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25 posts from January 2008

January 28, 2008

なんだか今日は


今日はなんだか浮かばれない気持ちです。
とりあえずは早めに寝ようかと。

January 27, 2008

大阪万博のステレオビューア

この間、部屋の掃除をしていたら箪笥の奥に懐かしいものを見つけた。その存在をすっかり忘れていたので思わぬ再会に胸がときめいてしまった。それは父親に貰った大阪万博土産のステレオ写真ビューアで万博の風景が収められたポジを後部に付いているノブで巻き取りながら見るおもちゃなのだけれど、両目で覗くとかなりの立体感で当時小学生に上がったばかりの小生(歳がばれる)がその面白さにもう何度も繰り返し見たものだ。しかしこんなところにあったなんて。


両目で覗くと圧倒的な立体感が。後ろのノブで画像を巻き取る機構。採光は上の乳白色の部分から。



会場全景。右のほうに岡本太郎作「太陽の塔」が見える。


南茨木から会場までは今でも現役で走っているモノレールで。


そういえばこんなパビリオンがあったな。


太陽の塔の前の広場で行われたアトラクション風景。

ステレオ写真は赤瀬川原平などが10年以上前に脳内リゾート計画などと称して一時盛り上がりの機運を見せたが、なかなか定着しなかった。もっと古いところでは朝日ソノラマ写真文庫の島和也「ステレオ写真入門」などの文献があるが、これは随分前から捜しているもののいまだに入手出来ていない。
ペヨトル工房から刊行されて現在はこれも絶版の「ステレオ 感覚のメディア史」(94年)はステレオ写真の原理からその周辺までを纏めたステレオ文献としては数少ない一冊だが、現在入手は難しいようだ。


■関連エントリ
- 月球儀通信 : またまた学研さんがやってくれました
http://azusayumi.tea-nifty.com/fragment/2006/12/post_698f.html

January 24, 2008

甲斐田祐輔 / 『砂の影』

先般エントリした映画、御法川修監督「世界は時々美しい」は全編8mmフィルムで撮影された作品だが、2008年2月2日より渋谷のユーロスペースで封切りされる映画「砂の影」もやはりその全編を8mmフィルムで撮影した作品だ。キャストは江口のりこ、ARATA、米村亮太朗、光石研、山口美也子ほか。2007年、76分。

撮影にはBEAULIEU 6008SとNIKON R10と共にスーパー8の2台が使用され、フィルムはポジではなく暗所での撮影に有利なようにラチチュードの広いネガからテレシネしているらしい。

サイトでトレイラーを見たが、やっぱり8mmの映像はいいですね。
どこかの奇特なメーカが安価なカメラを発売しないものだろうか。

■関連サイト
- 甲斐田祐輔監督作品『砂の影』公式HP
http://sunanokage.com/
- 砂の影 (撮影ブログ:はてなダイアリー)
http://d.hatena.ne.jp/sabaku_m/
8mmに興味を持ち出した小生にはこのブログは刺激的すぎる。

January 23, 2008

須田一政 / 『KINETIC SCAPE』

8mmフィルムづいている昨今、というかその割りにはまだ一コマも撮影できていない状態だけれど、それで思い出したのは、先般写真集「民謡山河」を上梓した須田一政に「KINETIC SCAPE」という8mmフィルムで撮影した動画のなかからのヒトコマをスチールで複写した作品がある。下記リンクのサイト「須田一政塾」に作品と解説があるが、

「一枚の作品は、私が二度シャッターを切った写真であり、衝動的でありながら十分に確認されたものでもある。(サイト「須田一政塾」より引用)」

という言葉を小生なりに咀嚼すれば、何かに感じて撮影した光景をさらに確認することで、そのとき自分が一体何に惹かれ、何を見ていたのかを問う行為ということだろうと思う。これは写真という行為そのものでもある。このコンセプチュアルな作品は、提示された作品は一枚のスチールでしかないが、その制作の経緯を知ることで深い意味が立ち現れるという興味深いシリーズだ。

寺山修司の主宰した劇団「天井桟敷」の専属カメラマンだった須田一政の作品には、朝日ソノラマ写真叢書の「風姿花伝」(1976年)で出会ったのだが、薄暗い旅館の一室にぽつんと布の掛けられた姿見が寂しく撮されたモノクロが印象的だった。この作品から写真家が訪れた土地の祭りを徹底的な他者の視線で綴られたイメージが連鎖する。この作品はその後何年にもわたってシリーズとして撮影されている。

また、カメラからテーマを紡ぐという方法論も印象的な作家だ。「風姿花伝」でのスクェアなフォーマットはハッセルブラッドで撮影されているが、その他ミノックスやポラロイド、リコーオートハーフやプラウベルマキナなどの、いわばカメラに触発された作品がそれぞれの持つ特性を活かして素晴らしく、ことに作品で使われることの少ないミノックスで捉えた、パンフォーカスと極度に拡大された銀塩粒子で浮かび上がる台湾基隆の街並みなど印象深い。

日本の写真家 (40) 須田一政 民謡山河

■関連サイト
- 須田一政塾
http://homepage.mac.com/sudazyuku/
- 須田一政写真展「KINETICSCAPE」
http://homepage.mac.com/sudazyuku/tenji/2006/kine2/index.htm

