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February 20, 2006

10人のGR DIGITAL / 『GR DIGITAL BOX』

ひと頃、リコーのフィルムカメラ(しかし、いちいちフィルムカメラと断らなければならない時代なんだなぁ。)、リコーR1sのパノラマ枠をペンチで折り取って、24mm相当の画角でスナップをしていたことがあった。パノラマモードでは上下にシャッター枠が降りて通常の30mmから24mm相当へシフトする機構なのだが、その枠を取って35mmフルサイズで無理矢理24mm化していたことになる。周辺はボケてしまうのだが一部で流行った遊びだった。このカメラのレンズを、中心部分を残して周辺部のみ歯磨き粉で削って(磨いてと言うべきか)、ソフトフォーカス専用カメラにするという話も聞いたことがあるが、そこまではちょっと気が退ける。
このR1sは田中長徳風に言えば「プアマンズGR-1」であって、GR-1ほどの画力はないが薄くてかつホールディングが良いためにいつもポケットに入っていた。
このGR-1をデジタル化したのがGR DIGITALで、小生が久しぶりに物欲を刺激されたカメラだ。ちょっと値段はするが、外付けファインダーを付けるとなかなかカッコイイ。

このカメラを使って10人のアーティストが作品を寄せたのがこの「GR DIGITAL BOX」だ。その10人とは、森山大道・田中長徳・東儀秀樹・坂崎幸之助・當麻妙・海原修平・Yutaka‐T・hana・大池直人・タカザワケンジと写真家以外のアーティストも揃っている。こういう作品集はもちろんメーカのプロモートする写真集で、いわばカタログの延長と言えなくもないが、そうは分かっていても確かにカメラを購入するかどうかの逡巡のさなかに、ドンと背中を押されるきっかけになりそうな気もするし、普通に写真集としてみても惹かれるものがある。

しかし、リコーはGRシリーズを上手くデジタルへ結びつけたものだと思う。ベッサのコシナはこれからどうデジタルへの道をつけるのだろうか。あくまでもフィルムカメラにこだわるのか。どちらに転んでもマニアゴコロをくすぐる企画が出そうで楽しみだ。


GR DIGITAL BOX
GR DIGITAL BOX

写真集の中身はリコーのサイトでもみることが出来る。
- GR DIGITALオンライン写真展 / デジタルカメラ | Ricoh Japan

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  • Gangs of Kabukicho.
    渡辺克巳

    097154803X
    新潮社フォトミュゼの「新宿」が絶版となっているなかで最近刊行された渡辺克巳の最新写真集。洋書。



    先般亡くなった路上の写真家、渡辺克巳の写真集。インサイダーとして夜の新宿を流した彼の生の証はその写された人々と共に永く記憶されるべき。


    ジャパン
    倉田 精二
    4106024330
    渡辺克巳とくれば倉田精二を挙げずにはいられない。日本のウィージーと言われたストリートフォトの神髄。都市の殺伐と虚像をこれほど表現した写真はない。

    にっぽん劇場写真帖
    寺山 修司・森山大道
    4106024187
    寺山と森山のコラボレーションは「あゝ、荒野」以前にもこの作品で既に成就していた。68年刊のこの作品は強烈なコントラストとイメージで時代を色濃く表現している。腰巻きの惹句「奇才ふたりが火花を散らすイメージ地獄巡り」も凄いが、天井桟敷率いる寺山へぶつける森山の渾身の「返歌」が熱い。中平卓馬がカメラを構える有名なショットもあり。これを見ずに森山は語れない。


    奈良原の写真は既に絶版になった朝日新聞社の「昭和写真全仕事」を所有しているが、トラピスト修道院に取材した「沈黙の国」「人間の土地」「消滅した時間」などパースを駆使した知的で静謐な写真は独特の美。「無国籍地」は廃墟をモチーフにした写真集。その圧倒的な画面の構成美を。

    Cui Cui
    川内 倫子
    4902943026
    川内の作品は柔らかい光と深度の浅いクローズアップなどを多用して日常の「合い間」を独特の色調で表現している。小生の勝手な感覚ではあるが彼女の作品にはどこか「彼岸の匂い」のようなものが感じられてならない。明るく静かな日常。ふと視線を外して見上げる窓の外の空。こよないものたちの空間。この作品は家族の何気ない日常をテーマとした写真集。なぜだろう、頁をめくってゆくたびに胸が詰まってくるのは。


    この間東京都写真美術館で行われた回顧展で再び植田の仕事が再評価されている。砂丘シリーズに代表されるこのモダニズムはいつまでも古びない。

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