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September 30, 2006

増村保造 / 『大地の子守歌』

勝新太郎のシリーズ「兵隊やくざ」の最終作品である「兵隊やくざ 火線」(1972年)は何故かどうしても見つからずに未見のままだ。シリーズは最近DVD化されたもののこの作品だけが何故か漏れている。他はすべてモノクロ作品だがこれだけはカラー。監督は増村保造なのだが、増村の作品はこれまた最近(でもないが)作品集がDVDで出ているものの、残念ながら兵隊やくざは収録されていない。なにか権利関係でもあるのだろうか。

代わりに、といっても全然テイストが違うが、この増村の監督になる原田美枝子主演「大地の子守歌」を観た。
原田は当時18歳。山奥で祖母と暮らしていたがその祖母が亡くなり一人残された13歳の少女は騙されて島の女郎屋に売られる。誰一人として他人を信じず自分だけを頼みに過剰なほどに強く生きてゆく少女はやがて病が元で失明する。年季が明けるほど前に置屋から逃げ、浜で出会った牧師に助けられ、一人遍路となって巡礼に出る。
冒頭、遍路となった少女に善根のため握り飯を施す老婆に田中絹代、初潮を迎えうろたえる少女をやさしく助ける島の女に梶芽衣子、牧師に岡田英次。
牧師に助けられ島を抜け出すために乗った小舟で牧師に泣きながら礼を言うシーンが印象的だ。
原田の演技は過剰すぎるほどのまさに体当たりで、それが遍路での静けさとのコントラストを際立たせている。希望のないその後の運命を思うと胸が詰まるようだ。76年度ブルーリボン賞作品賞受賞作品。(1976年、111分、松竹)

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    渡辺克巳

    097154803X
    新潮社フォトミュゼの「新宿」が絶版となっているなかで最近刊行された渡辺克巳の最新写真集。洋書。



    先般亡くなった路上の写真家、渡辺克巳の写真集。インサイダーとして夜の新宿を流した彼の生の証はその写された人々と共に永く記憶されるべき。


    ジャパン
    倉田 精二
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    寺山と森山のコラボレーションは「あゝ、荒野」以前にもこの作品で既に成就していた。68年刊のこの作品は強烈なコントラストとイメージで時代を色濃く表現している。腰巻きの惹句「奇才ふたりが火花を散らすイメージ地獄巡り」も凄いが、天井桟敷率いる寺山へぶつける森山の渾身の「返歌」が熱い。中平卓馬がカメラを構える有名なショットもあり。これを見ずに森山は語れない。


    奈良原の写真は既に絶版になった朝日新聞社の「昭和写真全仕事」を所有しているが、トラピスト修道院に取材した「沈黙の国」「人間の土地」「消滅した時間」などパースを駆使した知的で静謐な写真は独特の美。「無国籍地」は廃墟をモチーフにした写真集。その圧倒的な画面の構成美を。

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    川内 倫子
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    川内の作品は柔らかい光と深度の浅いクローズアップなどを多用して日常の「合い間」を独特の色調で表現している。小生の勝手な感覚ではあるが彼女の作品にはどこか「彼岸の匂い」のようなものが感じられてならない。明るく静かな日常。ふと視線を外して見上げる窓の外の空。こよないものたちの空間。この作品は家族の何気ない日常をテーマとした写真集。なぜだろう、頁をめくってゆくたびに胸が詰まってくるのは。


    この間東京都写真美術館で行われた回顧展で再び植田の仕事が再評価されている。砂丘シリーズに代表されるこのモダニズムはいつまでも古びない。

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