January 22, 2008

埋め草 / FUJICA P300 レストア中

FUJICA P300

ジャンクで買ったFUJICA P300。一応レストア中だけれどやっぱり動かすのは無理かな。
ホコリまみれで失礼しました。(埋め草エントリ)

January 20, 2008

ブロードウェイから8ミリカメラへ

休日は大抵遅く起きて午前中はネットに繋いだり掃除洗濯をしたりしてほとんどは過ごし、実質着替えて活動し始めるのが午後になってしまうのだけれど、この土日は割と早起きして時間を無駄にせずに済んだ。休みの前日はやはり夜更かししないのが休日を有効に使うコツかも知れない。

で、新宿で用事を済ませた後、久しぶりに中野で降りてブロードウェイのレコミンツで以前出た「水中、それは苦しい」のDVD「九州縦断、そして横断」の未開封品を、名前は忘れたが映画ポスターの店で大島渚「体験的戦後映像論」を買ってから2階の喫茶ピットインでお茶をして、その後、南口へ回って5差路付近のカメラ店にFujicaのP300がジャンクで出ているのを発見して即購入。これはSingle8の普及機だ。もちろんジャンクなので動かないが、分解して電気系統をいじればもしかしたら治るかもしれないとほのかな期待もあってつい買ってしまった。

家に帰り、分解してみたが目に見える断線はないもののテスターを当てて確かめると通電していない。ことによるとモーターが成仏しているかもしれないが、来週にでももう少し詳しく調べてみることにする。レンズ他は綺麗でこれで動けばしめたものだが、動かなくてもタダ同然だしカメラケースの賑やかしにはなるというものだ。

今日観た映画、井口昇「卍」(2004年)、リー・フリードランダー「Girls Play」(2004年)。

January 19, 2008

『Photo Square Magazine Final号』


1977年「ロッコール」No,36 表紙:牛腸茂雄「self and others」

コニカミノルタフォトクラブが会員向けに発行する季刊誌、「Photo Square Magazine」が昨年の写真事業撤退を受けて2008年1月号で終刊となった。この雑誌の前身であるミノルタの「ロッコール」誌が1955年、コニカの「SAKURA family」誌が1960年に創刊と50余年にわたってアマチュアユーザ向けに刊行され続けた、書店の店頭には並ばないが息の長い写真誌だった。

このfinal号では真継不二夫、細江英公、大竹省二、中村正也などから始まり2007年秋号の繰上和美まで、荒木経惟、須田一政、大西みつぐ、柳沢信、武田花、奈良原一高、東松照明、清家冨夫など著名写真家による表紙をその創刊号からコレクションし回顧したもので、森山大道や牛腸茂雄などの作品も見える。

メーカは単に製品を作るだけでなく、こういう会員向けの雑誌やフォトコンテスト、撮影会などを開催することでその底辺から写真文化を支えてきたということなのだろうし、その間には商業誌の創廃刊があった訳だが、しかし最近ではむしろ商業誌は以前に比べ増えてきている感さえする。しかもデジカメ全盛の昨今にあって若い女性向けの銀塩を中心にした雑誌が増えているのをみても、実は今はメディアの進歩の時代ではなく、「多様化の時代」なのだと考えても良いのかもしれないし、そう思いたい。こんな期間がどれだけ続くかは分からないが、その意味ではユーザとしてはむしろ逆説的に嬉しい環境とは言えるかもしれない。

これは個人的な感覚でしかないが、銀塩カメラの中古市場は以前に較べてかなり値を下げてきているし、先般エントリした8mmフィルムも無理すれば(これにはかなりの、という形容詞がつくが)この今から出来ないこともない。
銀塩は騒がれる程にはすぐには無くならないし、例え万一無くなったとしてもそれはそれでよいと最近思うようになった。無くなるということは別のメディアが実用になっているということだからだ。そもそもよく考えればフィルムに敢えてこだわる意味も実は既に無くそれは単にノスタルジーでしかないのかも知れないし、メディアは常に新たな表現を牽引するものだ。今の状況はそもそも自分が写真を撮り、鑑賞するという行為の目的が何なのかをあらためて問われ突きつけられる時なのかも知れない、などとこの雑誌をみながら思った次第。

January 17, 2008

新藤兼人 / 『讃歌』

随分前にどこだったかで100円で買った新藤兼人監督「讃歌」を棚の隅に見つけて久しぶりに観た。
この作品は谷崎の春琴抄をモチーフにしたATG作品で、新藤本人が本人という役で出るという演出のATGらしい作品。盲目の春琴に仕える佐助、この強権と服従という愛の形はついには佐助自ら眼を潰すという形でカタルシスを迎える。鵙屋春琴に渡辺督子、温井佐助に河原崎次郎。この作品はDVDが出ていないのが残念。大きめのショップにはビデオがあるかも知れない。1972年、112分、ATG。

January 15, 2008

山内道雄 / 『Tokyo』 in 蒼穹舎ギャラリー

先頃移転し新たにギャラリーを併設した蒼穹舎の第一回企画展、山内道雄「Tokyo」を観に行った。
移転といってももとのPLACE Mとはほんの1ブロック先の至近距離だ。

