写真家が訪れた土地の祭りを徹底的な他者の視線で綴られたイメージが連鎖する。この作品はその後何年にもわたってシリーズとして撮影されている。

また、カメラからテーマを紡ぐという方法論も印象的な作家だ。「風姿花伝」でのスクェアなフォーマットはハッセルブラッドで撮影されているが、その他ミノックスやポラロイド、リコーオートハーフやプラウベルマキナなどの、いわばカメラに触発された作品がそれぞれの持つ特性を活かして素晴らしく、ことに作品で使われることの少ないミノックスで捉えた、パンフォーカスと極度に拡大された銀塩粒子で浮かび上がる台湾基隆の街並みなど印象深い。

日本の写真家 (40) 須田一政 民謡山河

■関連サイト
- 須田一政塾
http://homepage.mac.com/sudazyuku/
- 須田一政写真展「KINETICSCAPE」
http://homepage.mac.com/sudazyuku/tenji/2006/kine2/index.htm

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  • Gangs of Kabukicho.
    渡辺克巳

    097154803X
    新潮社フォトミュゼの「新宿」が絶版となっているなかで最近刊行された渡辺克巳の最新写真集。洋書。



    先般亡くなった路上の写真家、渡辺克巳の写真集。インサイダーとして夜の新宿を流した彼の生の証はその写された人々と共に永く記憶されるべき。


    ジャパン
    倉田 精二
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    渡辺克巳とくれば倉田精二を挙げずにはいられない。日本のウィージーと言われたストリートフォトの神髄。都市の殺伐と虚像をこれほど表現した写真はない。

    にっぽん劇場写真帖
    寺山 修司・森山大道
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    寺山と森山のコラボレーションは「あゝ、荒野」以前にもこの作品で既に成就していた。68年刊のこの作品は強烈なコントラストとイメージで時代を色濃く表現している。腰巻きの惹句「奇才ふたりが火花を散らすイメージ地獄巡り」も凄いが、天井桟敷率いる寺山へぶつける森山の渾身の「返歌」が熱い。中平卓馬がカメラを構える有名なショットもあり。これを見ずに森山は語れない。


    奈良原の写真は既に絶版になった朝日新聞社の「昭和写真全仕事」を所有しているが、トラピスト修道院に取材した「沈黙の国」「人間の土地」「消滅した時間」などパースを駆使した知的で静謐な写真は独特の美。「無国籍地」は廃墟をモチーフにした写真集。その圧倒的な画面の構成美を。

    Cui Cui
    川内 倫子
    4902943026
    川内の作品は柔らかい光と深度の浅いクローズアップなどを多用して日常の「合い間」を独特の色調で表現している。小生の勝手な感覚ではあるが彼女の作品にはどこか「彼岸の匂い」のようなものが感じられてならない。明るく静かな日常。ふと視線を外して見上げる窓の外の空。こよないものたちの空間。この作品は家族の何気ない日常をテーマとした写真集。なぜだろう、頁をめくってゆくたびに胸が詰まってくるのは。


    この間東京都写真美術館で行われた回顧展で再び植田の仕事が再評価されている。砂丘シリーズに代表されるこのモダニズムはいつまでも古びない。

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