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May 21, 2007

J・A・シーザーと松田英子

先日図書館で予約した「J・A・シーザーの世界」(2002年、白夜書房)を昨日受取り、一日中読み耽っていたのだけれど、60-70年代におけるアングラシーンの証言ともいうべき内容の濃さに、これは借りるだけでは済まず手元においておくべき本だと思った。新宿でのフーテン時代から天井桟敷、万有引力など劇団でのエピソードを含むロングインタビューや当時のフライヤーなど図版も多数収録されている。なかでも花輪和一や林静一のイラストになるチラシは部屋に貼りたいほど。付録CDには当時の動画も入っているがこれは70年代フリークとしては嬉しい貴重な映像だ。ちなみにモノクロ8mmがオリジナル。
極小のフォントで割付されていて読むのに苦労するが、読む度に新たな発見があってまるで宝探しのようについ時間を忘れてしまう。

そのなかで、天井桟敷の芝居「ガリガリ博士の犯罪」(70年)での記念写真にシーザーと並んで立つ女優のキャプションをみて驚いた。松田英子、かの大島渚「愛のコリーダ」でヒロイン阿部定を演じた女優だ。
あの作品以降、彼女の出演した映画はなく、いわば幻の女優だと思っていたのでそこに姿を発見して感慨深かったわけだ。しかし、調べてみると実は彼女の出演作はコリーダ以降、官能映画の巨匠ともいうべき田中登やあの若松孝二の作品など何本かに出演していたことが分かった。このジャンルには疎かったので見落としていたらしい。その後、松田暎子と改名したようだ。

それより、ネットで調べると実は彼女の映画初出演作はなんと「野良猫ロック マシンアニマル」だというではないか。これは梶芽以子を通しでみていた昨年に自分は既に観ていたことになる。気づかなかった・・・。しかも「愛のコリーダ」で共演の吉蔵役、藤達也とコリーダ以前に共演していたということにもなる。迂闊にも程があるというものだ。これだから映画は気が抜けない。

早速、若松孝二監督松田出演の作品を借りてみたくなった。

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    渡辺克巳

    097154803X
    新潮社フォトミュゼの「新宿」が絶版となっているなかで最近刊行された渡辺克巳の最新写真集。洋書。



    先般亡くなった路上の写真家、渡辺克巳の写真集。インサイダーとして夜の新宿を流した彼の生の証はその写された人々と共に永く記憶されるべき。


    ジャパン
    倉田 精二
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    渡辺克巳とくれば倉田精二を挙げずにはいられない。日本のウィージーと言われたストリートフォトの神髄。都市の殺伐と虚像をこれほど表現した写真はない。

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    寺山 修司・森山大道
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    寺山と森山のコラボレーションは「あゝ、荒野」以前にもこの作品で既に成就していた。68年刊のこの作品は強烈なコントラストとイメージで時代を色濃く表現している。腰巻きの惹句「奇才ふたりが火花を散らすイメージ地獄巡り」も凄いが、天井桟敷率いる寺山へぶつける森山の渾身の「返歌」が熱い。中平卓馬がカメラを構える有名なショットもあり。これを見ずに森山は語れない。


    奈良原の写真は既に絶版になった朝日新聞社の「昭和写真全仕事」を所有しているが、トラピスト修道院に取材した「沈黙の国」「人間の土地」「消滅した時間」などパースを駆使した知的で静謐な写真は独特の美。「無国籍地」は廃墟をモチーフにした写真集。その圧倒的な画面の構成美を。

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    川内 倫子
    4902943026
    川内の作品は柔らかい光と深度の浅いクローズアップなどを多用して日常の「合い間」を独特の色調で表現している。小生の勝手な感覚ではあるが彼女の作品にはどこか「彼岸の匂い」のようなものが感じられてならない。明るく静かな日常。ふと視線を外して見上げる窓の外の空。こよないものたちの空間。この作品は家族の何気ない日常をテーマとした写真集。なぜだろう、頁をめくってゆくたびに胸が詰まってくるのは。


    この間東京都写真美術館で行われた回顧展で再び植田の仕事が再評価されている。砂丘シリーズに代表されるこのモダニズムはいつまでも古びない。

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