新宿南口で降りてTSUTAYAに寄り先日借りた「松本俊夫実験映像集Ⅱ」と大和屋竺「荒野のダッチワイフ」の二作を返却してから新宿御苑方面に歩いていると上空にぽっかり飛行船が浮かんでいるのが絵になりそうな予感がして、いつも携帯しながらなかなか出す機会のないカメラを取り出したが、電源を入れると「カードが入っていません」と無情な表示が。午前中にカードを抜いてPCに差していたのをすっかり忘れていた。そんなこんなで。

  * * *

強烈なコントラストで焼かれたストリートスナップは、広角でおそらくすれ違いざまの一瞬になされ、その刹那に垣間見える都市の亀裂を確認することで対象と切り結ぶかのようだ。全てをノーファインダーで撮られていると思っていたが、写真に映り込んだ写真家の影をみるとファインダで構図を決めているのがわかる。モノクロ半切24葉。会期は1月25日まで。
同時にRAT HOLE BOOKSより写真集、「YAMAUCHI Michio 『TOKYO UP CLOSE』」が発売されている。

丁度ギャラリーではかの森山大道さんが談笑しながら開け放った窓に向って煙草を吸っておられるところだった。
その後、PLACE Mへ移動してから神保町へ帰り、しなくても良い仕事を二、三してから久しぶりに髪を切った。

■関連サイト
- WEB 蒼穹舎 - ギャラリー 山内道雄写真展
http://www.sokyusha.com/gallery/20080110_yamauchi.html
- ラットホール ギャラリー|RAT HOLE GALLERY
http://www.ratholegallery.com/index.html

January 14, 2008

8mmフィルムの自家現像 - YOU TUBE

映画「世界はときどき美しい」のエントリでも触れた8mmフィルムの自家現像を行うワークショップの動画がYOU TUBEにアップされているのを発見した。解説によると2004年に多摩市で行われたものの記録映像らしい。講師は映像作家の末岡一郎氏。内式リバーサルフィルムをTETENALのE-6カラー反転現像液キットで現像するというものだ。撮影から現像・上映までを1日で行う様子が記録されていて非常に興味を惹かれる。
なるべく専門的な設備や道具を使用しないというスタンスで行われていることで簡単に出来そうな雰囲気もあってちょっとやってみたい気にさせる。スプールなどは使わず、現像タンクにフイルムをそれこそまるのまま入れるのは少々驚くが、ムラを防止するために水で前浴を行うというようなテクニックもあって、これは小生も35mmのスチールで現像するときは行っているが(というか最近全然やっていない)、結果としてそれでも出来てしまうのがいい。2004年といささか前の記録ではあるが結構参加者がいて8mmを継続してやっているひとがまだまだいるのは心強い。TETENALの代理店である近代インターナショナルのサイトをみると1Lで9000円ほどで、3分のフィルムを5本ほど現像するとして単価は2000円弱。自家現像するにしても現像所に出すコストと余り変わらないが、現像サービスが終了してからもやればなんとか出来るということは大きいのではないだろうか。

小生が高校の時の文化祭などでは、必ず誰かが家から8mmカメラを借りてきて映画を作っていたし、学校では教師が職員室で学校のイベントなどのフィルムをエディタで編集している風景がみられたが、今ではそれもビデオカメラに取って変わっているのだろうか。

このタイミングで8mmをやってみたくなっているのだけれど、いまからでは少々敷居が高いとは思う。
ビデオで撮影した素材をAfter Effectでフィルムシミュレートをするなどで妥協するしかないかも知れないが、どちらにしてもコストがかかるのが頭の痛いところだ。

■関連サイト
- YOU TUBE 「じかげん」
http://jp.youtube.com/results?search_query=%E3%81%98%E3%81%8B%E3%81%92%E3%82%93&search=%E6%A4%9C%E7%B4%A2
- 8mmフィルムを「自家現像」する(末岡一郎) - 8ミリ映画制作マニュアルWIKI内のコンテンツ
http://muddy8mm.howto.cx/pukiwiki/index.php?8mm%A5%D5%A5%A3%A5%EB%A5%E0%A4%F2%A1%D6%BC%AB%B2%C8%B8%BD%C1%FC%A1%D7%A4%B9%A4%EB%A1%CA%CB%F6%B2%AC%B0%EC%CF%BA%A1%CB

January 13, 2008

御法川修 / 『世界はときどき美しい』

世界はときどき美しい [DVD] 日常へのさりげない慈しみを映像スケッチ風に纏めた5つの小話からなるオムニバス。何事も起こるわけではない日常、しかしそのなかでふと迎える小さな転回点。この誰にでもあるささやかな営為に優しい眼差しを向けることの意味を詩的映像で表現した佳作だ。

キャストは松田美由紀、市川実日子、松田龍平、柄本明、浅見れいな、あがた森魚など。日頃どちらかというとアクの強い作品ばかり観ているだけに、偶にこういう作品に出会うと心が癒される思い。映像詩と謳われる作品はその殆どが独りよがりなものが多く、大抵は意味不明な気分だけの作品と相場が決まっているが、この作品は脚本がしっかりしており映像の美しさを損なっていない。

