Flickr


  • www.flickr.com

exhibition

« June 2007 | Main | August 2007 »

19 posts from July 2007

July 30, 2007

柴錬、丸珠、池玲子

仕事で出る酒席ほど疲れるものはない。

殊に最近は自分でも呆れるほどあからさまに堪え性がなくなって来ているので、内心どうでもよいお偉い方々の自慢話をさも興味深そうに相槌を打ったり、興味がないことを悟られまいと時折こちらから質問したり、全然意味のない言い替えをしてちゃんと聞いてるし理解もしているのよとアピールしたりするサービスも30分が限度。それ以上は相槌を打ちながら全然違うことを考えていたりする。これは図らずも人格の乖離が起きているのか、それとも霊媒体質のなせるわざ?そんなわけないが、この間も出そうになるあくびを噛み殺しながら、「あのプロジェクトは私一人でやったようなものですよ。」「へぇ、凄いですねぇ。へぇぇ。」などと連発しつつ、(丸川珠代ってよく考えてみると、丸に珠ってまんまるづくしな名前だな、。丸川という名字に珠代と続けた親は余程娘が太らないという自信があったのか?!)などと考えていたが。

そこから、この間エントリした丸井太郎の「図々しい奴」に連想が進んだのは無理からぬ話で、そういえば柴錬のこの作品が読みたくなって図書館や古書店を探したものの一つも見つからないのはどうした訳だろう、いつもはゴロゴロしているような本なのに、探すと逃げてゆくなんて、まるで蜃気楼のよう、などとさらにトリップしつつ、その後阿佐ヶ谷で観た池玲子のデビュー作、「温泉みみず芸者」(しかしなんちゅう題名か。内容もトンでますが。)に来ていたナイスミドルのおばさまのグループは、この映画がどんな作品か分かって来ているのか、偶々懐かしい映画をあてもなく観に来たつもりがみみず芸者に当たってしまったのか、などと考えているうちに、誰かの「お開き」の声を聞いて、俄然元気が出る自分だった。

しかし酒席で他人の話を聞かず自分の話ばかりするジジイこそブログをやれと言いたい。と言ってみたがそれはまるで自分のことじゃないかと思い至った次第。どうもスミマセン。

July 29, 2007

『細江英公写真芸術研究所』をリンクに追加

先日オープンしたばかりのサイト、「細江英公写真芸術研究所」のリンクをサイドバーの写真関連リンクに追加しました。

まだ公開したばかりでコンテンツはこれからのようですが、作品や著書のインデックスなどが充実することを期待。
業務連絡でした。

『追悼のざわめき』がイメージフォーラムで上映

賛否両論、背徳と狂気の寓話、カルト中のカルトと言われた伝説の映画「追悼のざわめき」(松井良彦監督)がシアターイメージフォーラムにて上映される。

88年公開のオリジナルをデジタルリマスターし、「ワダツミの木」の上田現が音楽を加えた追加クレジットのリマスター版として新たに公開とのこと。

今はなき中野武蔵野ホールでのレイトショー上映も何度か行こうと思いながら果たせなかったが、今度こそはトラウマ覚悟で行ってみたい。

シアター・イメージフォーラムにて2007年9月1日よりレイトショー上映。

■関連サイト
- 映画 『追悼のざわめき』 公式サイト
http://www.tsuitounozawameki.net/
- イメージフォーラム・ダゲレオ出版/シアター・イメージフォーラム
http://www.imageforum.co.jp/theatre/index.html

細江英公 / 『死の灰―細江英公人間写真集』

死の灰―細江英公人間写真集

細江英公の最新写真集。ポンペイ、アウシュビッツからトリニティ・サイト、ヒロシマへと四都市を移動しながら天災による死から核という人為的な死へと視点を導く構成となっている。

しかし、テーマもさることながら画面の構成美に圧倒される思い。

青山ブックセンター本店で刊行記念トークショーとサイン会が開催されるようだ。

- 青山ブックセンター:細江英公人間写真集『死の灰』刊行記念
  細江英公トークショー&サイン会
http://www.aoyamabc.co.jp/10/10_200708/0784.html

