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November 08, 2006

松田優作 / 『ひとごろし』

ひとごろしこのところ映画は見ていない訳ではないのだけれど、近頃何故か忙しくてまさにワーキングプアを地で行く日々。書き込みも間が空いてしまいエントリの日付をその空いた隙間を埋めるよう過去に遡って設定したりしてズルしてます(笑)。

で、この間タンバリン(古い・・・)こと丹波哲朗が亡くなったばかりという訳でもないが、最近観たもののなかで「ひとごろし」は松田優作の意外な一面が楽しめる作品だった。

丹波哲朗演ずる剣豪、仁藤昂軒を藩の命令で上意討ちするという内容なのだが、臆病者として笑われものになっていた松田優作演ずる双子六兵衛はふがいない自分のために妹の、かね(五十嵐淳子)に縁談がないことを気に病み、この上意討ちに自ら志願する。剣豪との直接対決では返り討ちに遭うことが目に見えている六兵衛が取った方法とは奇想天外なものだった。これを言ってしまうと作品の面白みが半減してしまうのでこれ以上はお楽しみ。最近DVDが出ているので借りやすい作品。

しかしあまり語られない作品とはいえハードボイルドのイメージが強い松田のこんな情け無い役柄を観られるのは貴重だ。83年の「家族ゲーム」での家庭教師役も松田の新たな魅力を引き出した作品だった。
五十嵐淳子は武家の娘という役柄が妙に合っているし綺麗。道中、六兵衛についてゆく旅館の若女将、おようを演ずる高橋洋子も溌剌としていて70年代の青春ドラマを思い出した。

最後の丹波との駆け引きのシーンは松田の迫力が途端に立ち現れて印象深い。さすがは優作、並の俳優じゃない。なお、この作品はコント55号主演「初笑い びっくり武士道」(72年、松竹)のリメイク。六兵衛に萩本、仁藤昂軒を坂上が演じた。 1976年、82分、松竹

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    渡辺克巳

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    新潮社フォトミュゼの「新宿」が絶版となっているなかで最近刊行された渡辺克巳の最新写真集。洋書。



    先般亡くなった路上の写真家、渡辺克巳の写真集。インサイダーとして夜の新宿を流した彼の生の証はその写された人々と共に永く記憶されるべき。


    ジャパン
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    渡辺克巳とくれば倉田精二を挙げずにはいられない。日本のウィージーと言われたストリートフォトの神髄。都市の殺伐と虚像をこれほど表現した写真はない。

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    寺山と森山のコラボレーションは「あゝ、荒野」以前にもこの作品で既に成就していた。68年刊のこの作品は強烈なコントラストとイメージで時代を色濃く表現している。腰巻きの惹句「奇才ふたりが火花を散らすイメージ地獄巡り」も凄いが、天井桟敷率いる寺山へぶつける森山の渾身の「返歌」が熱い。中平卓馬がカメラを構える有名なショットもあり。これを見ずに森山は語れない。


    奈良原の写真は既に絶版になった朝日新聞社の「昭和写真全仕事」を所有しているが、トラピスト修道院に取材した「沈黙の国」「人間の土地」「消滅した時間」などパースを駆使した知的で静謐な写真は独特の美。「無国籍地」は廃墟をモチーフにした写真集。その圧倒的な画面の構成美を。

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    川内の作品は柔らかい光と深度の浅いクローズアップなどを多用して日常の「合い間」を独特の色調で表現している。小生の勝手な感覚ではあるが彼女の作品にはどこか「彼岸の匂い」のようなものが感じられてならない。明るく静かな日常。ふと視線を外して見上げる窓の外の空。こよないものたちの空間。この作品は家族の何気ない日常をテーマとした写真集。なぜだろう、頁をめくってゆくたびに胸が詰まってくるのは。


    この間東京都写真美術館で行われた回顧展で再び植田の仕事が再評価されている。砂丘シリーズに代表されるこのモダニズムはいつまでも古びない。

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