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July 03, 2006

『寝ずの番』

寝ずの番この映画を観て一昨年だったか中島らもが亡くなって、随分前の、といってももう20年以上前になるけれど「ぴあ」に毎号載っていたカネテツデリカフーズの広告を思い出した。当時この見開きの手書きマンガをみながら、一体この人どういう人なんだろうと思っていたが朝日新聞の「明るい悩み相談室」であっという間にメジャーとなりその後小説、劇団、バンドへと展開したが、その作品の一つがこの映画の原作となった「寝ずの番」だ。
話は上方落語の重鎮である笑満亭橋鶴の通夜の席で弟子たちが生前の師匠の想い出話を繰り広げるというもの。その後、一番弟子の橋次や師匠の妻、おかみさんの志津子も亡くなり、そのたび通夜で語られるエピソードがそれぞれに滋味深い。おそらくこの原作そのものが中島の創作落語とも言うべきものなのだろう。

監督は昭和の名監督マキノ雅弘の甥に当たる津川雅彦がマキノ雅彦とマキノ姓を名乗ってでメガホンを取り、配役も師匠の橋鶴に兄の長門裕之、鉄工所社長にマキノ雅弘と親交の深かったというコメディアン堺駿二を父にもつ堺正章、弟子の女房役に津川の娘、津川真由子、マキノ雅弘から芸名を受けた富司純子などマキノゆかりの俳優陣、ほか中井貴一、木村佳乃、岸辺一徳、笹野高史、高岡早紀、土屋久美子、蛭子能収、末弟子役で実際に芸人のプリンプリン田中章など。

津川真由子は赤ん坊の頃に誘拐され当時大きなニュースになって小生もそのときのテレビ報道をかろうじて記憶しているが、なんとまぁお母さんにそっくりではないですか。ちなみに母親は言わずと知れた浅丘雪路。
高岡早紀はあの事件以来どうも汚れ役ばかりなのだが、この映画でもちょっとここまでやってしまうか(勿論話の設定上)、という感じで少々なにか気の毒な感じもあり。木村佳乃はこういう気っぷのいい役は合っているかもしれない。

古典落語「らくだ」の死人のカンカン踊りとか、芸者だった志津子を巡って師匠と恋敵だった鉄工所の社長との艶歌合戦などを随所にちりばめて、軽妙で奥深い風情をにやにやしながら楽しめる大人向の佳品だ。
ちなみにこういう艶笑都々逸や替え歌のいくつかは小生もどこかで聞いたことあり。別にお座敷遊びをしている訳じゃありませんが(笑)。
こんな風情を作品として撮れる監督は津川ならではなのではないだろうか。2006年、110分。

■関連サイト
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Comments

こんにちは。
あのカネテツデリカフーズの広告って、中島らも氏が描いてたんですかー!
そうだったのか、そうだったのか…、となんかブツブツつぶやいちゃいました。(笑)
そういえばあの独特の色味、中島らもと言われて納得出来る色味です。

こんばんは~、ブツブツつぶやいちゃいましたか!
でももう20年以上前の話だし、中島らもがまだフリーになる前の頃だと思うので、いまの広告がそうかどうかはちょっと自信ないんですが、キャラクタの「てっちゃん」が主人公のナンセンス系マンガだったと思います。
で、サイトを確認してみたら「啓蒙かまぼこ新聞」という活字系の連載もまだコーナーとしてあって、中島が出ていたCMも動画で見られるんですね~。懐かしいです。

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