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August 08, 2007

藤純子 / 『女渡世人 おたの申します 』

あまりに暑いので仕事へ行くのをあっさりやめて阿佐ヶ谷のラピュタに山下耕作監督「女渡世人 おたの申します」(71年、東映京都)を観に行った。これは今ラピュタで「昭和の銀幕に輝くヒロインシリーズ」第35弾、藤純子特集で特集されているモーニングショーだ。しかし藤純子の映画を観るのは本当に久しぶり。

しかしなんというか、勿論当時この女渡世人や緋牡丹博徒などを小学生の小生がリアルタイムで観ている筈もなく、藤純子といえば「3時のあなた」の司会とか家族で出ていた歯磨きのCMなどのイメージだったわけだけれど、この女博徒の底知れない迫力と美しさの陰翳が当時の人気を思わせるに十分な作品だ。ただ、話の筋に少々無理があってどうかとは思うが、実はそんなことは些末なことであって、むしろ藤の立ち居振る舞い、視線や表情こそが主題の全てだと言ってしまおう。

冒頭、題名が現れる前にスタジオで藤一人、仁義を切るシーンがいかにも東映やくざ映画らしくて嬉しくなってしまう。これがその後「仁義なき戦い」などの路線に繋がってくるのだけれど、小生、舞台を戦後に移した任侠映画は大嫌いで観たくもないのだが、この頃の明治・大正期が時代設定の作品なら割と好きなのだから難しい(笑)。

要は例え任侠映画とはいえそこにいわば「様式美」が存在するかどうかがまさしく小生にとっては映画の出来不出来の分かれ目なのであって、リアルな暴力描写は迫力はありこそすれ、そんなものは底の浅さにしかならないと思うわけだ。そういう意味では、70年代初期辺りがその端境期かもしれない。

藤岡重慶や遠藤辰雄など定番の悪役もそのあくどさが分かりやすいし、縁ある登場人物が殆ど理不尽に殺されてしまうような救いのない展開に、待田京介と菅原文太の確執がからんで上州小政(藤)の怒りが爆発、長ドス片手に斬って斬って斬りまくる、いよっ、姐さん、カッコイイ!(今日仕事休んでます・・・)
71年当時、藤純子は26歳。ほか「ハヤシもあるでよー」の南利明の名古屋弁が懐かしい。まだほんの端役ででている川谷拓三や三原葉子が旅館の下女役で出ているのもおかしいような。ほか島田省吾、三益愛子など。

劇中、藤の名前が太田まさ子でここから上州小政と呼ばれる設定なのだけれど、このオオタマサコはなんと梶芽衣子の本名(太田雅子)と同じなのは偶然なのだろうか。(多分偶然。)

藤純子はいま富司純子と改名しているが、娘は女優の寺島しのぶ、その弟は最近封切りされた映画「怪談」で主演の五代目尾上菊之助。しかし寺島しのぶはお母さんに全然似てないですね。

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