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July 30, 2007

柴錬、丸珠、池玲子

仕事で出る酒席ほど疲れるものはない。

殊に最近は自分でも呆れるほどあからさまに堪え性がなくなって来ているので、内心どうでもよいお偉い方々の自慢話をさも興味深そうに相槌を打ったり、興味がないことを悟られまいと時折こちらから質問したり、全然意味のない言い替えをしてちゃんと聞いてるし理解もしているのよとアピールしたりするサービスも30分が限度。それ以上は相槌を打ちながら全然違うことを考えていたりする。これは図らずも人格の乖離が起きているのか、それとも霊媒体質のなせるわざ?そんなわけないが、この間も出そうになるあくびを噛み殺しながら、「あのプロジェクトは私一人でやったようなものですよ。」「へぇ、凄いですねぇ。へぇぇ。」などと連発しつつ、(丸川珠代ってよく考えてみると、丸に珠ってまんまるづくしな名前だな、。丸川という名字に珠代と続けた親は余程娘が太らないという自信があったのか?!)などと考えていたが。

そこから、この間エントリした丸井太郎の「図々しい奴」に連想が進んだのは無理からぬ話で、そういえば柴錬のこの作品が読みたくなって図書館や古書店を探したものの一つも見つからないのはどうした訳だろう、いつもはゴロゴロしているような本なのに、探すと逃げてゆくなんて、まるで蜃気楼のよう、などとさらにトリップしつつ、その後阿佐ヶ谷で観た池玲子のデビュー作、「温泉みみず芸者」(しかしなんちゅう題名か。内容もトンでますが。)に来ていたナイスミドルのおばさまのグループは、この映画がどんな作品か分かって来ているのか、偶々懐かしい映画をあてもなく観に来たつもりがみみず芸者に当たってしまったのか、などと考えているうちに、誰かの「お開き」の声を聞いて、俄然元気が出る自分だった。

しかし酒席で他人の話を聞かず自分の話ばかりするジジイこそブログをやれと言いたい。と言ってみたがそれはまるで自分のことじゃないかと思い至った次第。どうもスミマセン。

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    渡辺克巳

    097154803X
    新潮社フォトミュゼの「新宿」が絶版となっているなかで最近刊行された渡辺克巳の最新写真集。洋書。



    先般亡くなった路上の写真家、渡辺克巳の写真集。インサイダーとして夜の新宿を流した彼の生の証はその写された人々と共に永く記憶されるべき。


    ジャパン
    倉田 精二
    4106024330
    渡辺克巳とくれば倉田精二を挙げずにはいられない。日本のウィージーと言われたストリートフォトの神髄。都市の殺伐と虚像をこれほど表現した写真はない。

    にっぽん劇場写真帖
    寺山 修司・森山大道
    4106024187
    寺山と森山のコラボレーションは「あゝ、荒野」以前にもこの作品で既に成就していた。68年刊のこの作品は強烈なコントラストとイメージで時代を色濃く表現している。腰巻きの惹句「奇才ふたりが火花を散らすイメージ地獄巡り」も凄いが、天井桟敷率いる寺山へぶつける森山の渾身の「返歌」が熱い。中平卓馬がカメラを構える有名なショットもあり。これを見ずに森山は語れない。


    奈良原の写真は既に絶版になった朝日新聞社の「昭和写真全仕事」を所有しているが、トラピスト修道院に取材した「沈黙の国」「人間の土地」「消滅した時間」などパースを駆使した知的で静謐な写真は独特の美。「無国籍地」は廃墟をモチーフにした写真集。その圧倒的な画面の構成美を。

    Cui Cui
    川内 倫子
    4902943026
    川内の作品は柔らかい光と深度の浅いクローズアップなどを多用して日常の「合い間」を独特の色調で表現している。小生の勝手な感覚ではあるが彼女の作品にはどこか「彼岸の匂い」のようなものが感じられてならない。明るく静かな日常。ふと視線を外して見上げる窓の外の空。こよないものたちの空間。この作品は家族の何気ない日常をテーマとした写真集。なぜだろう、頁をめくってゆくたびに胸が詰まってくるのは。


    この間東京都写真美術館で行われた回顧展で再び植田の仕事が再評価されている。砂丘シリーズに代表されるこのモダニズムはいつまでも古びない。

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