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October 08, 2007

藤井謙二郎 / 『甲野善紀身体操作術』

甲野善紀身体操作術 (アップリンクDVD選書)

ついこの間、東京駅の中央線ホームで武術家の甲野善紀氏をお見かけした。袴姿に日本刀と思しき袋を手に小生のすぐ横にすっと立っておられて新宿で降りられるまでをご一緒したのだが、小生、失礼ながらつい気になってちらちらと見てしまいご迷惑をお掛け致しました。決してあやしいものでも曲者でもありませんので。

で、お見かけしたからというわけでもないが、甲野を追ったドキュメンタリー映画、藤井謙二郎監督「甲野善紀身体操作術」をamazonで購入した。

甲野は古武術家であるがその理論の応用範囲は広く、野球、ラグビーなどのスポーツを始めとして音楽、介護の現場などにも活用されている。小生は、随分前に光文社カッパブックス「古武術の発見」を読んで文字通り目から鱗が落ちる思いをして以来注目していたが、体のネジリや溜めといういわば西欧的教育によって身につけた身体的価値観を否定するという理論は驚くべきものだった。手と足を交互に出して歩くという当たり前で無意識に行っている動作も実はその流れで行っていることを気づかせてくれる。手と足を同時に前に出し体を捻らずに歩くナンバ歩きや井桁理論などが有名であり、それらもたゆまぬ精進で日々深化しているという学究的な姿勢が素晴らしい。

映画では、甲野の術にあっけに取られる様々な分野の人々の姿が印象的で少々滑稽でさえある。
しかし、その技、理論を説明する甲野の言葉はわかりにくい。多分どう説明してもロゴスとしての言葉は身体言語とは相容れないものなのだろうと思う。これは体験しなければ伺い知れない世界だろう。

YOU TUBEではかなりの数の動画がアップされていて見るほどに驚きを禁じ得ないが、この映画の予告編を見るだけでも凄い。ブックレットに本編と同じ程の時間の特典映像つき。2006年90分、アップリンク。


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    渡辺克巳

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    新潮社フォトミュゼの「新宿」が絶版となっているなかで最近刊行された渡辺克巳の最新写真集。洋書。



    先般亡くなった路上の写真家、渡辺克巳の写真集。インサイダーとして夜の新宿を流した彼の生の証はその写された人々と共に永く記憶されるべき。


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    渡辺克巳とくれば倉田精二を挙げずにはいられない。日本のウィージーと言われたストリートフォトの神髄。都市の殺伐と虚像をこれほど表現した写真はない。

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    奈良原の写真は既に絶版になった朝日新聞社の「昭和写真全仕事」を所有しているが、トラピスト修道院に取材した「沈黙の国」「人間の土地」「消滅した時間」などパースを駆使した知的で静謐な写真は独特の美。「無国籍地」は廃墟をモチーフにした写真集。その圧倒的な画面の構成美を。

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    川内の作品は柔らかい光と深度の浅いクローズアップなどを多用して日常の「合い間」を独特の色調で表現している。小生の勝手な感覚ではあるが彼女の作品にはどこか「彼岸の匂い」のようなものが感じられてならない。明るく静かな日常。ふと視線を外して見上げる窓の外の空。こよないものたちの空間。この作品は家族の何気ない日常をテーマとした写真集。なぜだろう、頁をめくってゆくたびに胸が詰まってくるのは。


    この間東京都写真美術館で行われた回顧展で再び植田の仕事が再評価されている。砂丘シリーズに代表されるこのモダニズムはいつまでも古びない。

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