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November 06, 2006

グレース再び / トリアー『マンダレイ』

マンダレイ デラックス版ラース・フォン・トリアーのアメリカ三部作の2作目「マンダレイ」が棚に並んでいるのを発見して借りた。前回の「ドッグヴィル」での床に引かれた白線と最小限のセット、ナレーションとチャプターで物語を進める形式は踏襲されているが、グレースがニコール・キッドマンからシャマラン「ヴィレッジ」のブライス・ダラス・ハワードへ替わり、ギャングのボスである父親をウィレム・デフォー、そして女主人役に前作でも出演のローレン・バコールというキャスティングだ。
前作から話は続き、アメリカ南部の街、マンダレイへとやってきたグレースは70年前に廃止された奴隷制度がまだ生きているのを目の当たりにする。義憤に駆られたグレースは黒人たちを解放し、自由と民主主義を理解させようとするが、実はその制度の存続にはグレースの浅薄な行動からは及びもつかない深い理由があった。

前作の暗喩ともいうべきアメリカ批判は今作ではさらにあからさまになっている。善意とヒューマニズムという名の価値観の押しつけを有無を言わせぬ圧倒的な武力をもって行ってきたアメリカ。トリアーの視線はエンドロールで流されるブッシュやその他事件、戦争のニュース映像を見ても直截的過ぎる程に観る者を挑発する。

当の一般のアメリカ人にはどう映っているのかが気になってYahooアメリカのユーザレビューを見てみたが、思いの外反応は薄くて、現時点で3点のレビューのみだった。勿論Yahooアメリカといえども評者がアメリカ人とは限らないが。そのうち2件は評価良で、1件の低評価もグレースの性的描写(これ、R-18指定です。)がブライス・ダラス・ハワードの役柄に合わないというどうでも良いもので、もっと白熱した議論があるものと思ったが期待はずれ。

今からアメリカ3部作の三作目「ワシントン」での展開が楽しみだ。


■関連記事
 月球儀通信:
 - L・フォン・トリアー / 『ドッグヴィル』 あるいは「アメリカ」への悪意

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床に線を引いただけで、必要以上のセットは使わないと言うシンプルな作りで評判になった {{{『ドッグヴィル』}}} に続く、ラース・フォン・トリアー監督による {{{アメリカ3部作}}} の第2弾目です。 ヒロインのグレース役に、前回のニコール・キッドマンに代わり、『ヴィレッジ』、『 レディ・イン・ザ・ウォーター』 のブ..... [Read More]

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