July 28, 2007

森山大道 / 『ハワイ』

森山大道の写真集「ハワイ」が月曜社から7月30日に刊行される。
一部の書店には内容見本が置かれていて手に取ったが、ハワイという一般的なイメージは既に森山の世界観に絡め取られてデモーニッシュなものへと変貌している。なぜハワイなのか。このイメージの対照は強烈で深い。

森山の作品に共通する黒の滲みは暗室でのフィルターワークで生み出されていると思うが、以前真似をして引き伸ばし機のレンズにワセリンを薄く塗ったフィルターを置いて試してみたことがある。どうも印画紙の号数を上げないとその効果が出ないようで、つまりコントラストが低いとただ汚くなってしまうのだ。

森山のイメージを観る度に、それらがまるで出世の写真集「にっぽん劇場写真帖」(68年)の締めくくりに現れる胎児がずっと見つづけている覚束ない前世の記憶のようではないかといつも思う。

清澄白川のタカイシイギャラリーで昨日から同名の写真展が開催されている。

■『森山大道 「ハワイ」
会場: タカイシイギャラリー
スケジュール: 2007年07月27日 ~ 2007年08月25日
住所: 〒135-0024 東京都江東区清澄1-3-2-5F
電話: 03-5646-6050 ファックス: 03-3642-3067

■関連サイト
- 森山大道 ハワイ|月曜社
http://getsuyosha.jp/hawaii/index.html

July 26, 2007

川内倫子 / 『種を蒔く/Semear』

種を蒔く/Semear

川内倫子の最新写真集。
ブラジルの自然や人々を川内らしい視点で編んだ一冊。
川内の写真はこの独特の色のトーンがいい。
ハイライトが飛び気味の露出もなんだか懐かしいようで
一抹の孤独をも感じさせる。
ゆっくりと眺めていたい作品だ。

邦画関係リンクを

サイドバーに設置しました。
取りあえずこんなところから。
業務連絡でした。

July 24, 2007

若尾文子と田宮二郎 / 『祇園囃子』と『悪名無敵』

溝口健二監督の「祇園囃子」と勝新、田宮二郎の「悪名無敵」を観た。

「祇園囃子」は川口松太郎原作で京の舞妓といういかにも溝口の美学が発揮されそうな世界をモチーフにしている。主演はこの間観た「温泉女医」で主演の女医を演じた若尾文子でまだ二十歳前、役柄は舞妓の半玉で16歳の設定とあどけない感じだが、セリフ回しがいやに大人っぽくて、観ているうちに気がついたのだけれど、もともとそれほどの美形ではない若尾がいかにも美人らしい感じがするのは、この声と話し方なのではないかと。

で、若尾を舞妓にする姉さんに小暮実千代、置屋の女将に浪速千栄子、ほか菅井一郎、河津清三郎ほか。浪速といえばオロナイン軟膏なんだけれど、古いコマーシャルといえば「手と足に、プリティ」のメロディーとか、詰まった煙突の「便秘にサラリン」、黒子さんと白子さんの「ロゼット洗顔パスタ」とか、この辺りが自分のなかでは最も古いCMの記憶なのではないかと思う。いや本当にそうかどうかもう分からなくなっているが、やけに鮮明なんですよね。

田宮二郎、壮絶!―いざ帰りなん、映画黄金の刻へ八尾の朝吉と「モートルの貞」の「悪名」シリーズは以前何度かエントリしたのだけれど、小生にとって田宮二郎は「白い巨塔」の財前五郎とか、それ以上にクイズ番組「タイムショック」の司会のイメージで、そのハードボイルドで劇画調の風貌が今になって観るモートルの貞という軽い役柄にはどうも合ってないような気がする。「梅にウグイス、松に竹、朝吉にモートルの貞とはわいらのこっちゃ。」などとしゃべりまくるキャラクタは、小生の思いこみかも知れないがかなり本人も無理をしていたのではないかと思う。しかしこのシリーズの抜擢で田宮の名が売れることになる。

