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December 23, 2005

『本屋さんを遊ぶ!』 / 「散歩の達人」2006年1月号

たまーに買う雑誌、「サンタツ」こと「散歩の達人」誌、今月2006年1月号の特集は「本屋さんを遊ぶ!」と題して最近少しづつ増殖中の個性派書店から大型書店やネット古書店の舞台裏などが扱われていて興味深かった。
書籍離れを含めたいわゆる構造的な本屋不況も、実は工夫すれば本はまだまだ売れるということを証明するかのように、オーナーの趣味や生き方、考え方のありようを前面に押し出した店づくりの個性的な書店が増えてゆくのはこのblogでも時折言及しているようにあらためて嬉しいことだ。ネットの普及や子供への教育不足などをあたかも言い訳のように唱え続けている業界には、本当にそれが単に仕方のない世の趨勢と拱手傍観しているだけでよいのかをもう一度再考して貰いたいものだと思うが、余計なことは言わないことにして(既に言っているが)小生も良く寄る店のいくつかを含めてカタログ風にまとまっており、これを片手に一軒一軒を訪れてみたい気分にさせる。
中央線沿線の「おに吉」、つまり荻窪、西荻、吉祥寺界隈での古書店、「谷根千」、即ち谷中、根津、千駄木での魅力的な古書店の数々は、どれも「オーナーの顔が見える」という点で共通している。どこも同じ書籍の排列の店には面白さがないが、例えば同じ書籍でもその置かれる意味のありようで単に出版社別に並んでいるのとはまるで違うものとなる。オーナーの持つ世界観によって途端に輝き出すのが書籍の深いところだろう。
ほか、大型書店やコンビニ、KIOSKまでの幅広い記事がいかにもサンタツの面目躍如といったところ。
こんな特集を参考にしながら例えば自分が店舗を構えるとしたらと、たとえそれが想像であってもアイデアを練ってみるのは楽しい。

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    渡辺克巳

    097154803X
    新潮社フォトミュゼの「新宿」が絶版となっているなかで最近刊行された渡辺克巳の最新写真集。洋書。



    先般亡くなった路上の写真家、渡辺克巳の写真集。インサイダーとして夜の新宿を流した彼の生の証はその写された人々と共に永く記憶されるべき。


    ジャパン
    倉田 精二
    4106024330
    渡辺克巳とくれば倉田精二を挙げずにはいられない。日本のウィージーと言われたストリートフォトの神髄。都市の殺伐と虚像をこれほど表現した写真はない。

    にっぽん劇場写真帖
    寺山 修司・森山大道
    4106024187
    寺山と森山のコラボレーションは「あゝ、荒野」以前にもこの作品で既に成就していた。68年刊のこの作品は強烈なコントラストとイメージで時代を色濃く表現している。腰巻きの惹句「奇才ふたりが火花を散らすイメージ地獄巡り」も凄いが、天井桟敷率いる寺山へぶつける森山の渾身の「返歌」が熱い。中平卓馬がカメラを構える有名なショットもあり。これを見ずに森山は語れない。


    奈良原の写真は既に絶版になった朝日新聞社の「昭和写真全仕事」を所有しているが、トラピスト修道院に取材した「沈黙の国」「人間の土地」「消滅した時間」などパースを駆使した知的で静謐な写真は独特の美。「無国籍地」は廃墟をモチーフにした写真集。その圧倒的な画面の構成美を。

    Cui Cui
    川内 倫子
    4902943026
    川内の作品は柔らかい光と深度の浅いクローズアップなどを多用して日常の「合い間」を独特の色調で表現している。小生の勝手な感覚ではあるが彼女の作品にはどこか「彼岸の匂い」のようなものが感じられてならない。明るく静かな日常。ふと視線を外して見上げる窓の外の空。こよないものたちの空間。この作品は家族の何気ない日常をテーマとした写真集。なぜだろう、頁をめくってゆくたびに胸が詰まってくるのは。


    この間東京都写真美術館で行われた回顧展で再び植田の仕事が再評価されている。砂丘シリーズに代表されるこのモダニズムはいつまでも古びない。

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