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January 31, 2007

『ゲルマニウムの夜』

ゲルマニウムの夜 デラックス版東京国立博物館の敷地内に設けられた映画館、一角座でロングラン上映されていた「ゲルマニウムの夜」は花村萬月の同名作品の映画化。制作は鈴木清順作品で知られる荒戸源次郎、監督にこれが初監督作品になる大森立嗣。この方、あの麿赤兒のご子息らしい。主演は「青い春」「血と骨」の新井浩文に広田レオナ、早良めぐみ、石橋蓮司、佐藤慶、麿赤兒ほか。

一角座での上映中に行きたかったが叶わず、DVD化を待って漸く観ることができた。

冬の北海道の修道院が舞台。この特殊なしつらえで語られる聖性と背徳、神への冒涜と救済などのテーマはともすると低俗でステレオタイプなものに堕しがちだが、新井の鬱屈した演技と重厚で美しい映像がこの映画を完成度の高いものにした。しかし広田レオナのシスターとか石橋蓮司の男色司祭とかはいかにも過ぎてどうだろう。広田レオナがシスターだったらもうどうなるか分かりすぎてしまって興ざめな部分はある。観客動員数が増加しているととはいえ、この頃のテレビの延長のような邦画作品のなかで、こういう作品が出てくるというのは日本映画もまだまだ捨てたものじゃない。この作品を観ながらパゾリーニを連想した。2005年、117分。

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Comments

ひとから聞いた話ですが
「映画はわかりやすいものがヒットする」って某敏腕プローデューサー
が言ってたそうです。
作る側がそんなこと言っちゃうのかよって腹立つ以前に、日本映画界がわびしく
なっていくなって、映画作る人でもないのに変な焦りみたいなものを感じました。

商業映画は興業失敗のリスクを回避しようとすればどうしても無難な選択をせざるを得ないのでしょうね~。それでステレオタイプな作品ばかりになってしまうのではと思います。
商売として当てようとする意図が見え見えな映画は嫌ですよね:)
でも最近の邦画には結構面白いものも多くて、観客はそれこそ金太郎飴のようなハリウッド映画にいい加減愛想を尽かして、よく見ると邦画ってなかなか面白いじゃんと再発見してきたのが最近なのではないかと思います。きっと商業ベースに乗らない作家性の濃い作品にも良いものが多くあるのではないかと思いますが、そんな作品に出会いたいものですね。
松井良彦の「追悼のざわめき」なんかはいつか観てみたいです。凄い映画らしいっすよ。

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  • Gangs of Kabukicho.
    渡辺克巳

    097154803X
    新潮社フォトミュゼの「新宿」が絶版となっているなかで最近刊行された渡辺克巳の最新写真集。洋書。



    先般亡くなった路上の写真家、渡辺克巳の写真集。インサイダーとして夜の新宿を流した彼の生の証はその写された人々と共に永く記憶されるべき。


    ジャパン
    倉田 精二
    4106024330
    渡辺克巳とくれば倉田精二を挙げずにはいられない。日本のウィージーと言われたストリートフォトの神髄。都市の殺伐と虚像をこれほど表現した写真はない。

    にっぽん劇場写真帖
    寺山 修司・森山大道
    4106024187
    寺山と森山のコラボレーションは「あゝ、荒野」以前にもこの作品で既に成就していた。68年刊のこの作品は強烈なコントラストとイメージで時代を色濃く表現している。腰巻きの惹句「奇才ふたりが火花を散らすイメージ地獄巡り」も凄いが、天井桟敷率いる寺山へぶつける森山の渾身の「返歌」が熱い。中平卓馬がカメラを構える有名なショットもあり。これを見ずに森山は語れない。


    奈良原の写真は既に絶版になった朝日新聞社の「昭和写真全仕事」を所有しているが、トラピスト修道院に取材した「沈黙の国」「人間の土地」「消滅した時間」などパースを駆使した知的で静謐な写真は独特の美。「無国籍地」は廃墟をモチーフにした写真集。その圧倒的な画面の構成美を。

    Cui Cui
    川内 倫子
    4902943026
    川内の作品は柔らかい光と深度の浅いクローズアップなどを多用して日常の「合い間」を独特の色調で表現している。小生の勝手な感覚ではあるが彼女の作品にはどこか「彼岸の匂い」のようなものが感じられてならない。明るく静かな日常。ふと視線を外して見上げる窓の外の空。こよないものたちの空間。この作品は家族の何気ない日常をテーマとした写真集。なぜだろう、頁をめくってゆくたびに胸が詰まってくるのは。


    この間東京都写真美術館で行われた回顧展で再び植田の仕事が再評価されている。砂丘シリーズに代表されるこのモダニズムはいつまでも古びない。

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