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January 02, 2006

『幸福の黄色いハンカチ』を再び

山田洋次監督の「幸福の黄色いハンカチ」が昨日東京MXテレビで放映されていて、過去に何度もみていたもののまた自然と引き込まれてつい全編をみてしまった。この作品には過去、テレビ版も存在した・・・。

幸福の黄色いハンカチこれまでも何度か観ていたが、いわゆる任侠もの以外での高倉健の魅力は、この作品に凝縮されているのではないだろうか。その後、これをオリジナルとしてテレビでリメイクされたこともある。
ちなみにテレビ版では82年にTBSが放映しているが、映画とテレビの配役を並べてみると次のようになる。

島勇作役に映画では高倉健がテレビでは菅原文太。夫の帰りを待つ妻、島光枝役に同じく倍賞千恵子が泉ピン子、旅の青年、花田欽也役に武田鉄矢がアパッチけんと光石研、青年と同行する小川朱実役には桃井かおりが田中好子だ。映画では九州から北海道までを旅する武田の青年役がテレビでは二人になっているのが面白い。
しかし、それ以前に菅原文太は確かに刑務所に行きそうなキャラクタだが健さんのような質実さがない、さらに帰りを待つ妻が泉ピン子なのはちょっとどうも・・・。田中好子もこの役柄にはノーブル過ぎる。この役のもつ天然さ、当時の「今時の若者」(変な表現だが)の軽薄さというものが、後半クライマックスへとむかう過程での落差に結びついてくるのが眼目だからだ。実はこのテレビ版もリアルタイムでみているのだが、当時もそう感じたことを覚えている。

しかし、健さんはいい眼をしてるなぁ。この役をやれるのは前にも先にも健さんしかいないだろう。「俺は不器用だから・・・」というセリフもこれがオリジナルだと発見。武田鉄矢もこれ以上ない程の軽薄さ、かっこわるさを存分に演じているし、桃井かおりもいかにも軽佻浮薄でありながら情が濃そうな演技で嬉しくなる。この役柄はおそらく役者そのもののキャラクタで設定されたのではないかと思う。

ほか、山田組常連のキャストとして警察署長に渥美清、旅館のオヤジにタコ社長こと太宰久雄、チョイ役でタコ八郎がでているのをみてさらに嬉しくなった。

以前、外人タレントが見知らぬ国日本へ向かう飛行機内でこの「幸福の黄色いハンカチ」をみて泣き、こういう感性をもつ日本人に安心した、という話を何かで聞いたことがあるが、実は原作はピート・ハミルの「黄色いハンカチ」で、もともと日本の作品ではない。だからこそ北海道が舞台なのもうなずける。しかし山田洋次の脚本でこの話はいかにも日本的感性の濃い作品に仕上がった。その力量は並々ならぬものがある。
1977年、108分

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