その後、大映と揉めいわば「干され」てからテレビへと活躍の場を移すが、「白い巨塔」がまだ放映中に猟銃自殺を遂げたのはショックだった。当時小生はまだ中学生だったが、学校では銃身の長い猟銃でどうやって自分に向かって引き金を引くのかなどということが話題になったりした。

76年放映のテレビドラマ「高原へいらっしゃい」での好演も記憶に残っている。このドラマは閑古鳥の鳴くペンションを一流ホテルに仕立て上げるまでの人間模様を描いた作品で田宮は支配人役。いまリメイクしても十分面白いのではないかと思う。

ちなみに田宮の次男で俳優の田宮五郎はネットで画像を検索してみるとお父さんにそっくりだ。
最近、田宮の評伝「田宮二郎、壮絶!―いざ帰りなん、映画黄金の刻へ」(写真上)が出版されていてちょっと読んでみたい気にさせる。

July 22, 2007

いましろたかし / 『デメキング 完結版』

デメキング 完結版
いましろたかしの新刊。未完だった「デメキング」の完結版で、加筆は最後の2頁分。
しかし・・・なんというオチか。引っぱりに引っぱってこのオチとはちょっと。
巻末に大西祥平との対談と浦沢直樹の解説があって、これを読みたさに購入。

■関連エントリ
- 月球儀通信 : 『いましろたかし』 / いつまでも不発な日常
http://azusayumi.tea-nifty.com/fragment/2006/01/___a86a.html

July 21, 2007

神保町『書肆アクセス』が閉店!?

いつも巡回している内澤旬子のブログ「空礫日記」の2007年7月20日の記事に、神保町すずらん通りの「書肆アクセス」がなんと11月頃を目処に閉店するという記載があり驚愕した。

あわてて書肆アクセスのサイトを見たもののまだそのような発表は見あたらなかったが、同店と関係の深い内澤の記事であれば本当のことだろうと思う。

地方出版物やミニコミなど通常の書籍流通に乗りにくい出版物の流通を担う志を持った書店であり、また個人のミニコミ、フリーペーパーなどを置かせてくれる数少ないポイントでもあった。もともとは地方・小出版流通センターの直営店で、今回の閉店は採算悪化による経営困難な状況でのやむない決断だったようだ。

最近、神保町は靖国通りに面した古書街のいわば表看板にあたる通りに書店でない店舗が増えてきている。
昔の、書店が切れ目無く立ち並ぶ風情がまるで櫛の歯が欠けていくように少しづつ崩れていることに危惧を抱いていたが、まさか書肆アクセスまでとはショックだ。

また一つ書籍文化が消えて行くような気がして残念でならない。

だれが「本」を殺すのか だれが「本」を殺すのか 延長戦

旧万世橋駅構内のパノラマ写真

この間の神保町シアターのエントリの後、万世橋駅でネットサーフするうちにこれを撮影した360度の全方位パノラマ写真を見つけた。いつも中央線で通る草の生えた万世橋駅プラットホーム跡の下にこんな世界があったなんて・・・。

すごいの一言につきます。しかしこのパノラマ写真、どうやって撮影するんだろう。

panoramas: 旧万世橋駅遺構
http://www.panorama-journey.com/panoramas/2006/03/manseibashi.html

July 19, 2007

untitled

Koshokaikan
小糠雨降る神保町(古書会館)

July 16, 2007

丸井太郎と飯田蝶子 / 『温泉女医』

先週の水曜日、小雨のなかをラピュタ阿佐ヶ谷で上映の木村恵吾監督「温泉女医」を観に行った。
ラピュタはいま「映画x温泉 湯けむり日本映画紀行」という特集をやっていて本作はその一つ。ちなみに水曜日は割引で一般が千円だ。