この作品は全編8mmフィルムで撮影されブローアップされている。この8mmのもつノスタルジーは独特のガンマの低い色調や拡大された銀塩粒子、コマ数の低さから来る画面の動きで作品の内容に上手く沿ったものとなった。折しも以前から8mmフィルムの動向に注目していたが、やはり衰退の一途を辿っておりもはや風前の灯だ。しかしこの8mmの持つ感覚は他では代え難いものでもある。富士フイルムは今年シングルエイトの撤退を予定していたが、ユーザの強い要望で販売と現像の終了を延長することになったらしい。

個人メディアとしての8mmは既にビデオに置き換わって久しく、記録手段という意味では当然の趨勢としても、表現手段のバリエーションの一つとしては是非残して貰いたいメディアだと思う。2007年、70分。

■関連サイト
- 世界はときどき美しい 公式サイト
http://www.sekaihatokidoki.com/

January 12, 2008

山田勇男 / 『蒸発旅日記』

蒸発旅日記

つげ義春のエッセイ「貧困旅行記」をベースに山田勇男独自の美意識で制作した耽美ファンタジー。
主人公の漫画家、津部は結婚を約束したまだ見ぬファン、静子の元へと夜汽車で向かう。これから先はつげの作品を引用しつつ展開する。主演の津部に銀座吟八。女性に荒木経惟のモデルから女優となった秋桜子。美術は木村威夫。

作品がどうというよりDVDに収録された特典映像のメイキングに登場するつげ義春本人をみられるのが貴重だ。2003年、85分、ワイズ出版。

秋桜子
ちなみにこれが秋桜子をモデルにした荒木の写真集「秋桜子」。

January 11, 2008

高知県立美術館 / 石元泰博写真展 『シブヤ、シブヤ』

シブヤ、シブヤ

以前エントリした石元泰博のノーファインダーによるストリートスナップ作品「シブヤ、シブヤ」の写真展が高知県立美術館で開催されているようだ。高知は石元の故郷でもあり今回は美術館の所蔵展となっている。2008年1月9日~2月24日まで。

■関連サイト
- フォトグラファー・石元泰博の世界 高知県立美術館
http://www.kochi-bunkazaidan.or.jp/~museum/collection2007/coll_sibuya.htm

January 10, 2008

齋藤康一 / 作品展『先輩・後輩・仲間たち』

半蔵門のJCIIフォトサロンにて開催中の齋藤康一写真展、「先輩・後輩・仲間たち」を先日観に行った。
同サロンへ行くのは本当に久しぶりだ。隣のビルには日本カメラ博物館が併設されておりこちらも偶に観たい企画展があったりして気になる場所ではある。神保町からは半蔵門線で二駅と至近ではあるが、何故か足が遠のいていた。

この作品は「日本フォトコンテスト」誌に掲載されていた「先輩・後輩・仲間たち」のシリーズに同名の写真集からの作品を加えたモノクロ作品80点で構成されており、日本の著名な写真家の肖像が情景スナップとポートレイトとを並べる形式で展示されている。作品には被写体へのコメントが付されていてそれぞれの写真家との交友関係が浮き彫りとなる仕組みだ。

しかし錚々たる著名写真家を観進めながら、それぞれの写真集や作品を思い浮かべて全てを観終えるのに随分時間を掛けてしまった。普段撮る方の写真家たちが被写体となる姿にそれぞれの個性がよく出ていて流石に名人芸をみる思い。2月3日迄開催。


昭和の肖像―齋藤康一写真集

January 09, 2008

蒼穹舎がギャラリーに / 『ギャラリー/書肆蒼穹舎』

写真集の専門書店、蒼穹舎が今月2008年1月10日よりこれまでのPLACE Mから移転し、ギャラリーを併設した「ギャラリー/書肆蒼穹舎」としてリニューアルするとの報。場所はこれまでと同じ新宿1丁目内でかなり近い場所のようだ。

第1回企画展は山内道雄写真展「TOKYO」を10日より、その後沢渡朔、新倉孝雄とつづき、今年6月には原芳市と素晴らしすぎるラインナップで今から楽しみだ。

■関連サイト
- photo books sokyu-sha 蒼穹舎
http://www.sokyusha.com/

January 08, 2008

市川準 / 『トニー滝谷』

トニー滝谷 プレミアム・エディション正直なところ市川準の作品はいままで余り好きではなかった。好きではないと言うよりも、可もなく取り立てて不可もなくというのが印象だったが、とはいってもそれほど作品を観ている訳ではなく食わず嫌いと言っても良いかも知れなかったが。

村上春樹の原作になるこの作品は、全編を西島秀俊による語りで話を進める形式となっているが、その語りを俳優がセリフで引き継ぐという一風変わった演出となっている。しかし文芸作品、とりわけ村上春樹のような作家の小説を、その話を軸として映像化してもおそらく作品を読んだ人には失望させるだけだったろう。以前にも書いたが、総じて文芸作品を映画化したものは上手く行かないようだ。結局俳優のキャスティングにだけ寄りかかったような作品にとどまることが多い。この映画はそんな映像化は端から上手く行かないだろうことを知った上で、映画で「小説を読む」という演出を採ったのではないかと思うし、それはどうも成功しているようだった。

宮沢りえは可憐でこの作品には適役。13歳という歳の差の伴侶を亡くして初めて孤独というものを知る中年のデザイナーに演技巧者のイッセー尾形。音楽は坂本龍一。1995年、75分。

