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January 04, 2006

60年代、新宿の匂い / 森山大道、寺山修司 『あゝ、荒野』

寺山修司の長編小説、「あゝ、荒野」を読んだのは随分前のことだが、バリカンとか新宿新次とか寺山の描く登場人物はどれも生き急いでいるような儚さがある。この作品が昨年末PARCO出版から森山大道とのコラボレーションという体裁で再出版された。寺山の小説に比肩するようなページ数で森山の写真が配された造本は、その分厚さが今では返って新鮮だ。

森山自身によるあとがきによれば、寺山と森山のコラボレーションというのは当然当時存在した企画ではなく、寺山の小説に森山が60年代当時の彼の作品を今回の出版のために選び、新たにプリントしたものだという。没後20年以上が経ってこの二人を引き合わせた企画には少しばかりの嫉妬を感じる。

当時コンポラと言われたブレ、ボケ、アレの森山調は60年代という時代の空気を存分に表現していた。
大島渚の「新宿泥棒日記」に登場する新宿、あるいは若松孝二の描く新宿を観るたびに、森山のそれを重ねあわせて、当時子供だった筈の私も確かにその時代の雰囲気を感じていたと思う。


あゝ、荒野
あゝ、荒野

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Comments

あけましておめでとうございます。
サイトデザイン、変わりましたね。構築中とのことですが、スッキリしていてとても素敵です。
『あゝ、荒野』、私も注文しました。到着は2月以降になりそうですが....。森山さんと寺山修司のコラボレーションをまったく知らない私にとって、新鮮な一冊になりそうです。「戦後日本の思春期」という形容は、当たっているでしょうか....?
本年もよろしくお願い申し上げます。

marmotbabyさん、明けましておめでとうごさいます。今年も宜しくお願いします。
デザインは時折はしかに罹ったように変えたくなるんですが気に入って頂いて良かったです。前のは不気味過ぎたので今年は明るく行こうかと(笑)
もう注文されたんですね。さすがです。
この本は森山があと付けなんですよね。紙質はいまひとつですが、どちらかというと森山の写真集として買うひとが殆んどではないかと思います。
「戦後日本の思春期」というのは
まさしく60年代を言い得ていますね!若くてエネルギッシュで翳が濃くて傷付いて、確かにそういう時代だったんですよね。
いまは良くも悪くもさながら老年期なのかも知れません。
60年代を青春期に過ごしたかったと思うことが良くあります。

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  • Gangs of Kabukicho.
    渡辺克巳

    097154803X
    新潮社フォトミュゼの「新宿」が絶版となっているなかで最近刊行された渡辺克巳の最新写真集。洋書。



    先般亡くなった路上の写真家、渡辺克巳の写真集。インサイダーとして夜の新宿を流した彼の生の証はその写された人々と共に永く記憶されるべき。


    ジャパン
    倉田 精二
    4106024330
    渡辺克巳とくれば倉田精二を挙げずにはいられない。日本のウィージーと言われたストリートフォトの神髄。都市の殺伐と虚像をこれほど表現した写真はない。

    にっぽん劇場写真帖
    寺山 修司・森山大道
    4106024187
    寺山と森山のコラボレーションは「あゝ、荒野」以前にもこの作品で既に成就していた。68年刊のこの作品は強烈なコントラストとイメージで時代を色濃く表現している。腰巻きの惹句「奇才ふたりが火花を散らすイメージ地獄巡り」も凄いが、天井桟敷率いる寺山へぶつける森山の渾身の「返歌」が熱い。中平卓馬がカメラを構える有名なショットもあり。これを見ずに森山は語れない。


    奈良原の写真は既に絶版になった朝日新聞社の「昭和写真全仕事」を所有しているが、トラピスト修道院に取材した「沈黙の国」「人間の土地」「消滅した時間」などパースを駆使した知的で静謐な写真は独特の美。「無国籍地」は廃墟をモチーフにした写真集。その圧倒的な画面の構成美を。

    Cui Cui
    川内 倫子
    4902943026
    川内の作品は柔らかい光と深度の浅いクローズアップなどを多用して日常の「合い間」を独特の色調で表現している。小生の勝手な感覚ではあるが彼女の作品にはどこか「彼岸の匂い」のようなものが感じられてならない。明るく静かな日常。ふと視線を外して見上げる窓の外の空。こよないものたちの空間。この作品は家族の何気ない日常をテーマとした写真集。なぜだろう、頁をめくってゆくたびに胸が詰まってくるのは。


    この間東京都写真美術館で行われた回顧展で再び植田の仕事が再評価されている。砂丘シリーズに代表されるこのモダニズムはいつまでも古びない。

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