主演はちょうどいまなにかと話題の黒川紀章夫人、若尾文子。64年の作品だから当時31歳で、60年代らしい髪型とメイクは時代を感じさせるが、若い頃から大人っぽい雰囲気で綺麗。でも女医というよりは手だれたバーの若マダムという感じがなんとも。

話は温泉場の(伊東温泉らしい)医院に代用医師として赴任してきた若い女医を巡るコメディで、藪内医院などという名前もいかにも喜劇風。医大をでたものの医師とならず養蜂業を目指す息子に丸井太郎。父親役の菅井一郎扮する藪内医師に勘当されているが、孤児の面倒をみるなどいいお兄ちゃん振りを発揮している。温泉旅館の主に二代目中村雁治郎(中村玉緒のお父さんですね。そっくりです。ちなみに三代目中村雁治郎は扇千景の旦那で現、坂田藤十郎)。コメディらしくチョイ役で当時人気絶頂の林家三平、ミヤコ蝶々や美人女医に通い詰める魚屋の旦那に柳家金語楼などが出演。三平も金語楼もしょこたん風に言えばテラナツカシスって感じ(汗)。

普段は大映の脇役として素朴で実直な農民などを演じていた丸井太郎は本作では主演格という珍しい作品。最後は女医と結ばれるという設定でなかなかいい味を出している。

しかし、丸井は本作の3年後に自殺してしまうのだ。それを知りつつこの作品を観るのは辛い。
柴田錬三郎原作の「図々しい奴」のテレビドラマで丸井は主役として大当たりしたが、当時映画俳優とテレビ俳優の区別が厳然としてあり、映画俳優に戻らざるを得なかった丸井は大映に戻ったあとも脇役に甘んじる他なかった。
自殺はこのあたりが原因と言われているが、そういう背景で観ると丸井が主役格のこの作品は特別に感慨深い。
小生の好きな雷蔵演ずる眠狂四郎や座頭市、同じ雷蔵主演の「大菩薩峠」や「大魔神」などでも脇役ながら存在感を出していたが。享年32歳とは若すぎる。

医院の古いお手伝いさんを飯田蝶子が演じているがこれも懐かしい顔。小生のほんの子供の頃のテレビに昔からおばあさん役でよく出ていたが、たしか久世光彦脚本の「時間ですよ」とかよく覚えている。そんな懐かしい顔に図らずも出会えるのが古い邦画通いの醍醐味かも。他、三原葉子、姿三千子など。1964年、78分、大映。

July 14, 2007

神保町シアター / 『こどもたちのいた風景』

この間出来たばかりの神保町花月には映画館「神保町シアター」が併設されていて、7月14日から8月17日までレイトショーとして 「映画の昭和雑貨店・こどもたちのいた風景」を上映している。

川本三郎が選んだ昭和20年代から30年代の子供を主人公とした邦画を各日18時45分から一回上映。
ラインナップはこんな感じだ。

  稲垣浩「手をつなぐ子等」昭和23年
  大島渚「少年」 昭和44年
  今村昌平「にあんちゃん」 昭和34年
  成瀬巳喜男「秋立ちぬ」 昭和35年
  久松静児「つづり方兄妹」 昭和33年
  久松静児「警察日記」 昭和30年
  若杉光夫「夜あけ朝あけ」 昭和31年
  堀川弘通「あすなろ物語」 昭和30年
  滝沢英輔「しろばんば」 昭和37年
  今井正「キクとイサム」 昭和34年

仕事帰りに丁度良い時間で、レイトショーと言っても遅すぎないのが良い。
昼は小学館と組んだアニメなどを上映しているようだが、また一つ古い邦画を観られる映画館が出来て嬉しい。

以前、神保町に花月が出来ることの驚きについてエントリしたが、実は大正から昭和初期にかけて「神田花月」という演芸場が過去存在していたらしい。とするとこの神保町花月は復活を遂げたということになる。

