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December 18, 2005

『サスペクト・ゼロ』 『サイキック・スパイ』 / リモートビューイング

自分はどちらかというと懐疑主義者ではないかと考えているものの超能力とかオーラとかそういうものが大好きで、以前福昌堂から出版されていた「パワースペース」だの学研の「ムー」だののバックナンバーを買っては寝そべりながら読んだりしている。多分そのきっかけは子供の頃に見たユリ・ゲラーの超能力番組だと思う。中野の魔窟、ブロードウェイ4階の「大予言」は精神世界専門の古書店で、暇なときに良く寄っては怪しげなゾッキ本を眺め回すのは楽しい。この精神世界という言葉がそもそもどんな経緯で作られたのかは分からないが、何故か書店で共通した分類として使われているのは面白い。その響きはいかにも胡散臭げで嬉しくなる。

さて、図書館で彷徨ううちに、いかにも退屈を紛らわせてくれそうな私好みの本を見つけ、CIA「超心理」諜報計画 スターゲイト借りて読んだ。デイヴィッド モアハウス著「CIA「超心理」諜報計画 スターゲイト」だ。70年代の東西冷戦時代に、米軍は超能力を用いて居ながらにして敵情を探るプロジェクトを極秘裏に行っていた。著者はその能力者でこの本で内情を暴いたことにより別件で軍事裁判にかけられるという顛末に。米軍はこの過程で「遠隔透視能力」(リモートビューイング=RVという)を養成するためのメソッドを確立し、プロジェクトの終了と共に情報公開され、後にその技術が公開された。モアハウスの語りは当事者ではあるが、後半は被害妄想的で次第にニューエイジ系の夢幻的な文章となり、単に精神疾患の症例のようにも受け取れるがどうだろうか。
そのプロジェクトではモアハウスの先輩に当たるジョー・マクモニーグルは、テレビ番組「FBI超能力捜査官」で日本でも有名となった。失踪者の氏名、誕生日を書いた紙を見るだけで、というよりそれすらも見ず、緻密な地図を書きながらその居所を透視する。このマクモニーグルが書いた半生記「FBI超能力捜査官 ジョー・マクモニーグル」FBI超能力捜査官 ジョー・マクモニーグルも続けて読んだ。この二人の能力には共に何らかの理由がある。モアハウスは戦地で銃弾を頭に受けてから能力が発現したといい、マクモニーグルは子供の頃に母親から受けた虐待が理由ではないかと自己分析している。
この経緯をルポルタージュしたのが、サイキック・スパイ―米軍遠隔透視部隊極秘計画
サイキック・スパイ―米軍遠隔透視部隊極秘計画
だ。この本は残念ながら既に絶版となっているがこの経緯が客観的かつ詳細に述べられている。モアハウスやマクモニーグル(本書ではマックモンイーグルと表記)も登場するが、なかでもかのユリ・ゲラーがこのプロジェクトを攪乱するというエピソードはすこぶる付きの面白さだ。
能力者のなかには透視を酷使、強要されてついには変調を来し精神疾患となってしまったり、辞職してネイティブアメリカン(いわゆるインディアン)のシャーマンになるなどの、能力者のその後も興味深い。

と、ここまで読んできたところで、これをモチーフとした映画「サスペクト・ゼロ」を発見して早速観た。サスペクト・ゼロ
作品としてはそれほどの出来でもないが上記のようなRV関連の書籍を読んだ上でみると、なかなかよく研究しているようだ。RVのメソッドもちゃんと再現しているし、また誘拐犯を追いつめる時に捜査官が紛れ込むインディアン居住地もおそらく上記の本を読んでイメージされたものだろう。ネタバレになるのでこれ以上は作品をご覧下さい。

さて、試しに「リモートビューイング」をGoogleで検索してみると、このメソッドを教授する団体やワークショップなどが相当数見つかる。しかし、これらの本で透視者の末路を読むと実はかなりの危険と隣り合わせなのではないかと思われるが、それが本当かどうかというよりむしろ一つのテーマで読み進めてゆくエンタテインメントとしてはなかなか興味深いものがある。

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    渡辺克巳

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    新潮社フォトミュゼの「新宿」が絶版となっているなかで最近刊行された渡辺克巳の最新写真集。洋書。



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    寺山と森山のコラボレーションは「あゝ、荒野」以前にもこの作品で既に成就していた。68年刊のこの作品は強烈なコントラストとイメージで時代を色濃く表現している。腰巻きの惹句「奇才ふたりが火花を散らすイメージ地獄巡り」も凄いが、天井桟敷率いる寺山へぶつける森山の渾身の「返歌」が熱い。中平卓馬がカメラを構える有名なショットもあり。これを見ずに森山は語れない。


    奈良原の写真は既に絶版になった朝日新聞社の「昭和写真全仕事」を所有しているが、トラピスト修道院に取材した「沈黙の国」「人間の土地」「消滅した時間」などパースを駆使した知的で静謐な写真は独特の美。「無国籍地」は廃墟をモチーフにした写真集。その圧倒的な画面の構成美を。

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    川内 倫子
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    川内の作品は柔らかい光と深度の浅いクローズアップなどを多用して日常の「合い間」を独特の色調で表現している。小生の勝手な感覚ではあるが彼女の作品にはどこか「彼岸の匂い」のようなものが感じられてならない。明るく静かな日常。ふと視線を外して見上げる窓の外の空。こよないものたちの空間。この作品は家族の何気ない日常をテーマとした写真集。なぜだろう、頁をめくってゆくたびに胸が詰まってくるのは。


    この間東京都写真美術館で行われた回顧展で再び植田の仕事が再評価されている。砂丘シリーズに代表されるこのモダニズムはいつまでも古びない。

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