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February 17, 2006

ブシェミ節炸裂 / 『アイランド』

【ご注意:ネタバレしております。】 何年か前にバーで乱闘の末、なんと刺されるという目にあった私生活をもつスティーブ・ブシェミ(ブシェーミ)は、脇役と言うより映画のスパイスというか、時には完全に主役を喰ってしまうほどの存在感で大好きなコーエン兄弟の常連だったりすることもあり、小生の心のなかでは一時期「ブシェミ祭り」がひそかに爆発していて万国旗やら花火やら大道芸などで賑わっていたくらいだ(どんな祭りだ)。アイランドこの「アイランド」はこの間の「ホステージ」と一緒に借りたのだが、無論ユアン・マクレガーやスカーレット・ヨハンソンに惹かれたのではなく、ただただ敬愛するブシェミ師匠が出演しているから借りたのだった。この作品では前半部分で死んでしまうのが残念だが、その短い間でもキャラクタが立っていて、というか立ちすぎる位で元コメディアンの資質が存分に出ていて嬉し泣きだ。

この作品は、公開当時あまり目立たなかったようだが、SFとしてなかなか良くできている。冒頭のシーンではいかにもな近未来的SF臭のしつらえで幻滅し、設定が2019年(だったか)と今からそう先のことでもないのにこの未来くささは無理やろ!と思ったが、話を追ううちにそのカラクリが分かってきて結構引き込まれた。SF作品は殆ど観ないのだが、それはあまりに現実離れしていて(当たり前だが)楽しめないという小生の嗜好からきている。しかし、この作品ではそれが今とそう変わらない世界へ繋がってゆくことのバランスがいい塩梅なのだ。
臓器を使われるために作られ唯一の理想は「アイランド」へゆくことと刷り込まれたクローンたちが、次第にその本当の目的を知ることとなる。このプロットは実は社会によって作られた人生の目的という「幻想」を、知らずに刷り込まれている現実の我々そのものの暗喩とも言える。そうは言っても、アクションシーンは世間を知らないはずのクローンがそれほど現実社会で立ち回れるのかとかのツッコミは敢えて無視しながら何も考えずに楽しめるし、展開がスピーディーで飽きさせない。残業で疲れた時に見ると思いの外リフレッシュできて良いかも。2005年、アメリカ、136分。


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