明治時代に中央線が新宿から立川までを甲武鉄道として開通してその後都心へ延長してゆく際に、神保町からほど近いいまの万世橋辺りに震災前は日本でも指折りの乗降客数を誇った万世橋駅が出来て、駅周辺には寄席や演芸場などが立ち並ぶ繁華街となっていたようだ。とすれば神保町花月はあたかも土地のもつ記憶が呼び覚まされたかのように再び立ち現れたことになる。

ちなみに万世橋駅はこの間閉館した交通博物館のあったところ。いまでもプラットホームのなごりが残っている。さらに以前には現在の昌平橋に昌平橋駅があったが万世橋駅の開業で閉鎖された。その万世橋駅も秋葉原駅や神田駅の開業でその役目を終えることになる。いまも残るお茶の水から神田までの赤煉瓦の高架は当時の万世橋駅の豪華な駅舎の面影が残っていて小生の好きな場所の一つだ。


Jth
出来たばかりの神保町花月&神保町シアター。斬新なデザイン。

July 13, 2007

『エメラルド・カウボーイ』と『あたえられるか否か』

エメラルド・カウボーイなかなか更新が出来ない最近ではあるのだけれど、それでもない時間をひねり出していくつか映画を観た。結果的に普段足りない睡眠時間が余計に少なくなって、どちらも濃ーいおじさまが出演するこの二作品ならなおさらのこと睡眠不足に拍車がかかりそう。

「エメラルド・カウボーイ」は南米コロンビアでエメラルドの仲買人から現在ではかの地でエメラルド王と呼ばれるまでになった早田英志が自らメガホンを取り半生を映画化した作品。前半は俳優をたてて会社を興すまでを、後半からは本人が登場して労働争議や娘の誘拐未遂などを絡めて描く波瀾万丈を制作費にも(おそらく)糸目を付けず制作したいわば究極の「自分映画」。

この早田役の俳優はどうみてもコロンビア人にしか見えないのに日本人という設定なのが痛痒いような。無理矢理日本人なのだ、と自分を思いこませつつ観るほかないが(もう深夜一時・・・)、あとで登場するご本人は北野武の母親にそっくりだなどと、どうでもいいことに気がついた。

しかし、この映画を観る限りコロンビアという国は危険極まりないところだ。早田の周りには常時幾人ものボディガードが張り付き、本人も銃を携帯して常に一触即発の世界。ゲリラ、要人誘拐、麻薬取引などが日常茶飯に起こる危なすぎるこの国で異邦人が成功して行くというセミ・ドキュメント風ドラマなのだが、DVDに特典映像として収録されている、撮影時に常に山岳ゲリラの危険と隣り合わせのメイキングのほうがリアルで面白いと言ったら撃たれるかも。2002年123分。

****

「あたえられるか否か」は徳川埋蔵金を求めて親子三代、120年にわたる執念を受け継ぐ水野家当主、水野智之を追ったドキュメンタリー。随分前にテレビのスペシャル番組で糸井重里などが出演していたのを覚えていてつい借りた。水野の延々とした語りに見え隠れする血で継承された執念のおどろおどろしさ、埋蔵金に取り憑かれて水野のもとを訪れる人々の奇怪さがこの映画の見所だ。

ドキュメンタリー作品としてはもう少し掘り下げ方があったのではと思うが、テレビで扱うようなセンセーショナルな方向というより、むしろ淡々とした視線を選んでいるのは映画作品としては間違ってはいないと思う。しかし例えば埋蔵品に取り憑かれて既に現実と妄想の狭間を彷徨い始めたかのような人々の周辺を同時並行的に描いたならば作品に厚みがでたのではと思う。作中、自説を信ずるあまり山中の石の単なる模様に本来無い見えない文字を見いだすシーンには背筋が寒くなった。この人についての周辺を是非観てみたいと観客としては思ってしまうのだが。2006年82分。両作ともアップリンク配給。

