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July 24, 2007

若尾文子と田宮二郎 / 『祇園囃子』と『悪名無敵』

溝口健二監督の「祇園囃子」と勝新、田宮二郎の「悪名無敵」を観た。

「祇園囃子」は川口松太郎原作で京の舞妓といういかにも溝口の美学が発揮されそうな世界をモチーフにしている。主演はこの間観た「温泉女医」で主演の女医を演じた若尾文子でまだ二十歳前、役柄は舞妓の半玉で16歳の設定とあどけない感じだが、セリフ回しがいやに大人っぽくて、観ているうちに気がついたのだけれど、もともとそれほどの美形ではない若尾がいかにも美人らしい感じがするのは、この声と話し方なのではないかと。

で、若尾を舞妓にする姉さんに小暮実千代、置屋の女将に浪速千栄子、ほか菅井一郎、河津清三郎ほか。浪速といえばオロナイン軟膏なんだけれど、古いコマーシャルといえば「手と足に、プリティ」のメロディーとか、詰まった煙突の「便秘にサラリン」、黒子さんと白子さんの「ロゼット洗顔パスタ」とか、この辺りが自分のなかでは最も古いCMの記憶なのではないかと思う。いや本当にそうかどうかもう分からなくなっているが、やけに鮮明なんですよね。

田宮二郎、壮絶!―いざ帰りなん、映画黄金の刻へ八尾の朝吉と「モートルの貞」の「悪名」シリーズは以前何度かエントリしたのだけれど、小生にとって田宮二郎は「白い巨塔」の財前五郎とか、それ以上にクイズ番組「タイムショック」の司会のイメージで、そのハードボイルドで劇画調の風貌が今になって観るモートルの貞という軽い役柄にはどうも合ってないような気がする。「梅にウグイス、松に竹、朝吉にモートルの貞とはわいらのこっちゃ。」などとしゃべりまくるキャラクタは、小生の思いこみかも知れないがかなり本人も無理をしていたのではないかと思う。しかしこのシリーズの抜擢で田宮の名が売れることになる。

その後、大映と揉めいわば「干され」てからテレビへと活躍の場を移すが、「白い巨塔」がまだ放映中に猟銃自殺を遂げたのはショックだった。当時小生はまだ中学生だったが、学校では銃身の長い猟銃でどうやって自分に向かって引き金を引くのかなどということが話題になったりした。

76年放映のテレビドラマ「高原へいらっしゃい」での好演も記憶に残っている。このドラマは閑古鳥の鳴くペンションを一流ホテルに仕立て上げるまでの人間模様を描いた作品で田宮は支配人役。いまリメイクしても十分面白いのではないかと思う。

ちなみに田宮の次男で俳優の田宮五郎はネットで画像を検索してみるとお父さんにそっくりだ。
最近、田宮の評伝「田宮二郎、壮絶!―いざ帰りなん、映画黄金の刻へ」(写真上)が出版されていてちょっと読んでみたい気にさせる。

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    渡辺克巳

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    新潮社フォトミュゼの「新宿」が絶版となっているなかで最近刊行された渡辺克巳の最新写真集。洋書。



    先般亡くなった路上の写真家、渡辺克巳の写真集。インサイダーとして夜の新宿を流した彼の生の証はその写された人々と共に永く記憶されるべき。


    ジャパン
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    渡辺克巳とくれば倉田精二を挙げずにはいられない。日本のウィージーと言われたストリートフォトの神髄。都市の殺伐と虚像をこれほど表現した写真はない。

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    寺山と森山のコラボレーションは「あゝ、荒野」以前にもこの作品で既に成就していた。68年刊のこの作品は強烈なコントラストとイメージで時代を色濃く表現している。腰巻きの惹句「奇才ふたりが火花を散らすイメージ地獄巡り」も凄いが、天井桟敷率いる寺山へぶつける森山の渾身の「返歌」が熱い。中平卓馬がカメラを構える有名なショットもあり。これを見ずに森山は語れない。


    奈良原の写真は既に絶版になった朝日新聞社の「昭和写真全仕事」を所有しているが、トラピスト修道院に取材した「沈黙の国」「人間の土地」「消滅した時間」などパースを駆使した知的で静謐な写真は独特の美。「無国籍地」は廃墟をモチーフにした写真集。その圧倒的な画面の構成美を。

    Cui Cui
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    川内の作品は柔らかい光と深度の浅いクローズアップなどを多用して日常の「合い間」を独特の色調で表現している。小生の勝手な感覚ではあるが彼女の作品にはどこか「彼岸の匂い」のようなものが感じられてならない。明るく静かな日常。ふと視線を外して見上げる窓の外の空。こよないものたちの空間。この作品は家族の何気ない日常をテーマとした写真集。なぜだろう、頁をめくってゆくたびに胸が詰まってくるのは。


    この間東京都写真美術館で行われた回顧展で再び植田の仕事が再評価されている。砂丘シリーズに代表されるこのモダニズムはいつまでも古びない。

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