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March 08, 2007

『ヨコハマメリー』

ヨコハマメリーここ何日か体調が思わしくなく花粉症かと思っていたら空咳、悪寒までしてあれよという間に発熱し、一昨日に38.5度を出して丸二日を布団のなかで過ごした。その間、得体の知れないものに追われたり昔の嫌な思い出に苛まれるような夢をみてはうなされ、そのたびに目覚める眠りの浅さ。なにか前世の業を今生で償うかのごとき心地こそすれ。あなうたて。
いや、単なる風邪と思うが、どうもこんな体調がずっと続いているし、どうやら最近免疫力が落ちているような気分。

ドキュメンタリー映画「ヨコハマメリー」はテアトル新宿だったかのレイトショーには結局行けず、DVDで鑑賞。

伊勢佐木町界隈に戦後立ち続け突然姿を消した老娼婦メリーを巡る人々のインタビューから半ば都市伝説化した彼女の輪郭を当時の世相、横浜という土地を背景にあぶり出して行くドキュメンタリー。
大野一雄の息子で舞踏家の大野慶人、作家の団鬼六、山崎洋子、風俗ライターで最近物故した広岡敬一などが語るメリーの肖像。横浜では最も親交の深かったシャンソン歌手、末期癌に冒された永登元次郎の生き様を重ねながら淡々と語りを記録するカメラは、延々とメリーの不在を際立たせ、彼女の周縁をもどかしくもなぞるばかりにみえたが。

最後の場面での衝撃。
小生、思わず独りアッ、と声を出してしまった程だった。この驚き、カタルシスの前にカメラは周到にも計算されていたとは。これは原一男「ゆきゆきて神軍」(87年、疾走プロダクション)に比肩するドキュメンタリーの快作だと思う。監督の中村高寛はまだ30代前半と今後の活躍へ期待大。2005年、92分。

本編にも登場する山崎洋子のノンフィクション「天使はブルースを歌う」(99年、毎日新聞社)はメリーが主要なモチーフの一つとなっている。

天使はブルースを歌う―横浜アウトサイド・ストーリー

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Comments

あら。38℃以上も・・・。
ビタミンCたくさん摂って養生してくらさい。
インフルエンザではなさそうですね。
AZUさんがタミフル投与されたら
一体どんな幻覚をみるのかしらん。
やっぱり雷蔵?

幻覚といえば、私20年くらい前に横浜で
メリーさんを見たような気がします。
いやひょっとしてメリーさん「状」の人かもしれませんが
うぉぉぉぉぉぉぉっ と心が震えましたが 同時に
切なかったです。

この前、図書館で「天使はブルースを歌う」の背表紙を見てたんです。
でも、花粉症でクシャミが止まりそうになく、退散してしまいました。
借りてくればよかったー!(悔

おかげさまでもうすっかり良くなりました。
タミフルでみる夢は多分「兵隊やくざ」の大宮二等兵(勝新)ですね(笑)

20年前の横浜なら多分それがメリーさんだったのではないですかね。
学生の頃教養課程が横浜だったのに私は残念ながら見ていないんです。
映画は山崎本人もインタビューに登場するように、「天使はブルースを歌う」をかなり引用していますね。一部食い違う部分もあるんですが。
本はGSのゴールデンカップスを主軸にメリーさんがまるで横浜の負の記憶のように出てきます。なかなか良い本でしたよ。

そのメリーさんが実は2代目だったという説があって興味が尽きません。

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    渡辺克巳

    097154803X
    新潮社フォトミュゼの「新宿」が絶版となっているなかで最近刊行された渡辺克巳の最新写真集。洋書。



    先般亡くなった路上の写真家、渡辺克巳の写真集。インサイダーとして夜の新宿を流した彼の生の証はその写された人々と共に永く記憶されるべき。


    ジャパン
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    奈良原の写真は既に絶版になった朝日新聞社の「昭和写真全仕事」を所有しているが、トラピスト修道院に取材した「沈黙の国」「人間の土地」「消滅した時間」などパースを駆使した知的で静謐な写真は独特の美。「無国籍地」は廃墟をモチーフにした写真集。その圧倒的な画面の構成美を。

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