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February 07, 2006

樹海を巡るオムニバス / 『樹の海』

昨日は「ゲルマニウムの夜」を見ようとして上野の一角座へ出かけようとしたものの余りにも寒かったのでゲルマニウム温泉にでも行こうかなどとは思わずに新宿で引っかかり、スピルバーグの「ミュンヘン」に急遽予定変更を企てたが、上映時間が3時間以上と聞いてそんなに長い間座っているのは情け無くも腰が保たなさそうだったのでさらに予定を変更して、かねてから気にかかっていた瀧本智行監督「樹の海」を借りて帰った(結局帰る。)樹の海 スペシャル・エディションこの作品は自殺の名所である富士樹海をキーにして死を巡る人間模様をオムニバスで描いた作品だ。しかしことさらに樹海の不気味さや恐怖を描いているわけではなく、再生や希望といった「樹海からの出口」に繋げているのが救い。そういう視点があるからこそそれぞれの挿話に深みが与えられているとも言えそうだ。
5億円を横領、逃走し暴力団に殺され樹海に捨てられたものの息を吹き返して彷徨う青年、借金苦から樹海に入った女性を追う取り立て屋。樹海で命を絶った女性の親からその動機を探るために雇われた探偵。ストーカー行為の果てに絶望し樹海に入るものの死にきれないキオスクの売り子など、映画とはいえ少々舞台演技に近い不自然さはあるものの、オムニバスという形式はこういう描き方をするのには向いた方法かもしれない。
探偵役の塩見三省は「12人の怒れる男」をパロディにした中原俊「12人の優しい日本人」(91年)が記憶に残っているが実直で誠実な役柄をこなしている。実はこの間、神保町古書会館のエレベータを待っていたら後ろにご本人が並んでいてビックリしたが。ほか井川遙、萩原聖人、津田寛治、池内博之、大杉漣、余貴美子など。2004年119分。

■関連サイト
- 「樹の海」 オフィシャルサイト

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» NO.131「樹の海」(日本/瀧本智行監督) [サーカスな日々]
樹海に眠る想いから、 新人監督も僕たちも自由ではない。 富士山北西麓。「青木ヶ原樹海」とよばれる暗鬱とした溶岩流と原生林におおわれた一帯が、この映画の主人公のようなものだ。年間自殺者3万数千人に達する日本において、「自殺」の名所として、一番にあげられるのが、この地だ。 若手の瀧本監督は、4つの「死」をめぐる群像劇として、この映画を成立させた。映画は独立したオムニバスのようでありながら、連関するシ... [Read More]

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  • Gangs of Kabukicho.
    渡辺克巳

    097154803X
    新潮社フォトミュゼの「新宿」が絶版となっているなかで最近刊行された渡辺克巳の最新写真集。洋書。



    先般亡くなった路上の写真家、渡辺克巳の写真集。インサイダーとして夜の新宿を流した彼の生の証はその写された人々と共に永く記憶されるべき。


    ジャパン
    倉田 精二
    4106024330
    渡辺克巳とくれば倉田精二を挙げずにはいられない。日本のウィージーと言われたストリートフォトの神髄。都市の殺伐と虚像をこれほど表現した写真はない。

    にっぽん劇場写真帖
    寺山 修司・森山大道
    4106024187
    寺山と森山のコラボレーションは「あゝ、荒野」以前にもこの作品で既に成就していた。68年刊のこの作品は強烈なコントラストとイメージで時代を色濃く表現している。腰巻きの惹句「奇才ふたりが火花を散らすイメージ地獄巡り」も凄いが、天井桟敷率いる寺山へぶつける森山の渾身の「返歌」が熱い。中平卓馬がカメラを構える有名なショットもあり。これを見ずに森山は語れない。


    奈良原の写真は既に絶版になった朝日新聞社の「昭和写真全仕事」を所有しているが、トラピスト修道院に取材した「沈黙の国」「人間の土地」「消滅した時間」などパースを駆使した知的で静謐な写真は独特の美。「無国籍地」は廃墟をモチーフにした写真集。その圧倒的な画面の構成美を。

    Cui Cui
    川内 倫子
    4902943026
    川内の作品は柔らかい光と深度の浅いクローズアップなどを多用して日常の「合い間」を独特の色調で表現している。小生の勝手な感覚ではあるが彼女の作品にはどこか「彼岸の匂い」のようなものが感じられてならない。明るく静かな日常。ふと視線を外して見上げる窓の外の空。こよないものたちの空間。この作品は家族の何気ない日常をテーマとした写真集。なぜだろう、頁をめくってゆくたびに胸が詰まってくるのは。


    この間東京都写真美術館で行われた回顧展で再び植田の仕事が再評価されている。砂丘シリーズに代表されるこのモダニズムはいつまでも古びない。

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