January 07, 2008

松井冬子 / 画集『FUYUKO MATSUI I &II』

何度かエントリに採り上げた日本画の松井冬子の画集が河出書房新社より発売されるようだ。
まだ今日現在(2008.1.7)amazonには出ていない様子。河出のサイトによると二分冊で「I」が今月2008年1月22日に、「II」は2月29日に発売となっている。
既にamazon(下記)では「Ⅰ」が発売となっており、「Ⅱ」については2008年5月16日発売予定となっている。

なお、エディシオン・トレヴィルのサイトでは既に書影が3冊出ているが、このうち2冊は上記、これ以外に「特装版 松井冬子画集」が3月上旬に発売される模様。これは上記2分冊を一冊にまとめ、普及版にない図版に著者のサイン入りとのことだ。

◆amazonで取り扱いを始めたようです。
松井冬子 一 MATSUI FUYUKO I
松井冬子 一 MATSUI FUYUKO I

松井冬子 2―MATSUI FUYUKO (2)
松井冬子 2―MATSUI FUYUKO (2)


■関連エントリ
- 月球儀通信 : 美術手帖2008年1月号 / 『特集 松井冬子』
http://azusayumi.tea-nifty.com/fragment/2007/12/20081_4856.html
- 月球儀通信 : 『夜想 第3号/特集#耽美』
http://azusayumi.tea-nifty.com/fragment/2006/05/3_51d5.html
- 月球儀通信 : メリー・冬子・マリ子、そしてレモン画翠
http://azusayumi.tea-nifty.com/fragment/2006/07/post_3d08.html
- 月球儀通信 : 甲斐庄楠音から溝口健二『雨月物語』へ
http://azusayumi.tea-nifty.com/fragment/2007/05/post_740d.html

村上仁一 / 『雲隠れ温泉行き』

雲隠れ温泉行き

相次ぐ写真賞の廃止で今や新進写真家の登竜門ともなっている「ひとつぼ展」写真部門の第16回グランプリ受賞、東京ビジュアルアーツの2007年フォトアワード大賞を受賞した村上仁一の処女写真集。青幻舎刊。

この写真集をみて少なからず衝撃を受けた。これはまるでつげ義春の描く世界そのものではないか。モノクロに焼かれた鄙びた温泉場の覚束ない光と湯煙、人物の黒いシルエットは等しく日本人が持つ記憶の原風景であり、懐かしくもほのかに怖い夢の続きをみているような気分にさせる。これに合わせて昨年Gallery Niepce、新宿ゴールデン街のギャラリーnagune等で写真展が開催された。これからの仕事に注目したい作家の一人だ。

■関連サイト
- Gallery Niepce
http://niepce-tokyo.com/
- 写真の星 
http://murakamicamera2.seesaa.net/

January 06, 2008

日本プリンター協会 / 『PRINTERS'S EXHIBITION 2008 昭和の写真家新山清のold&new』

横浜赤レンガ倉庫1号館にて「PRINTERS'S EXHIBITION 2008 昭和の写真家新山清のold&new」が2008年1月9日より開催されるようだ。主宰は日本プリンター協会。この協会は写真の暗室作業を生業とする、いわゆるプリンターの親睦、情報交換や技術向上を目指す団体(サイトによる)で、PRINTERS'S EXHIBITIONはその職業認知とプリント表現の重要性に対する啓蒙活動の一環として1997年より開催されており、今回はその第5回目の展覧会となる由。

確かにプリンターという職業はあまり知られていない。写真家の作品のオリジナルプリントも作家本人が焼くものとその指示を元にプリンターが焼く場合とがあるようだ。写真家の展覧会用のプリントなどはプリンターが請け負う場合も多いのではないかと思う。そもそも写真表現とはその入力=撮影から出力=プリントまでのトータルなものであり、モノクロ、カラーも含めて結果としての出力が重要なのは言うまでもないが、それには職人的技術の裏打ちがなければならない。

展示会では同一のネガから個々のプリンターの解釈するプリント表現を行う「テーマネガ競作」というコーナーもあるとのことで、これはいわばクラシック音楽の演奏に似ていると思う。同一の楽譜からどう表現するか、それこそがコンダクターのオリジナリティだ。同じネガから作家の意図するものとは別にプリンターの個性を表現したいわば「演奏」は非常に興味のあるところではある。

しかし最近のデジタル化の波で銀塩からデジタル出力へと時代の趨勢が変化してきていることでケミカルプリントと共に、いわゆるドライプリント、例えばインクジェット出力などの機会も増えていることだろう。作家は撮影したデータを、従来なら暗室でコンタクトを取りストレートに焼いてからプリント表現を検討したものを、最終イメージまでをディスプレイ上で構成することになる。この流れでのプリンターの役割、立場はやはり変わって来るのではないだろうか。

しかし実際にやってみれば分かる通り、ディスプレイ上のイメージと出力物を合わせるのは至難の業だ。大体の場合、まずは意図と外れたプリントになってしまう。このためにディスプレイ上でのキャリブレーションやインク、出力メディアを含めたプロファイルでマッチングさせた上で何枚も用紙を使って試行錯誤を繰り返さなければならない。この作業にはやはり高度な専門的知識が必要になるだろう。これからは銀塩プリント技術と並んでデジタル出力から印刷までの専門的知識をさらに要求されることになるに違いない。

