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May 26, 2006

ジオラマ写真からフォトモへ

この間エントリした、実際の風景をまるでジオラマのミニチュアのように見せる写真群から、街のディテールを立体として再現する写真、というか写真工作というか、非ユークリッド写真連盟のフォトモを連想してみた。このフォトモ、街並を撮影した紙焼きから建物や人などの部分をそれぞれ切り取って組み立て実際の街並を立体として再現するもので、昔、「散歩の達人」誌の付録として連載されていたのでご存じの方は多いのではないかと思うが、元が写真だけにディテールの緻密なミニチュアのようになって、出来上がった小さな街並はちょっと試しにやってみたい気にさせる。
既に撮影済みであとは組み立てるばかりの切り抜き帳が出版されていて、下記に挙げた最新刊は新宿の思い出横丁とか超芸術トマソン物件とかを机の上で再現できるようになっている。

前々からこのフォトモで不思議に思っていたのが、例えば古い家屋をフォトモにする場合、立体とするには当然屋根の部分も撮影しておかなくてはならないのだが、普通の撮影では仰角で撮ることになるから、屋根は撮影できない。疑問はその写せない部分のパーツをどうするのかということだった。しかし、この本を手に取って氷解した。つまり屋根は別に撮影した屋根のストックのなかから合いそうなものを選んで当てはめているのだ。なるほどね。
写真にはパースペクティブがかかるから、組み立てようとしても合わないため、歪みをアオリで補正するシフトレンズも欠かせない。

フォトモを提唱する美術家、糸崎公朗さんのサイトをみると、「非ユークリッド写真連盟」は改称して「非人称芸術連盟」となったらしい。随分前に流行った路上観察の流れが見て取れる。フォトモ以外にもツギラマというのもやっておられるが、これって小生がちょっと前にやっていたスティッチ写真のそのものだ。Flickrなどをみればもともとはホックニーのジョイナー写真から触発されてこれをやる人が世界中にいるわけで特に目新しい試みには思えない。

フォトモも面白そうだけれど、組み立てたものを置いておく場所がないのがこういう立体系ホビーの難点だ。一つ位ならいいがいくつも置くには少なくともウチの場合部屋が狭すぎる。かくして脳内でバーチャルフォトモをやるしかなかったりして。もともとバーチャルなフォトモをさらに脳内でバーチャルするのでは訳がわからなくなるけれど。


- フォトモの街角 糸崎 公朗著/アートン刊  フォトモの最新刊
4861930359

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    渡辺克巳

    097154803X
    新潮社フォトミュゼの「新宿」が絶版となっているなかで最近刊行された渡辺克巳の最新写真集。洋書。



    先般亡くなった路上の写真家、渡辺克巳の写真集。インサイダーとして夜の新宿を流した彼の生の証はその写された人々と共に永く記憶されるべき。


    ジャパン
    倉田 精二
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    渡辺克巳とくれば倉田精二を挙げずにはいられない。日本のウィージーと言われたストリートフォトの神髄。都市の殺伐と虚像をこれほど表現した写真はない。

    にっぽん劇場写真帖
    寺山 修司・森山大道
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    寺山と森山のコラボレーションは「あゝ、荒野」以前にもこの作品で既に成就していた。68年刊のこの作品は強烈なコントラストとイメージで時代を色濃く表現している。腰巻きの惹句「奇才ふたりが火花を散らすイメージ地獄巡り」も凄いが、天井桟敷率いる寺山へぶつける森山の渾身の「返歌」が熱い。中平卓馬がカメラを構える有名なショットもあり。これを見ずに森山は語れない。


    奈良原の写真は既に絶版になった朝日新聞社の「昭和写真全仕事」を所有しているが、トラピスト修道院に取材した「沈黙の国」「人間の土地」「消滅した時間」などパースを駆使した知的で静謐な写真は独特の美。「無国籍地」は廃墟をモチーフにした写真集。その圧倒的な画面の構成美を。

    Cui Cui
    川内 倫子
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    川内の作品は柔らかい光と深度の浅いクローズアップなどを多用して日常の「合い間」を独特の色調で表現している。小生の勝手な感覚ではあるが彼女の作品にはどこか「彼岸の匂い」のようなものが感じられてならない。明るく静かな日常。ふと視線を外して見上げる窓の外の空。こよないものたちの空間。この作品は家族の何気ない日常をテーマとした写真集。なぜだろう、頁をめくってゆくたびに胸が詰まってくるのは。


    この間東京都写真美術館で行われた回顧展で再び植田の仕事が再評価されている。砂丘シリーズに代表されるこのモダニズムはいつまでも古びない。

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