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March 12, 2007

やはり机竜之介は雷蔵というわけで

随分書きかけのエントリが溜まっているのだけれど、どれもみな下書きの状態のままで、一向に続きが書かれない。特段忙しい訳でもなくて、単に気が乗らないというに過ぎないが、その間、何をしているかというとやはり映画を観たりしている訳で、最近観ただけでも、三船敏郎、中村(萬屋)錦之介、石原裕次郎、勝新太郎、浅丘ルリ子という主役級キャストの「待ち伏せ」(70年、三船プロ)、勝新主演、「兵隊やくざ」の海軍版ともいうべき「海軍横須賀刑務所」(73年)、「御用牙 かみそり半蔵地獄責め」(73年)とか石井輝男のあれやこれやなどを観ながら合間に仕事をするという感じ。「待ち伏せ」は三船プロの第一回記念作で、密室劇に近い脚本がなかなか良くできている。豪華キャストといえばそうだろうが、大抵こういうキャスティングの作品は脚本が役者に気を遣って変なものになったりするものだが、そういう嫌いは多少あるにせよ起伏のある内容で面白い。旦那の虎舞竜と夫婦で最近よくテレビに出る三船美佳の母親、北川美佳が茶屋の娘役で出ているのも一興。
「海軍横須賀刑務所」は兵隊やくざシリーズを期待して観たが、期待外れだった。勝新の諧謔味を出し切れていない。しかし脚本は石井輝男で、刑務所内の反乱シーンなどは「網走番外地」シリーズそのもの。藤岡重慶を久しぶりにみて懐かしかった。ほか菅原文太、松方弘樹など。

それより、市川雷蔵、中村玉緒主演の「大菩薩峠」(60年~61年)シリーズ全3作を先ほど観終わったところ。
大映の良き時代を堪能。机竜之介は仲代達也や片岡千恵蔵などが演じているが、この人間の業に突き動かされる虚無感は雷蔵でなくては出ない。全3作のうち先の2作の監督は三隅研次。最後の完結編だけが森一生だ。
どうも小生には三隅のテイストが合うようだ。本郷功次郎の初々しさも良い。光の使い方や調度、セリフなど、この頃の時代劇を今作ろうとしても、もう無理なのではないだろうか。最近の時代劇はカメラワークや特撮、CGの多用で迫力を出そうとしているようだが、それを追えば追うほど逆に軽くて嘘臭いものになってしまうことに気が付いていない。殺陣の際の斬り払う時の音一つ取っても、今では下らない効果音が興醒めだ。斬られるものの着物を払う鈍い音がいかにも真実味があって凄みを感じさせる。既に制作の現場に細部にこだわる職人がいなくなっているのだろうし、例えば言葉遣いでも目上から目下へ向かっていう時の「それを申してみよ。」などという敬語の遣い方などもう今の映画ではこんな風に使われなくなっている(ような気がする)。たんなる懐古趣味とうより、上質な時代劇をみようとすれば結局この時代の作品をみることになる。この60年代辺りが頂点なのではないかと思う。

などと会議中に考えながら、帰りに借りる作品の品定めをしたりして。

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    川内の作品は柔らかい光と深度の浅いクローズアップなどを多用して日常の「合い間」を独特の色調で表現している。小生の勝手な感覚ではあるが彼女の作品にはどこか「彼岸の匂い」のようなものが感じられてならない。明るく静かな日常。ふと視線を外して見上げる窓の外の空。こよないものたちの空間。この作品は家族の何気ない日常をテーマとした写真集。なぜだろう、頁をめくってゆくたびに胸が詰まってくるのは。


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