プリンターの視点から企画された写真展は普段なかなか目にすることがなく興味を惹かれる。会場の横浜赤レンガ倉庫も趣きがあって良さそうだ。是非時間を見つけて訪れてみたい。

■関連サイト
- ■日本プリンター協会■
http://www.printer-jp.org/index.html
- 横浜赤レンガ倉庫
http://www.yokohama-akarenga.jp/

■関連エントリ
- 月球儀通信 : フィルム保存の重要性 / 日本写真保存センター
http://azusayumi.tea-nifty.com/fragment/2006/03/___976a.html
- 月球儀通信 : モノクロ印画紙の現在 / デジタル時代のモノクローム
http://azusayumi.tea-nifty.com/fragment/2005/12/___8a6b.html

January 05, 2008

大駱駝艦・麿赤兒 / 『裸の夏 THE NAKED SUMMER』

土方巽に師事し、その後唐十郎と状況劇場を立ち上げた俳優、麿赤兒が主宰する舞踏集団、大駱駝艦の合宿風景を撮ったドキュメンタリー映画。いわゆる暗黒舞踏だが、大駱駝艦では舞踏と言わず「天賦典式」と呼ぶ。
長野県白馬村で毎年行われる舞踏の合宿は大駱駝艦の団員と共に一般の希望者を募って行われるらしい。
そんな人々を追ったドキュメンタリー映画。監督は岡部憲治。2008年1月19日よりシアター・イメージフォーラムにて上映。2007年98分。

■関連サイト
- 裸の夏 THE NAKED SUMMER
http://www.hadakanonatsu.com/

■関連エントリ
- 月球儀通信 : 『美貌の青空』『土方巽 夏の嵐 』 / 土方巽 
http://azusayumi.tea-nifty.com/fragment/2004/03/__6.html
- 月球儀通信 : 大野一雄 / 生誕100年
http://azusayumi.tea-nifty.com/fragment/2006/10/post_2.html
- 月球儀通信 : ウイリアム・クライン、大野一雄、土方巽
http://azusayumi.tea-nifty.com/fragment/2006/10/post_437e.html

January 04, 2008

森山大道 / 『Daido Moriyama Retrospective Since 1965』

Daido Moriyama

昨年欧州で行われた回顧展に合わせて刊行された写真集。限定千部。装丁は横尾忠則。
内容は題名の如く65年以降の森山の代表作を網羅したもののようだ。英文、216p。

January 03, 2008

平山秀幸 / 『しゃべれども しゃべれども』

しゃべれども しゃべれども 特別版 (初回限定生産2枚組) 「ロビンソンの庭」 (1987年)、「マリアの胃袋」(1990年)の平山秀幸の最新作。TOKIOの国分太一、「恋空」 (2007年) 「輪廻」 (2005年)の香里奈主演の落語を題材にほのかな恋情を描く佳作。国分は二つ目の噺家でその師匠は伊東四朗、祖母に八千草薫、口下手な野球解説者に松重豊。

以前のエントリでも触れたけれど、この映画の出来不出来は別として、脇役ながら松重の存在感がとりわけ際立つ作品で嬉しくなってしまった。国分のセリフ回しは今ひとつ本当の落語家という感じになりきれずに、ぶっきらぼうな調子に留意しつつ演じましたという感じが出てしまっているし、大御所噺家役の筈の伊東も噺が余り上手くないのが惜しい。勿論本物ではないのだから仕方がないとしても、それらが返って八千草や松重の力量を際立たせることになったのは怪我の功名かもしれない。

松重はその風貌からチンピラやアンダーグラウンドの役柄が多かったが、「血と骨」(2004年)辺りから小生のなかではその存在感が増してきて、主役というよりこんな性格設定の役柄も含め脇役としてその幅を広げて行くことを期待。

香里奈もそういえば「海猿」(2004年)、「輪廻」にも出ていて考えてみると結構出演作を観ていたものの影が薄いというのかあまり印象に残っていなかったが、本作では自己表現と対人関係の不得手な女性像をなかなか良く演じていて悪くない。

これを観ながら、しばらく行っていない末廣亭や鈴本辺りへ行きたくなってしまった。ほか配役に「バッシング」 (2005年)の占部房子など。2007年、103分。

January 02, 2008

2007年度 極私的邦画ベスト

何年前だか知らないが、おせちもいいけどカレーもね、というCMの惹句がふと頭に浮かんで無性に食べたくなり、ある筈のレトルトカレーを捜したがついに見つからず、代わりにカップ麺のカレーうどんを食べた。思えばカップ麺ばかり食べているような気がするが、ものの本によるとカップのような樹脂にはいわゆる環境ホルモンが含まれていて継続して摂るのは余り良くないらしい。食べるならドンブリに移してお湯だけを入れ麺がほぐれたら一旦お湯をこぼし再び湯を張ってスープを入れるのが良いと。この茹でこぼしは麺に含まれるリン酸塩を抜くというとらしい。鍋で茹でるインスタント麺も然り、茹でこぼして湯切りをするのが良いらしいが、しかしこれまで何食のカップ麺を食べたことか。そのせいか近頃心なしか胸が膨らんできたような気がする(嘘)。

