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May 03, 2007

縫ひつける

untitled, Hanover

ラピュタ阿佐ヶ谷でいま加賀まりこ特集をモーニングショーでやっていて、昨日は寺山修司脚本になる「涙を、獅子のたて髪に」(62年松竹)を見に行こうと駅まで行ったが、不覚にも定期券を忘れたことに気づいて引き返した。いや別にわずかな電車賃を払ってもよかったのだが、これもなにかの兆しと思い日を改めることにした。この作品は5月5日まで上映しているので、また明日にでも行ってみようと思う。

中世の物忌みではないけれど、こんな些細なこともなにかの意味合いに「結び付けて」考えてしまうのはやはり最近気が萎えているからだろうか。こんな風になにかがあるとそれでもことを押し進めるという気にならなくなった。良くない傾向だとは思うのだが、体もこころもしばらく休みたいというサインかも知れない。と、黄金週間を休みながら言うのも矛盾しているが、この休みは単にインターバルであって真に気が休まっているわけではなく、いろいろなことどもが首の上の方までせり上がっているのをかろうじて押さえているような休み方だ。南の島か、いやこれは性に合わないので山奥か、四国遍路も人が一杯居て疲れそうなのでいっそ下北半島の恐山とか、いや怖すぎるので高野山の宿坊などが良いかも知れないが、ちょっと一年ばかり人生のインターバルに行きたくなる。使いたくない言葉だけれど平たく言えば癒されたいと思う今日この頃。

結びつけることでの連想だけれど、堀口大學「人間の歌」の「縫ひつける」はこんな詩だ。

  星とヒトデを縫ひつける/海と母とを縫ひつける/
  風とカモメを縫ひつける/仇と祖先を縫ひつける

小生高校生のころにコーラス部に所属していて、男子校だったため勿論男声合唱なわけだが、その道では有名な作曲家である多田武彦の楽曲やバード「四声のミサ」、パレストリーナなどアカペラのミサ曲を少人数で歌っていた。この「縫ひつける」もそのときに演奏したもので、まだ当時は演奏会のあとに皆で感極まって泣いたりしていたのは今のこのヒネクレ加減を考えると嘘のようだが、いまだに時折ふと気が付くと口ずさんだりしていてはっとすることがある。こんなことを思い出すのはやはり疲れているのかも。休みの最中に疲れたといっても全然真実味がないけれど。

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    渡辺克巳

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    新潮社フォトミュゼの「新宿」が絶版となっているなかで最近刊行された渡辺克巳の最新写真集。洋書。



    先般亡くなった路上の写真家、渡辺克巳の写真集。インサイダーとして夜の新宿を流した彼の生の証はその写された人々と共に永く記憶されるべき。


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    寺山と森山のコラボレーションは「あゝ、荒野」以前にもこの作品で既に成就していた。68年刊のこの作品は強烈なコントラストとイメージで時代を色濃く表現している。腰巻きの惹句「奇才ふたりが火花を散らすイメージ地獄巡り」も凄いが、天井桟敷率いる寺山へぶつける森山の渾身の「返歌」が熱い。中平卓馬がカメラを構える有名なショットもあり。これを見ずに森山は語れない。


    奈良原の写真は既に絶版になった朝日新聞社の「昭和写真全仕事」を所有しているが、トラピスト修道院に取材した「沈黙の国」「人間の土地」「消滅した時間」などパースを駆使した知的で静謐な写真は独特の美。「無国籍地」は廃墟をモチーフにした写真集。その圧倒的な画面の構成美を。

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    4902943026
    川内の作品は柔らかい光と深度の浅いクローズアップなどを多用して日常の「合い間」を独特の色調で表現している。小生の勝手な感覚ではあるが彼女の作品にはどこか「彼岸の匂い」のようなものが感じられてならない。明るく静かな日常。ふと視線を外して見上げる窓の外の空。こよないものたちの空間。この作品は家族の何気ない日常をテーマとした写真集。なぜだろう、頁をめくってゆくたびに胸が詰まってくるのは。


    この間東京都写真美術館で行われた回顧展で再び植田の仕事が再評価されている。砂丘シリーズに代表されるこのモダニズムはいつまでも古びない。

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