■関連サイト
- エメラルド・カウボーイ
http://www.uplink.co.jp/emerald/
- 徳川埋蔵金120年目の挑戦「あたえられるか否か」
http://wireworks.jp/maizokin/

July 11, 2007

梅佳代 / 『うめ版』

うめ版

三省堂で山積みになっていた。新明解国語辞典と梅佳代のほのぼの子供写真とのコラボレーション。
新解さんと組み合わせるとは三省堂さんも一時期流行ってその後ナリをひそめていた資産の有効活用だろうか。こういう本はアッというまに消えてしまうので、もし梅佳代ファンなり新解ファンならば押さえておくべきかも。
以前のエントリにパロディで「新冥界国語辞典」などと書いてしまったことを思い出した。失礼しました:D

July 08, 2007

山澤損、アルモドバル、またまた水木しげる

あぁ、忙しい。先週は仕事でほとんど家に帰れず、外国のお客人を京都や東京近辺に案内したりして過ごした。先の内澤旬子のエントリもホテルから投稿したが、その後はちょっと疲れて時間があいてしまった。お客人は非英語圏のお国の方だったけれど、小生のクレイジー・イングリッシュで何とか通訳が出来てよかったが、ネイティブでない英語は返って聞き取りやすい。これがアメリカ人やイギリス人だと発音が良すぎて(当たり前)そんなミミが出来てない小生にはツライ。以前行ったイギリスの中部では訛りがきつくて、thank you がほとんど「タンキ!」と聞こえて、「誰が短気じゃ!」と思ったりした。前に会ったインドの方の英語はRが異常に巻き舌になったりして、これはこれで聞きづらかったりする。

で、ホテルで手持ちぶさたに何気なくネットを散策しながら、多摩美術大学のサイトを見ていたら(なんで多摩美のサイトにたどり着いたのか思い出せない・・・)、多摩美の学章が易の卦の一つである損卦、いわゆる「山澤損」の卦になっているのを見て、何故損卦なんだろうと思った。易の卦は全部で64卦あって、8卦を2つ組み合わせて出来ている。上が山を示す艮(ごん)、下が沢を示す兌(だ)卦の組み合わせが「山澤損」だ。と思って由来を見てみたら「美」の字をデザインしたものだったらしい。全然、易とは関係なかったわけ。

小生の好きな監督の一人であるペドロ・アルモドバル監督の最新作、「ボルベール<帰郷>」が封切りされていてる。「オールアバウト・マイ・マザー」「トーク・トゥー・ハー」が心に残る作品だっただけに期待。

水木しげるの戦争体験をドラマ化した「鬼太郎が見た玉砕~水木しげるの戦争」が終戦記念日にNHKで放送されるらしい。主演の水木に香川照之、ほか塩見三省など。見逃さないよう今から録画準備しておかなくちゃ。

July 02, 2007

内澤旬子、水木しげるそして超能力部隊

昨日のTBS系「情熱大陸」はイラストルポライターの内澤旬子だったが、どちらかというと夫の南陀楼綾繁に興味があって録画しておいたものを観た。内澤は近著「世界屠畜紀行」(解放出版社)がブレイクしていま注目されているが想像していたとおりのいかにもルポライターという感じで、どちらかというとおっとりした方と見受けられる夫の南陀楼とは対照的。居間の小さな卓袱台で仲良くうどんをすする光景など見ていていい夫婦だなと思う。
内澤のイラストは変な芸術性などを意図的に排した見てわかりやすい清潔な線でさばさばとした性格(テレビを見ただけですが)がよく表れていると思う。女性版の妹尾河童、といってもテイストはかなり違うと思うけれど。

角川文庫の水木しげる著「水木さんの幸福論」と文春文庫、ジョン・ロンスン著「実録・超能力部隊」を購入。
水木の半生はこれまでも幾度となく読んでいるけれど、何度読んでも面白い。こういうひとはそうそう出ない。
40を過ぎ、漸く売れ出した頃に付いた当時アシスタントの池上遼一とつげ義春らと家の前で撮ったとおぼしきスナップが貴重だ。つげのエピソードも興味深い。水木しげるのペンネームは戦後の混乱で入手したアパートの名前、水木荘から来ているのを始めて知った。