インスタント麺もよく見るとフライ麺とノンフライ麺ではカロリーが全然違うことに気付いてから出来るだけノンフライを選んでいるが、同様に近頃の食の不安から産地も気にするようになった。お茶なども国産ではあっても無農薬ではないものは一煎目は捨てるとか、野菜も皮を厚く剥き、茹でこぼすなどという自衛策を取るに越したことはない、などとこのエントリも含めた素性の知れない噂の類に右往左往する時代なのが悲しい、などと思いながら食べるカレーうどんは結構美味しかった。

と枕が(しかも全然関係ない話)長くなったが、2007年度の邦画ベストを。古い映画ばかり観ているので2007年の新作が全然入っていないのがご愛敬。

■1位 松井良彦 「追悼のざわめき」(1988年、2007年、150分、16mmモノクロ)
年末にみたこの作品が滑り込みの1位獲得。内容は昨日のエントリをご参照ください。
- http://azusayumi.tea-nifty.com/fragment/2008/01/2007_398e.html

■2位 中村高寛 「ヨコハマメリー」(2005年、92分)
良質なドキュメンタリー映画にはなかなか出会えないが、これは数少ないものの内の一つ。その後、テレビ神奈川でオンエアしたのをビデオで録画したが、アイロン掛け中になんとブレーカが落ちて残りの30分が飛んだ。貧乏ここに極まれり。でもまた観たくなったら借りればいいか。
- http://azusayumi.tea-nifty.com/fragment/2007/03/post_6099.html

■3位 山下敦弘 「松ヶ根乱射事件」(2006年、112分)
この才気を感じさせる間が秀逸。今後の山下監督に期待大。
- http://azusayumi.tea-nifty.com/fragment/2007/10/post_2884.html

■4位 大森立嗣 「ゲルマニウムの夜」(2005年、117分)
3位とならんでまたまた新井浩文が。文芸小説を原作とした映画は殆ど駄作となる定説を覆した一作。
- http://azusayumi.tea-nifty.com/fragment/2007/01/post_7074.html

■5位 山下耕作 「女渡世人 おたの申します」(1971年、103分)
ラピュタ阿佐ヶ谷で観たこの作品から2007年は「緋牡丹博徒シリーズ」で明け暮れる一年に。
- http://azusayumi.tea-nifty.com/fragment/2007/08/post_915a.html

■番外編
- 増村保造 「新・兵隊やくざ 火線」 兵隊やくざシリーズをやっとコンプリートした感慨深い一作だったが、その期待のハズレ方も尋常ではなかった。さすが勝新、何事もダイナミック過ぎです。


昨年は余り映画を観られなかった一年だった。ひと頃、年間180本ほども観ている年もあったが、時間的余裕がないとなかなか難しい。仕事帰りのレイトショーなど映画といえども体力も必要で(笑)、最近はなかなか続かないのが残念。

January 01, 2008

松井良彦 / 『追悼のざわめき』

初回限定生産 追悼のざわめき デジタルリマスター版 スペシャル・エディション(3枚組)この作品は伝説のカルトムービーと形容されることが多いがそれは多分当たっていない。インモラルや衝撃を描くのは簡単だ。ただケレン味を並べればいいだけのことでそんな映画は掃いて捨てるほど存在するし、既に描き尽くされた凡庸な主題には見る側が慣れてしまっている。しかしこの映画は全くの別格だ。この吐き気を催すような主題には必然というものがある。実は映画の必然性というのは非常に大事で、それがシリアスなものであれ、コメディであれ、そこに描かれるものに止むに止まれぬ必然が無ければならない。その表現への欲望に取り憑かれた松井がその内容から映画の撮影を何度も中断し、配役や配給が降りても石にしがみつく思いで完成させたというこの作品は、聖性と背反の美しいファンタジーにまで昇華したものとなった。

物語は並行しそれぞれが擦過する。大阪のドヤ街、炎天下の釜が崎を舞台に、マネキンと愛の生活を送る男、石川(佐野和宏)、女の股に見立てた木の切り株を引きずり石川がマネキンに仕込んだガラスで陰部を負傷する浮浪者(大須賀勇)、こんな体で男を知らないでいるのは不憫との母の遺言から年に一度仏壇の前で妹を抱く小人症の兄妹、石川に襲われ復讐を遂げる盲目の傷痍軍人、妹を抱きその破瓜の夥しい血に息絶える妹をついには食べてしまう美しい兄、そこで語られるのは暴力と差別、近親相姦、ピグマリオニズム、カニバリズム等など魂の暗部をえぐられるかのような主題ばかりだ。しかしこれらを突き詰めたところに不意に立ち現れるのは聖性と救済なのだった。これは一体何だろうか。

驚くべきは、その撮影手法にも及ぶ。ドヤ街のビル屋上でマネキンの腹から小人症の妹(仲井まみ子)が胎児を取り出し、憎悪を以てそれを握りつぶしてついには火を付けるシーン、屋上は濛々たる煙が立ち上り警察や消防隊が駆けつける。彼らは演技ではなく実は本物の警察や消防隊で、それらが実際に来るであろうことを台本に予定して撮影されたものだ。
おそらく仲井が胎児を手に学校の校庭をうろつき、それを見て生徒が逃げまどうシーンもこうしたハプニング的手法を取っていると思う。

