『本屋さんを遊ぶ!』 / 「散歩の達人」2006年1月号
たまーに買う雑誌、「サンタツ」こと「散歩の達人」誌、今月2006年1月号の特集は「本屋さんを遊ぶ!」と題して最近少しづつ増殖中の個性派書店から大型書店やネット古書店の舞台裏などが扱われていて興味深かった。
書籍離れを含めたいわゆる構造的な本屋不況も、実は工夫すれば本はまだまだ売れるということを証明するかのように、オーナーの趣味や生き方、考え方のありようを前面に押し出した店づくりの個性的な書店が増えてゆくのはこのblogでも時折言及しているようにあらためて嬉しいことだ。ネットの普及や子供への教育不足などをあたかも言い訳のように唱え続けている業界には、本当にそれが単に仕方のない世の趨勢と拱手傍観しているだけでよいのかをもう一度再考して貰いたいものだと思うが、余計なことは言わないことにして(既に言っているが)小生も良く寄る店のいくつかを含めてカタログ風にまとまっており、これを片手に一軒一軒を訪れてみたい気分にさせる。
中央線沿線の「おに吉」、つまり荻窪、西荻、吉祥寺界隈での古書店、「谷根千」、即ち谷中、根津、千駄木での魅力的な古書店の数々は、どれも「オーナーの顔が見える」という点で共通している。どこも同じ書籍の排列の店には面白さがないが、例えば同じ書籍でもその置かれる意味のありようで単に出版社別に並んでいるのとはまるで違うものとなる。オーナーの持つ世界観によって途端に輝き出すのが書籍の深いところだろう。
ほか、大型書店やコンビニ、KIOSKまでの幅広い記事がいかにもサンタツの面目躍如といったところ。
こんな特集を参考にしながら例えば自分が店舗を構えるとしたらと、たとえそれが想像であってもアイデアを練ってみるのは楽しい。
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