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October 23, 2006

ウイリアム・クライン、大野一雄、土方巽


昨日のエントリの続き。舞踏家大野一雄の100歳の誕生日に伴って様々なイベントが催されているが、昨日は新宿東口のコニカミノルタプラザへ終了間近の写真展「舞踏家大野一雄写真展 「秘する肉体」」を観に行った。

47人の写真家が大野を被写体として撮影した写真展でモノクロ作品がほとんどだったが、なかでも細江英公の有名な作品のオリジナルプリントを観られたのが大きな収穫だった。計算しつくされ緻密に焼かれたモノクロのグラデーション、調色されたシャドウ部の豊富さ、非現実的なまでに濃厚なリアリティに圧倒されてしばらく我を忘れて見入ってしまった。

帰りに昨年横浜で行われたイベントで刊行された「大野一雄と土方巽の60年代」という小冊子を買ったが、そのなかに写真家ウィリアム・クラインへのインタビューがあった。クラインの作品「Tokyo」(1964年)の冒頭を飾る一枚はこうだ。土方は左手を右肘に添え、その右手は虚空を掴むかの如く五指を開いている。その顔は異様なほど黒く焼き込まれて表情は読みとれない。その傍らに異装の大野が古い家の陰で佇んでいる・・・

この写真が撮影されたのは61年、来日したクラインに土方と大野から撮影をして欲しいと頼んだという。クラインは当時この二人の前衛舞踏家を知らなかった。当初、稽古場で撮影しようとしたがどうも面白くない。そこで街に出て路上でのパフォーマンス、当時言うところの「ハプニング」を即興で演じたというのは興味を惹かれる。

大野が老男娼役を演ずる「ディヴィーヌ抄」の稽古で土方が大野に演出を付けていう、
  「先生、こうやって天を見て、神を冒涜してくれ。」
  「光に向かって残酷に死んで下さい、顔をゆがめて残酷に死んで下さい。」(同書24p)
この演出で吐かれる土方の言葉そのものが詩であり舞踏であるかのようだ。

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