以前からこの作品を観たいと思っていたが結局観られずにいた。
昨年、当時の映像に「ワダツミの木」の上田現の音楽などを加えたデジタルリマスター版がイメージフォーラムで上映されたもののこれにも行けなかったが、先日DVD化され漸く観ることが出来た。間違いなく2007年度の極私的ベスト1になるものと思う。

YOU TUBEにトレイラーがアップされているのを発見したので、しばらく貼っておきます。1988年、2007年、150分、16mm。

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明けましておめでとうございます

という題名のエントリでブログ界は埋め尽くされていると思うのだけれど、取りあえず新年のご挨拶を。

今年も写真集、写真の周辺と日本映画を中心にエントリしていきたいと思ってはいるが、そうはいっても結局のところおもいつきに終始しそうな予感もあって、これはこれで良いかと思っている。
いっそのことブログ名を思いつきに掛けて月球儀の月の連想で「想い月」などと変えてみようかとおもったりしたのだが、検索してみるとこの名前のサイトが結構あって、皆考えることは同じと思った次第。

元旦の今朝、早朝に普段しもしない散歩をしてみたのだが、道に人の髪の毛がごっそり落ちているのをみてギョっとした。新年早々かなりホラー的出だしだが、よく見るとエクステだった。多分、年末の飲み会かなにかで酔って落としたんだろうと思うが、そういえば昨年みた園子温監督、栗山千明主演の映画「エクステ」ではこの髪の束がエライことになるホラー映画だった。この映画、主演は栗山千明だが実は大杉漣が主演と言っても良いホラー&コメディ。なんと言っても髪の毛を偏愛する大杉が「ヘアー、ヘアー、マイヘアーヘアーっ」などとテーマソングまで歌ってしまうという園テイスト満載な映画で、人によっては馬鹿馬鹿しくて映画館を退場してしまうかも知れない勢いだったが、特撮のプアさ(手作り感ともいう)と相俟ってぴあフイルムフェスティバル的ないわばアマチュア精神の出た感じがなかなか良かった。コピーも「恐怖爆髪」ですから。

栗山千明といえば、昨年末の三連休中に再放送されたNHKドラマ「ハゲタカ」全6話は秀逸だった。
ファンド、銀行などのTOBやM&Aを現実世界さながらにその罪と罰を描くドラマ。栗山は銀行の貸し渋りから父親を失ったテレビキャスターの役柄。思わず引き込まれる硬派なドラマで、既にDVDが出ているのでこの正月休みにご興味のある方には是非おすすめ。

硬派といえばフジテレビ系で放送中の「SP(エスピー)」は毎回見ているが、なかでも真木よう子の演ずる女性SPがなかなかクールでいい。それで彼女の主演映画「ベロニカは死ぬことにした」を借りてみたが、近頃これほどの凡作は無いというのが失礼ではあるが正直な感想。映画館では確実に睡眠もしくは途中退席していたと思う。おそらく演出と脚本が原因とは思うが劇団の新人発表会のようで残念。

それでは本年もどうかよろしくお願い申し上げます。

エクステ ハゲタカ DVD-BOX ベロニカは死ぬことにした

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  • Gangs of Kabukicho.
    渡辺克巳

    097154803X
    新潮社フォトミュゼの「新宿」が絶版となっているなかで最近刊行された渡辺克巳の最新写真集。洋書。



    先般亡くなった路上の写真家、渡辺克巳の写真集。インサイダーとして夜の新宿を流した彼の生の証はその写された人々と共に永く記憶されるべき。


    ジャパン
    倉田 精二
    4106024330
    渡辺克巳とくれば倉田精二を挙げずにはいられない。日本のウィージーと言われたストリートフォトの神髄。都市の殺伐と虚像をこれほど表現した写真はない。

    にっぽん劇場写真帖
    寺山 修司・森山大道
    4106024187
    寺山と森山のコラボレーションは「あゝ、荒野」以前にもこの作品で既に成就していた。68年刊のこの作品は強烈なコントラストとイメージで時代を色濃く表現している。腰巻きの惹句「奇才ふたりが火花を散らすイメージ地獄巡り」も凄いが、天井桟敷率いる寺山へぶつける森山の渾身の「返歌」が熱い。中平卓馬がカメラを構える有名なショットもあり。これを見ずに森山は語れない。


    奈良原の写真は既に絶版になった朝日新聞社の「昭和写真全仕事」を所有しているが、トラピスト修道院に取材した「沈黙の国」「人間の土地」「消滅した時間」などパースを駆使した知的で静謐な写真は独特の美。「無国籍地」は廃墟をモチーフにした写真集。その圧倒的な画面の構成美を。

    Cui Cui
    川内 倫子
    4902943026
    川内の作品は柔らかい光と深度の浅いクローズアップなどを多用して日常の「合い間」を独特の色調で表現している。小生の勝手な感覚ではあるが彼女の作品にはどこか「彼岸の匂い」のようなものが感じられてならない。明るく静かな日常。ふと視線を外して見上げる窓の外の空。こよないものたちの空間。この作品は家族の何気ない日常をテーマとした写真集。なぜだろう、頁をめくってゆくたびに胸が詰まってくるのは。


    この間東京都写真美術館で行われた回顧展で再び植田の仕事が再評価されている。砂丘シリーズに代表されるこのモダニズムはいつまでも古びない。

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