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December 07, 2006

さて旅のお供に読む本は・・・

旅行に行くときに一緒に持ってゆく本というものは結構重要で、その旅の良し悪しを左右しかねないほどの事柄と言ってはさすがに言いすぎかも知れないが、結構頭を悩ませる問題だ。

特に海外旅行に持ってゆく本を選ぶのは悩ましい。長時間のフライトでの手持ち無沙汰に読む本は、あまり簡単に読めてしまってはあとが続かないし、かといって難しすぎても眠気を誘うばかりだ。しかし面白いからといってあまり大部なものでは手荷物に重たいしかさばってしまうからなかなか条件が難しい。
で、いつも旅の前には着るものを選ぶ以上に本を選ぶことに心を砕くことになる。

この間北米に行ったときには、単行本は広岡敬一「ちろりん村顛末記」と流行にながされて「嫌われ松子の一生」文庫上下を持って行ったが、両方ともなかなか面白かった。「ちろりん村」は古い刊行だが花村萬月が絶賛していたのを図書館で借りたもの。
この旅程と図書館の返却スケジュールを合わせるというのは「旅本」における高等技術といえよう(笑)。

旅先に全然関係ない本を選ぶというのも私のなかではひとつのポイントだ。例えばロンドンで漱石を読むなどという、サライとかに出てきそうな、いかにもな行為はしてはならない。先日持って行ったのは中井英夫「黒衣の短歌史」と別冊宝島「VOW」だったわけだが、たしかに何が悲しくてロンドンでVOWネタで笑わなければならんのか、TUBEで一人何やら訳のわからない本を読んで笑っている不気味な野郎と映ったに違いないが、そんな自分に行き先を告げてどの路線で行ったらよいかと聞いて来たお姉さんもどこか間が抜けている。

また旅が近いので今度は何を持って行こうか、今から頭を悩ませたりしております。

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    渡辺克巳

    097154803X
    新潮社フォトミュゼの「新宿」が絶版となっているなかで最近刊行された渡辺克巳の最新写真集。洋書。



    先般亡くなった路上の写真家、渡辺克巳の写真集。インサイダーとして夜の新宿を流した彼の生の証はその写された人々と共に永く記憶されるべき。


    ジャパン
    倉田 精二
    4106024330
    渡辺克巳とくれば倉田精二を挙げずにはいられない。日本のウィージーと言われたストリートフォトの神髄。都市の殺伐と虚像をこれほど表現した写真はない。

    にっぽん劇場写真帖
    寺山 修司・森山大道
    4106024187
    寺山と森山のコラボレーションは「あゝ、荒野」以前にもこの作品で既に成就していた。68年刊のこの作品は強烈なコントラストとイメージで時代を色濃く表現している。腰巻きの惹句「奇才ふたりが火花を散らすイメージ地獄巡り」も凄いが、天井桟敷率いる寺山へぶつける森山の渾身の「返歌」が熱い。中平卓馬がカメラを構える有名なショットもあり。これを見ずに森山は語れない。


    奈良原の写真は既に絶版になった朝日新聞社の「昭和写真全仕事」を所有しているが、トラピスト修道院に取材した「沈黙の国」「人間の土地」「消滅した時間」などパースを駆使した知的で静謐な写真は独特の美。「無国籍地」は廃墟をモチーフにした写真集。その圧倒的な画面の構成美を。

    Cui Cui
    川内 倫子
    4902943026
    川内の作品は柔らかい光と深度の浅いクローズアップなどを多用して日常の「合い間」を独特の色調で表現している。小生の勝手な感覚ではあるが彼女の作品にはどこか「彼岸の匂い」のようなものが感じられてならない。明るく静かな日常。ふと視線を外して見上げる窓の外の空。こよないものたちの空間。この作品は家族の何気ない日常をテーマとした写真集。なぜだろう、頁をめくってゆくたびに胸が詰まってくるのは。


    この間東京都写真美術館で行われた回顧展で再び植田の仕事が再評価されている。砂丘シリーズに代表されるこのモダニズムはいつまでも古びない。

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