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February 28, 2006

黒澤明 / 『野良犬』

座頭市マラソンを完走したせいか、ここ二三日左足の関節が痛んで歩いていると時折激痛が走り、ともするとその場に立ちどまってしまうほどだ。早く医者に診せればよいのだが、忙しさにかまけてなかなか行けないでいる。仕方なく薬局でサポーターを買って試しに鏡に映してみると、まるでベルメールの関節人形のようでいっそのことすべて球体関節にしてしまおうかと思った位。

さて、黒澤の「野良犬」を観たのだが、この作品が対位法という手法を多用していることはよく知られているが、プロット、カット割り、構図どれをとってもいかにも黒澤で戦後まもない時代を考慮してなおさらその完成度に驚く。機材も技術も格段の進歩を遂げた筈の現代の映画がなぜ未だにこれを超えられないのか。いや、少なくとも小生にはそう見えるのだが。
ちなみに対位法とは悲壮な場面で明るい音楽が流れるなどの映画的手法。このコントラストでより悲壮感が強調されたりするが、本作では犯人と刑事の対峙という緊迫した状況で流れるゆったりとしたピアノ、あるいは撃たれた犯人と子供の吹くハーモニカなど存分に使われている。

主演の三船敏郎が若くて、役柄も新米刑事と初々しいが迫力あり。老練な刑事には志村喬と黒澤組の常連だ。拳銃密売の女に千石規子。ほとんど老婆役しか知らない世代だが若い時分からはすっぱな性格設定は彼女の持ち味なのだろう。

それより、失くした拳銃を探すため三船が復員軍人に扮して当時の街を歩くシーンは、当時の風俗資料としても貴重なのではないだろうか。1949年、122分。

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監督:黒澤明 配給:新東宝=映画芸術協会 公開:1949年 製作:日本 評価:★★★☆☆ 遊佐が追いつめられて手錠をかけられ、慟哭するシーンには強い印象を受けた。 引き上げの汽車の中でリュックを盗まれるという不運。 そこから悪の道に転げるか、善の道を歩むか。 ..... [Read More]

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