ジョン・ロンソンの著作は懐疑主義的視点でアメリカ軍部の上層部にはびこるオカルトを暴くルポルタージュ。
超能力捜査官で有名なマクモニーグルも登場。以前、リモートビューイングでエントリしたように、こういう超能力ものの虚実皮膜が大好きでつい買ってしまう。そういえばこの間、大麻の不法所持で逮捕された超能力少年、エスパー清田のサイトに久しぶりにアクセスしてみたら無くなっていて、しかもドメインが売りに出されていた。なんだか哀しいような複雑な気分。

July 01, 2007

『中井英夫―虚実の間に生きた作家』

中井英夫―虚実の間に生きた作家河出書房新社より雑誌「中井英夫―虚実の間に生きた作家」が刊行されて、早速amazonで注文した。高校生の頃に「虚無への供物」(64年)に出会ってから何冊かを通読して心酔した。その頃、神保町の確か八木書店だったかで「とらんぷ譚 」の初版を買ったりこの時分にはほかにも椿実などの幻想文学ばかり読んでいた。

「黒衣の短歌史」は短歌雑誌の編集をやっていた昭和短歌界の生き証人たる中井の名著で、ここから中條ふみ子とか葛原妙子、山中智恵子などへ導かれていった。ワイズ出版の定本版はまだ在庫がある様子。東京創元社の「中井英夫全集」にも収録されている。とにかく到着が楽しみです。

« June 2007 | Main | August 2007 »

NAVIGATION

GALLERY


  • Gangs of Kabukicho.
    渡辺克巳

    097154803X
    新潮社フォトミュゼの「新宿」が絶版となっているなかで最近刊行された渡辺克巳の最新写真集。洋書。



    先般亡くなった路上の写真家、渡辺克巳の写真集。インサイダーとして夜の新宿を流した彼の生の証はその写された人々と共に永く記憶されるべき。


    ジャパン
    倉田 精二
    4106024330
    渡辺克巳とくれば倉田精二を挙げずにはいられない。日本のウィージーと言われたストリートフォトの神髄。都市の殺伐と虚像をこれほど表現した写真はない。

    にっぽん劇場写真帖
    寺山 修司・森山大道
    4106024187
    寺山と森山のコラボレーションは「あゝ、荒野」以前にもこの作品で既に成就していた。68年刊のこの作品は強烈なコントラストとイメージで時代を色濃く表現している。腰巻きの惹句「奇才ふたりが火花を散らすイメージ地獄巡り」も凄いが、天井桟敷率いる寺山へぶつける森山の渾身の「返歌」が熱い。中平卓馬がカメラを構える有名なショットもあり。これを見ずに森山は語れない。


    奈良原の写真は既に絶版になった朝日新聞社の「昭和写真全仕事」を所有しているが、トラピスト修道院に取材した「沈黙の国」「人間の土地」「消滅した時間」などパースを駆使した知的で静謐な写真は独特の美。「無国籍地」は廃墟をモチーフにした写真集。その圧倒的な画面の構成美を。

    Cui Cui
    川内 倫子
    4902943026
    川内の作品は柔らかい光と深度の浅いクローズアップなどを多用して日常の「合い間」を独特の色調で表現している。小生の勝手な感覚ではあるが彼女の作品にはどこか「彼岸の匂い」のようなものが感じられてならない。明るく静かな日常。ふと視線を外して見上げる窓の外の空。こよないものたちの空間。この作品は家族の何気ない日常をテーマとした写真集。なぜだろう、頁をめくってゆくたびに胸が詰まってくるのは。


    この間東京都写真美術館で行われた回顧展で再び植田の仕事が再評価されている。砂丘シリーズに代表されるこのモダニズムはいつまでも古びない。

Blog People

無料ブログはココログ

search


  • Google

thank you!