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January 28, 2006

瀬戸正人 / 『picnic』

ピクニック

瀬戸正人の「picnic」(発行:PLACE M, 発売:月曜社)はタイ、そしておそらく東京を舞台にして芝生の上でくつろぐカップルをテーマにした写真集だ。様々なカップルが全て同じ姿勢でこちら側を見つめ返している。その視線は幸せや楽しさ、誇らしさを宿すというよりは淡々と二人がなにか別の遠くを眺めているかのようだ。それは未来なのか過去なのか。全ての被写体に同じ姿勢を取らせるというコンセプトは目新しいものではないが、これは「写真の虚実」というものを一つの主題として浮かび上がらせる効果的な仕掛けとも感じる。まるで舞台を屋外に移した写真館のポートレイトなのだ。それも記念写真というものの存在感が未だに濃いアジアのそれを彷彿とさせる。

瀬戸といえば89年の「バンコク、ハノイ1982-1987」、第21回木村伊兵衛写真賞を受賞した「Living Room,Tokyo 1989-1994」などで知られているが、個人的には81年にフリーとなり颯爽とカメラ雑誌に登場した当時を思い出す。
プロフィールによると森山大道主宰の写真塾を経て深瀬昌久の助手、その後独立し写真家山内道雄とギャラリー「PLACE M」を設立、ワークショップなどで後進を育てる活動もされているとのことだが、森山、深瀬、山内という面々は私の最も好きな写真家で瀬戸もその延長上にある。単なるきれい事ではなく写真行為というものに一歩も二歩も踏み込んだ彼らの作家性の濃さは既に哲学の領域だ。瀬戸にはタイ人と日本人を親に持つ自らのアイデンティティを辿る旅、「トオイと正人」で第12回新潮学芸賞を受賞している。

■関連サイト
- THE PLACE SETOS: 瀬戸正人ウェブサイト

4022572655トオイと正人
瀬戸 正人
朝日新聞社 1998-08

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» 瀬戸正人氏写真集「picnic」書評 [全ての未確定に火を放て]
15日付読売読書欄に「picnic」の書評  リンクさせてもらっている月曜社のuragさんのブログ「ウラゲツ☆ブログ」にて、  我らがワークショップ先生・瀬戸正人氏の最新写真集の「picnic」の書評関係記事掲載!!!  (一般書店に並ぶ日も近い。18日からみたい。楽しみっす。)... [Read More]

» 瀬戸正人氏写真集「picnic」刊行!!!&モレモレ [全ての未確定に火を放て]
(我らが瀬戸先生の新作写真集)  昨年末、ワークショップの瀬戸正人先生が写真集「picnic」を出版された。  そう言えば、この話題をしていなかったので、紹介させてください。  瀬戸正人氏が「picnic」というテーマで公園等で撮影したアベックの写真をまとめた写真集。  何とも生っぽい・艶っぽい二人が折り重なる写真となっております。  素人アベックの即興の演技というか、モデル化というか、  瀬戸先生の天才的かつスピード感あふれる演出の力を感じます。これぞ、プロカメラマン!  (”ア... [Read More]

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  • Gangs of Kabukicho.
    渡辺克巳

    097154803X
    新潮社フォトミュゼの「新宿」が絶版となっているなかで最近刊行された渡辺克巳の最新写真集。洋書。



    先般亡くなった路上の写真家、渡辺克巳の写真集。インサイダーとして夜の新宿を流した彼の生の証はその写された人々と共に永く記憶されるべき。


    ジャパン
    倉田 精二
    4106024330
    渡辺克巳とくれば倉田精二を挙げずにはいられない。日本のウィージーと言われたストリートフォトの神髄。都市の殺伐と虚像をこれほど表現した写真はない。

    にっぽん劇場写真帖
    寺山 修司・森山大道
    4106024187
    寺山と森山のコラボレーションは「あゝ、荒野」以前にもこの作品で既に成就していた。68年刊のこの作品は強烈なコントラストとイメージで時代を色濃く表現している。腰巻きの惹句「奇才ふたりが火花を散らすイメージ地獄巡り」も凄いが、天井桟敷率いる寺山へぶつける森山の渾身の「返歌」が熱い。中平卓馬がカメラを構える有名なショットもあり。これを見ずに森山は語れない。


    奈良原の写真は既に絶版になった朝日新聞社の「昭和写真全仕事」を所有しているが、トラピスト修道院に取材した「沈黙の国」「人間の土地」「消滅した時間」などパースを駆使した知的で静謐な写真は独特の美。「無国籍地」は廃墟をモチーフにした写真集。その圧倒的な画面の構成美を。

    Cui Cui
    川内 倫子
    4902943026
    川内の作品は柔らかい光と深度の浅いクローズアップなどを多用して日常の「合い間」を独特の色調で表現している。小生の勝手な感覚ではあるが彼女の作品にはどこか「彼岸の匂い」のようなものが感じられてならない。明るく静かな日常。ふと視線を外して見上げる窓の外の空。こよないものたちの空間。この作品は家族の何気ない日常をテーマとした写真集。なぜだろう、頁をめくってゆくたびに胸が詰まってくるのは。


    この間東京都写真美術館で行われた回顧展で再び植田の仕事が再評価されている。砂丘シリーズに代表されるこのモダニズムはいつまでも古びない。

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