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July 13, 2007

『エメラルド・カウボーイ』と『あたえられるか否か』

エメラルド・カウボーイなかなか更新が出来ない最近ではあるのだけれど、それでもない時間をひねり出していくつか映画を観た。結果的に普段足りない睡眠時間が余計に少なくなって、どちらも濃ーいおじさまが出演するこの二作品ならなおさらのこと睡眠不足に拍車がかかりそう。

「エメラルド・カウボーイ」は南米コロンビアでエメラルドの仲買人から現在ではかの地でエメラルド王と呼ばれるまでになった早田英志が自らメガホンを取り半生を映画化した作品。前半は俳優をたてて会社を興すまでを、後半からは本人が登場して労働争議や娘の誘拐未遂などを絡めて描く波瀾万丈を制作費にも(おそらく)糸目を付けず制作したいわば究極の「自分映画」。

この早田役の俳優はどうみてもコロンビア人にしか見えないのに日本人という設定なのが痛痒いような。無理矢理日本人なのだ、と自分を思いこませつつ観るほかないが(もう深夜一時・・・)、あとで登場するご本人は北野武の母親にそっくりだなどと、どうでもいいことに気がついた。

しかし、この映画を観る限りコロンビアという国は危険極まりないところだ。早田の周りには常時幾人ものボディガードが張り付き、本人も銃を携帯して常に一触即発の世界。ゲリラ、要人誘拐、麻薬取引などが日常茶飯に起こる危なすぎるこの国で異邦人が成功して行くというセミ・ドキュメント風ドラマなのだが、DVDに特典映像として収録されている、撮影時に常に山岳ゲリラの危険と隣り合わせのメイキングのほうがリアルで面白いと言ったら撃たれるかも。2002年123分。

****

「あたえられるか否か」は徳川埋蔵金を求めて親子三代、120年にわたる執念を受け継ぐ水野家当主、水野智之を追ったドキュメンタリー。随分前にテレビのスペシャル番組で糸井重里などが出演していたのを覚えていてつい借りた。水野の延々とした語りに見え隠れする血で継承された執念のおどろおどろしさ、埋蔵金に取り憑かれて水野のもとを訪れる人々の奇怪さがこの映画の見所だ。

ドキュメンタリー作品としてはもう少し掘り下げ方があったのではと思うが、テレビで扱うようなセンセーショナルな方向というより、むしろ淡々とした視線を選んでいるのは映画作品としては間違ってはいないと思う。しかし例えば埋蔵品に取り憑かれて既に現実と妄想の狭間を彷徨い始めたかのような人々の周辺を同時並行的に描いたならば作品に厚みがでたのではと思う。作中、自説を信ずるあまり山中の石の単なる模様に本来無い見えない文字を見いだすシーンには背筋が寒くなった。この人についての周辺を是非観てみたいと観客としては思ってしまうのだが。2006年82分。両作ともアップリンク配給。

■関連サイト
- エメラルド・カウボーイ
http://www.uplink.co.jp/emerald/
- 徳川埋蔵金120年目の挑戦「あたえられるか否か」
http://wireworks.jp/maizokin/

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    渡辺克巳

    097154803X
    新潮社フォトミュゼの「新宿」が絶版となっているなかで最近刊行された渡辺克巳の最新写真集。洋書。



    先般亡くなった路上の写真家、渡辺克巳の写真集。インサイダーとして夜の新宿を流した彼の生の証はその写された人々と共に永く記憶されるべき。


    ジャパン
    倉田 精二
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    渡辺克巳とくれば倉田精二を挙げずにはいられない。日本のウィージーと言われたストリートフォトの神髄。都市の殺伐と虚像をこれほど表現した写真はない。

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    寺山と森山のコラボレーションは「あゝ、荒野」以前にもこの作品で既に成就していた。68年刊のこの作品は強烈なコントラストとイメージで時代を色濃く表現している。腰巻きの惹句「奇才ふたりが火花を散らすイメージ地獄巡り」も凄いが、天井桟敷率いる寺山へぶつける森山の渾身の「返歌」が熱い。中平卓馬がカメラを構える有名なショットもあり。これを見ずに森山は語れない。


    奈良原の写真は既に絶版になった朝日新聞社の「昭和写真全仕事」を所有しているが、トラピスト修道院に取材した「沈黙の国」「人間の土地」「消滅した時間」などパースを駆使した知的で静謐な写真は独特の美。「無国籍地」は廃墟をモチーフにした写真集。その圧倒的な画面の構成美を。

    Cui Cui
    川内 倫子
    4902943026
    川内の作品は柔らかい光と深度の浅いクローズアップなどを多用して日常の「合い間」を独特の色調で表現している。小生の勝手な感覚ではあるが彼女の作品にはどこか「彼岸の匂い」のようなものが感じられてならない。明るく静かな日常。ふと視線を外して見上げる窓の外の空。こよないものたちの空間。この作品は家族の何気ない日常をテーマとした写真集。なぜだろう、頁をめくってゆくたびに胸が詰まってくるのは。


    この間東京都写真美術館で行われた回顧展で再び植田の仕事が再評価されている。砂丘シリーズに代表されるこのモダニズムはいつまでも古びない。

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